雑誌の人と会う
『月刊ケアマネジャー』にこの4月から連載している「自分育ての学び術」。おかげさまで、読者モニターのみなさんからも評価をいただいているようで、なによりホッとしています。
と同時に、私は日々何を学んでいるかな、学ぼうとしているかな、と振り返りました。私の前にある教材は…と考えて、ひらめきました。まさにこの『月刊ケアマネジャー』が、私の「学びの扉」であり「宝庫」だな、と。
つまり、登場している方々にじかにあってお話を聴くことから始めようと思い立った次第です。
思い立ったが吉日…! 早速、編集部にお願いして、9月号の認知症特集に登場された田中悠美子さん(若年性認知症サポートセンター事務局)に、土曜日にお会いすることが実現しました。
ご本人は、東京都清瀬市にある日本社会事業大学の大学院の博士課程でも学んでいらっしゃるとのことでした。
「30代の人では介護保険が使えないので、障害のサービスになります。40代からは使えますが、どうしても高齢者向けのサービスなので、なかなかしっくりとこない方が多いですね。とくに男性の方は、働きたい希望が強いのが特徴です。町田にある『町田つながりの開』(代表:前田隆之さん)は、いい意味でのゆるさがあり、玉ねぎの皮むき作業など仕事を作り出して、うまく回っているのが特徴ですね」
私も半年前の某シンポで前田さんの話を聴く機会があり、その話題で盛り上がりました。それは、男性利用者が中心なので、送迎はワゴン車でなくBMW(中古車)にしたら、それだけでみなさんが気分よく乗車してやってくれるようになった、というエピソードでした。
話の流れで、田中さんは次のようなケースを話してくれました。
「元建築関係の方です。グループホームに納得して入所されましたが、数日後にやっぱり帰りたいとおっしゃって、結果的に退所されました。その理由が、やることがない、ということでした。つまり、グループホームでのご自分のポジションが見えなかったんですね」
高齢の認知症の方にはおだやかに暮らす環境がよくても、働き盛りの男性の認知症の方には物足りなさと居づらさでたまなくなったのかもしれません。
「まだまだ若年性認知症の方や家族の中には、介護保険への偏見もあり、年寄りの中に出したくない、年寄り扱いはさせたくない」という方も多いです、と田中さんは語ります。
その一方で、とても今風な取り組みも話してくれました。
「介護者同士がブログやフェイスブックでつながっている例もあるんです。当事者の方でもやられている方はいます。そこでは本音が語られていて、心のケアということでも意味がありますね」
若年性認知症の方たちは、介護の悩みだけでなく、仕事の悩み、子育ての悩み、経済的な悩み(例:生活費、住宅ローンなど)があり、支援の内容も高齢者とは違ったものが求められるのを実感しました。
お話をうかがった後、田中さんの研究テーマが地域包括ケアシステムということだったので、在宅介護支援センターから地域包括支援センターへの変遷とその理由、全国の地域包括支援センターの現状などをミニ講義させていただきました。
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【研修会場・写メ日記】
多摩療育園 介護員研修「文章と記録の上達術」
新潟県「ケアプランの質の向上」推進支援研修(フォローアップ研修)新潟市会場
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