会話の登場人物との関係
コミュニケーションの取り方に困っているケアマネジャーの方が案外と多い…。
これは、どのように話してよいかわからないという“アウトプット”の領域(その意味では「書くこと」もこれに入りますね)と、どのように引き出したらよいかという“インプット”の領域(インプットの一つに「傾聴」があり、語り始めてもらうためには「適切な質問力」が必要となります)があります。
このアウトプットとインプット。「会話」では、いずれかを交互に行っているわけで、つまりは「キャッチボール」というわけです。
この会話に苦手意識があると、相談援助職にたずさわる人にとっては、仕事そのものに「苦痛」を伴うのかもしれません。
もちろん、苦手意識がある人が、相談援助職に向いていないとは思いません。人見知りだからこそ、相手を慎重に吟味する力を持っていたりします。また、このような人は、結構ナイーブな面があるので、利用者(家族)の方の心の微妙な変化を読み取ることができたりします。
オープンマインドで、いつも利用者(家族)の方と心を開いて会話ができるのは、案外、細かいことが気にならないから。むしろ、敏感でなく鈍感だからできる人もいるのではないでしょうか? 細かいことを気にしないおかげで、慎重派の人には気楽な存在として好まれたりすることがあります。
まあ、これを「相性」というのでしょうね。
さて、いつも前置きが長いのですが(笑)、今回は「会話と感情」について考えてみました。
会話の中から、今の相手の心の状態を読み取ること、それは皆さんが普段からやられていることでしょう。今回、紹介したいのは、話題の中に登場する人物(例:家族、友人、知人など)と話し手本人との距離感を把握することのできる研修です。
先日、「アクターズケア」のセミナーを行いました。このセミナーは、俳優の演技手法を相談面接や接遇に活かそうというコンセプトで始めた研修です。
いろいろなワークショップを行ったわけですが、最後にはプレゼンテーションをやってもらいました。場所は某施設のカンファレンスの場。入居者の方のプロフィールに始まり、接遇の難しさ、さらにその人との接し方について、ある介護職員から相談を受けて困っているという内容でした。
その時、ある介護職員からの相談の中味をどのように話すのか。その言い方・言い回しで、日頃から介護職員のことをどう思っているのかが意外とわかるというお話をしました。
「まずは、その相談自体を面倒に思っているというふうに話してみてください。次に、また相談に来たの、何度言ったらわかるんだ、困った介護職員だという印象で話してみてください。さらに、その相談に答えられない自分が不甲斐ないという気持ちで話してみてください」
このような私からの指示で話してもらうことによって、話し手と話題の登場人物との距離感を測ることができることを実感してもらいました。このワークショップは、傾聴の訓練としても非常に有効です。
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研修の様子はケアタウン総合研究所の公式Facebookをご覧ください。
【研修会場・写メ日記】
第2回アクターズケア入門セミナーの様子。滑舌、声の出し方、エチュードなどなど、ユニークなワークショップで一日汗を流しました。
先週の金曜日、横浜市金沢区で行った青空ケアセンター主催「サービス担当者会議の進め方」の研修の様子です。
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