連載裏話:「会議上手」ってなんだろう?
『月刊ケアマネジャー』にて、1年間(2012年4月号~2013年3月号)連載してきた「高室流“恥”をかかない会議術」。
あらためて会議上手な人とは、どのような人かについて考えてみたいと思います。
「会議上手」を考える時には、その反対の「会議下手」を想定すると、その姿を浮き彫りにすることができます。
会議の進行役の場合と、会議の参加者の場合の両方から考えていきましょう。
まずは、「進行が下手(苦手)」だと周りから思わせてしまうのは、次のような人たちです。
●型通りの進行で進めていく人
型通りであっても、それがスマートな進行ならいいのですが、ガチガチに時間通り進める人がいますよね。時間オーバーも許さじというか。これってしんどいですね。
●一人舞台のように延々と話し続ける人を、制止できない人
まあそもそも悪いのは話し続けている人なのですが、「そこまで!」と仕切り直すことができない人。あれは困りものです。
●沈黙続きのシーンとした会議になってしまう人
これも、結構キツイですね。連載でも書きましたが、このような人に限って、「何かありませんか?」という抽象的な投げかけを行いがち。じゃあ沈黙を破るためなら…と、本当に「脱線ネタ」を話し出す人が出てくるので困ってしまいます。
●意見や質問を、端から順番に言わせていく人
全員に発言の機会を、という気持ちは十二分に伝わるものの、会議が盛り上がっていない時だと、一層ダラダラ感あふれる空気に包まれることはありませんか?
最初の自己紹介や最後の感想程度ならよいでしょうが、意見や質問の際にこれをやると、途中から、「○○さんと同じ意見です」「特にありません」となってしまいがち。また突然、これまでとはかなり異なるテンションの質問をする人も出てきて、流れがこわれてしまうこともあります。
次に、会議への「参加が下手(苦手)」についてです。
会議は進行役がつくるのではなく、「参加者がつくるもの」というのが、私の持論。
いくら腕の立つ進行役がいても、意図的に、「やる気がない」「一方的に話す」「人の話を聞かない」「疲れている」ような空気をつくる参加者がいると、会議は決してうまく進みません。
上記以外の“厄介な人”のパターンは、次の通りです。
●発言内容にすぐにケチをつける人
これはよくないですよね。本人なりに評価をしているのでしょうが、「それは〇〇だね」と、ちょっと上から目線で言われると、言われた側はカチンときます。
●周りの発言に絡まない、独自の論法を披露する人
「私はちょっと違う角度から…」とオリジナルな意見を言うこと自体は、事例検討会など多面的な視野を話し合う際にはとても重要なことです。しかし、議論の最後、方向性や方針など意見をまとめていく段階で、これまでの流れを見事にくつがえすような、あまりに独自かつ飛躍した意見を言う人がいると困ってしまいます。
●いつも否定的な見方の発言をする人
「これではあまりうまくいかないと思います。もし○○をするとなったら、一体誰が責任をとるのですか?」などと、否定的な発言に終始する人です。もちろん、「慎重である」と参加者たちが思えればいいのですが、「いい意見をつぶしにかかっている」(失礼<(_ _)>)という印象を与える人もいます。いませんか、そういう人?
会議上手な人は、参加上手でもあるということは、本当に感じることです。
自分が進行役の時にはなかなか余裕が持てませんから、参加者の時は意識して「観察者」となり、進行役や参加者の発言ぶりや態度などをしっかりウオッチしましょう。
そのような積み重ねを行うことが、あなたをいつの間にか、「会議上手」にしていることでしょう。
【ムロさんの写メ日記】
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