地域ケア会議ってなに?
「地域ケア会議についての研修会を計画していますが、どのようにやってよいのか、どこから手をつけてよいのかがわからず、困っています」
今、ケアタウン総合研究所HPの研修相談コーナーには、このような問い合わせのメールがよく届きます。その多くは、行政の担当部署からですが、地域包括支援センターの方からも問い合わせが入ります。
実際、今週も、熊本県と横浜市で、大勢の行政関係者および地域包括支援センターの方の前でお話しする機会がありました。
さて、来年から義務化となる「地域ケア会議」。今から(ある程度の?)準備&助走をしておかなければ、と取り組みが始まっています。
とりわけ、国の補助事業「地域ケア会議活用推進等事業」の「地域ケア会議立ち上げ支援事業」をゲットした市町村では、本格的な取り組みが始まろうとしています。
しかし、この地域ケア会議。いざその内容を考え始めると、とにかく混乱されることが多い。一体それはなぜなのでしょうか…。
以下は、地域包括支援センターや行政関係者の不安・悩みです。
(1)今までも、地域ケア会議的なものはやってきたから、あえて新しいものは必要ないのではないか
(2)今までの仕組みを壊して、もう一度作り直さなければいけないのか
(3)地域ケア会議と福祉懇談会などとの違いがわからない
(4)ケースを居宅介護支援事業所からどのように出してもらえばよいのか
(5)何から始めたらよいのか
これがケアマネジャーの皆さんになると、ちょっとニュアンスが異なってきます。
(1)そのような場で、自分のケアプランのことをあれこれ言われるのは嫌だ
(2)どのような目的で行うのかが、ピンとこない
(3)残念ながら、効果があまり期待できない
このように、地域ケア会議については、「わからない」→「漠然とした不安がある」という意見が多くあります。
主催する側の行政、地域包括支援センターについても、意義はわかっていても、イメージが「今一つわからない」のですから、説明のしようがありませんよね。そこで私に相談がやってきます。
私がどのようなお話をしているのか、ちょっとご紹介しましょう。
A:地域ケア会議を主催するのは、行政および地域包括支援センター、サービス担当者会議を主催するのは、介護支援専門員および居宅介護支援事業所となります。
ケアマネジメントは、利用者という「点」に向けて行う、「線」の支援です。そして、地域包括ケアおよび地域ケア会議は、その支援を必要とする高齢者や家族、地域に対する「面」の支援となります。
A:事例検討会は、事例をもとにした研修の意味合いが濃い場所です。つまり、実践力の向上を目指して行うものです。主催は、ケアマネジャー連絡会や地域包括支援センターなどが行います。
また、福祉懇談会は、地域の多様な資源の顔の見える関係づくりであり、ネットワークづくりためのものです。つながることが目的となります。
一方、地域ケア会議は、関係者が集まって、リアルなケースを実践的に検討し、役割分担まで明確にしていきます。
これらの違いについては、最後にご紹介する『地域ケア会議運営マニュアル』のなかで、明確に示されています。
「点と線の支援」であるケアマネジメントを、「面の支援」である地域包括ケアシステムが支える。その道具(ツール)の一つが、地域ケア会議です。まさに、これは、地域包括ケアの進化形の一つだと私は考えます。
※長寿社会開発センターから、『地域ケア会議運営マニュアル』が5月にリリースされています。『地域包括支援センター運営マニュアル』と比較して、文字も大きく検索もしやすく、わかりやすい構成になっています。
これを一読されることで、地域ケア会議の活用の仕方が、おぼろげながら理解できると思います。
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【研修会場・写メ日記】
鳥取県の中堅職員向けの研修会の様子です。テーマは「問題解決能力の育成」です。
熊本県の地域包括支援センター職員研修。「地域ケア会議の開き方・進め方・まとめ方」について、150名の皆さんと学びました。
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