連載裏話:本の読み方
月刊ケアマネジャー連載「高室流“自分育て”の学び術」の6月号のテーマは、「本の読み方」です。
今回は、かなり実践的な内容となっています。
皆さんが様々なことを学ぶ際に、ぜひとも活用していただきたいのが書籍、つまり本ですね。
いまやインターネットがあれば、たいていの情報は手に入ると思われる向きも多いですが、果たしてそうでしょうか?
いえいえ、圧倒的な情報量を誇るのは、書籍にはかないません。
今回の連載では、私の読書法を、いくつか紹介しています。多分、皆さんなりにやっていることはあるでしょうが、私の方法が役に立てばと思い、このブログでは恥をしのんで(^_^;)?、実際の私の本もお見せしながら、連載の補足をしたいと思います。
連載では、「本は書き込みをしながら読みましょう」と書きました。それが、自分の「ノート化」の第一歩になるとも…。
“書き込み”には、ちょっと抵抗がある人がいるのはわかります。何しろ、私自身がそうだったからです。
でも、“書き込み”をするというのは、本の内容に自分を積極的に関わらせる「身体行為」と考えてみてはどうでしょうか?
では、具体的にどうすればよいのか…
第一は、「線」を引く。最初は緊張するでしょうが「自分なり」に引くことが大切です。ガンガン引きます。
齋藤孝・明治大学教授は、「三色ボールペン」で色分けして引こうとまで言っています。
「重要だ」「ヒントになる」「心がけよう」「共感する」などの判断軸ごとに、線種と線色(赤、青、黒、ピンク)を決めておきます。
こうしておくと、読み返した時に記憶を呼び起こしやすく、再読する際に便利です。色がカラフルな蛍光マーカーを使ってもよいでしょう。
まずは、黒色だけでもOK! 線を引くことに慣れましょう。
次は、本に「感想・ひらめき・要約」を書き込む、という方法です。
本の空欄に、「なるほど」「使える」「いいね」「グッド」などの簡単な言葉や、ちょっと長めの要約文を書き込むわけです。
要するに読書とは、書き手と読者の「一対一の関係」なのです。
書き手が「〇〇と考えましょう」と一方的に言い募る(書き募る)のを、無自覚に吸収するというのは、あまりに脳を使っていないことになります。
それに、このような著者の語りに直接向き合う行為は、知識の吸収にとても効果的です。読み終えたとき、その本は、「自分ノート」のようになっていることでしょう。
本への書き込みには抵抗があるという人は、まずは付箋に書き込んでみてもいいでしょう。
ちなみに、私は小説にも書き込みをします。すると、登場人物のセリフやその情景を覚えているものなのです。
最近では、シェークスピアの作品に、思いっきり書き込みをしました。その理由は、実に実に面白かったからです!
連載では、音読のススメも書きました。
大多数の人は、おそらく黙読派でしょう。しかし、かつての日本は、「素読」が一般的に行われていました。皆さんも小学校の頃、本を順番に音読したと思います。
先述の齋藤孝教授は、10数年前、日本の名著を紹介した「声に出して読む日本語」なる本を出版しました。これがまたベストセラーになったのも、音読復権の大切さを皆さんが思い出したからだと思います。
自分の声で発音し、自分の耳に入れた知識は身につきやすいし、何より音読なら読み過ごしもありません。
そこで私が推薦したいのは、感想や突っ込みを書き込むだけでなく、「言葉に出してみる」というものです。
「なるほど…〇〇となっているのは、〇〇だからなんだ」
「この著者は〇〇を分析しているけど、それはちょっと浅いよね。何しろ…」
などと、独り言でいいので、言葉化することです。
大切なのは、安易に「鵜呑みにしない」こと。自分の頭で考えるためには、声に出して言葉化することが効果的なのです。
このようにして、「書き込む」「声に出す」を行うことで、本を読むことは脳のトレーニングになります。
これはまさに、効果的な自分育てのためのノウハウなのです。
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