嘘も方便? 嘘は方便?
昨日は4月1日。いわゆる「エイプリル・フール」です。
1年間で嘘を言ってもよい日として知られていますから、いかに本当のような嘘をつくか、を競い合うみたいなことがされています。
さて、「嘘」とは…
事実でないことを言うこと。つくり話を話すこと。
でも、過失(ついうっかり)や無知(知らなかった)は嘘とはされません。嘘は、故意や意図が働いていること。つまり、相手をだます、あざむくという行為であることが前提となります。
では、私たちは日常、嘘を言っていないのでしょうか?
つまり、事実を正確に伝えているのでしょうか?
目の前の人が嫌い・苦手、上司の服が似合っていない…このような自明のことを、相手に対して伝えるでしょうか?
おそらく、ほとんどの人はそうはしないでしょう。
そこにあるのは、トラブルを避けたい、関係を壊したくないなど、それほど相手を大切に思っていないという本音があるのではないでしょうか?
では、認知症の方の「作話」や「妄想」はどうでしょう?
専門職である皆さんは、それを嘘だとは思いませんよね。でも泥棒扱いされた家族はどうでしょう? 泥棒だと周りに言いふらす親を見て、許せるでしょうか?
もちろん、それはどだい無理というもの。なぜならそれは、家族にとっては「嘘」だからです。
しかし本人の世界では、これは「嘘」ではなく真実となります。
さてさて、困ったことになりました。
本人にとっては「真実」なのに、周囲からは「嘘の扱い」を受けてしまうとなると、本人の中には、言いようのない「葛藤」が生まれます。
やがて自分をまともに扱ってくれない周囲に対して、「不信」の念を抱くことにもつながるでしょう。わかってもらえない孤独感は、本人を追いつめることになっていきます。
私たちの多くは、嘘をつくのが嫌いです。正直でありたいと思っています。でも嘘をつかなくてはいけない時もあります。
残りわずか1カ月のがん末期の方に、「来年のお花見を一緒に見れるといいですね」などと話すことはないでしょうか?
話す内容は「嘘」に近いかもしれませんが、そのギリギリのところで話題にするのは「方便」という言い方であり、「罪の意識」をやわらげる人間の知恵なのではないでしょうか?
エイプリル・フールもそうですね。
年に1度だけ、嘘を言ってもよいという決まりごとは、嘘を言うことの後ろめたさを本人に思い出させ、相手が真実を言っているのかわからないよと自らに思い知らせる「習わし」であると考えるならば、とても意味のある日なのかもしれません。
皆さんは、昨日はどのような「嘘」をつきましたか?
そして、どのような「嘘」をつかれましたか?
いささか、見抜けない嘘が多くなっているこの時代、一番の大嘘つきは、一体誰なのでしょうか?
【ムロさんの写メ日記】
第4期みえ福祉連携プロジェクトの活動報告会です。
これは小規模のデイサービスやグループホームなどの事業者が、4~7つ集まって1つのユニットをつくり、人材育成・求人募集・職員交流などを行う会です。第1期からコーディネーターとしてかかわっています。
今年は、6つのユニットからの発表がありました。また「地域への貢献」をコンセプトに加えたので、皆さんの発表も地域の方々を巻き込んだユニークな企画をされました。
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