「おしゃべり上手さん」と「おしゃべり屋さん」
前回は「おしゃべり上手」と「会議上手」の違いを考察(?)しました。結論としては、目的が違うので、同じ土俵では比較できないということでした。
ただ、おしゃべり上手は、会議上手にあらず。発言は主観的で散発的、具体性に欠けることも多い……ということをお伝えしたかった次第です。
さて今回は、前回の流れを受けながら、「おしゃべり上手さん」と「おしゃべり屋さん」との違いについて考察してみましょう。
実は私も、10代の頃はかなりの「おしゃべり屋さん」でした。(^_^;)
関西(京都出身)では、「しゃべる」ことは、コミュニケーションのエクササイズとして日常的に行われているので、他県の人が大阪に降り立った時に驚くのは、街中のうるささです。本当によくしゃべる!
ここで市民権を得るためには、「怒涛のような(?)マシンガントーク」が求められます。吉本の漫才師や芸人さんたちを思い浮かべていただければ、だいたいの想像がつくと思います。まさに……アレです(^_^;)。
ここで一つ、質問です。
関西の子どもたちの間で、高い評価を得る子どもは、どのようなタイプだと思われますか?
(1) 勉強ができる
(2) しゃべりがおもしろい
関西人なら速攻で答えます。
「そんなん、当たり前やん。(2)や(2)。しゃべりがおもろいのに決まっているやんか!なぁ!?」「そうや、そうや!」
実はわが母も、次のような言い方をよくしていたものです。
「この子はしゃべれるから大丈夫や」
何が大丈夫なのかはわかりませんが(^_^;)、とにかくしゃべれるなら、何とか世間を渡っていけるだろうという目安にはなったようです。
さらに、関西で「しゃべりの勝負」で負けないためには、何が必要なのか。
それは、相手の話を聴かないことです。聴いたふりをしながら、適当にウケをしながら、相手が息を吸った瞬間に鋭くツッコむ(割り込む?)のが、関西流のしゃべりの流儀といっては言いすぎでしょうか。
たとえが長くなってすみません。
このように、「おしゃべり屋さん」は、案外と(いや、ほとんど)、相手の話を聴いていないことが多いということです。
おしゃべりがおもしろい人が、会議でおもしろいわけではありません。たまにウイットの効いた表現をするおしゃべり屋さんはいますが、どちらかというと、話を混ぜっ返すか本音トークをする人が多い印象を受けます。
一方で、「おしゃべり上手さん」はどうでしょう?
おしゃべり上手の中でも、傾聴ができるタイプの人はいます。これがまさに、本物のおしゃべり上手さんです。つまり、「会話を楽しめる余裕のある人」ともいえます。
自分が一方的にしゃべるのではなく、必ず相手が話すことをしっかりと聴いています。第一声が出てこない人には、言いやすいように「質問(問いかけ)」をします。
さらに「それでどうなったの?」「そこをもう少しくわしく聴かせてくれる?」と促しの言葉を入れます。これが実にさりげない促しなので、話し手も自然と心を許して話してしまう……
そんな空気を作るのが実にうまいものです。
でも、これが会議というパブリックな場になると、途端に緊張してしまい、そんな余裕さえなくなってしまう人もいるようです。
それはおしゃべり屋さんも同じ……いやいや、おしゃべり屋さんのほうが、公的な場は苦手かもしれませんね。
口数の少ない人が発言をすると、「おやっ?」と周囲は思い、「どのようなことを言うのかな?」と聞き耳を立てます。つまり、注目を集めるわけです。
ここで、すぐには話し始めずに、ちょっと沈黙を入れて、おもむろに話し出すと効果的です。
そのような人の例が、姜尚中さん。あの「朝まで生テレビ」でも、沈黙を武器に、あの論客たちを一斉に黙らせますからねぇ。
皆さんの周りにいるお話上手は、「おしゃべり上手さん」ですか? それとも「おしゃべり屋さん」ですか?
え、私ですか? かつては、おしゃべり屋さんっぽい時がありましたねぇ……(>_<)
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【研修会場・写メ日記】
長野県介護支援専門員協議会の研修会。テーマは、「支援困難ケースと地域ケア会議」です。
鳥取県社協主催の社会福祉法人指導的職員研修(2日間)。「問題解決能力」&「職員の能力開発」。
コメント
なるほど、おしゃべり上手とおしゃべり屋さん、双方向の話ができると、お互いが楽しめます。会議上手、具体的、理論的で分かりやすく説得力がある。
黙って話をしっかり聞いて、一息ついて褒める、くぎを打つ、相手や聴衆に一目置かれますね。
「口から出た言葉は、取り消せない、よく唾を呑み込んでから話しなさい。」と親に教わったものです。
大変、勉強になります。
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