多職種「連携」の勘所~メリットは何?~
先々週の東松山市の研修会のテーマが「多職種連携」でした。いま、このテーマで講師に呼ばれることが多くなっています。それほどに「多職種連携」にむずかしさを感じている地域包括支援センターやケアマネジャーのみなさん、さらに医療専門職などの声を反映しているのだと思います。
「多職種」とはいい用語だと思います。それぞれを尊重した印象です。これを「他職種」と表記すると、日本人独特の「ウチとソト」として他の専門職を見ているとなりますからね(文字変換に注意しましょう!)。
お互いが「多職種」と思うことはとてもいいことです。
さて、この多職種連携という言い方ですが、まずはビジネスの世界ではなじまないですね。「多職種」という言い方も、ビジネス書を読んでも目にしませんし、連携という用語も使いますが、どちらかというと「提携」だったりします。ビジネスパートナーという意味ですね。
提携関係では、お互いにとって「Win-Winの関係」というのは当たり前です。ただし、それをあからさまにいうのは良くないので、日本的表現では「おたがいさま」が近いでしょうか。
では、地域包括ケアシステムで「提携」が正しいか…私は適切ではないと思います。この言い方だと、〇〇病院を退院すると〇〇老健に入り、在宅生活が始まると〇〇デイサービスと〇〇訪問介護が入り、△△福祉用具レンタルから車いすを使うことになる。ということが、××居宅介護支援事業所に頼むとパターン化していて、必ずこうなるという…。
提携には「あからさまな報酬」か、それに近い売り上げと利益がからんでいる印象があります。
ですから、地域包括ケアシステムでは、おたがいがフリーハンドで公平・対等な関係を意味する「連携」が適切なのです。
では、「連携」という文言を使えば連携になるのか…というと、これもいささか現場感覚ではちがった使われ方をしているのでは?
地域包括支援センターの研修会などでは、私は次のように言います。
「みなさんが連携、連携を目的に地域の町内会や民生委員の集まり、老人会やボランティアの方々のところに行っているのは、ただのお願いになっていませんか?」
みなさん、キョトンとした表情です。が、終了後のアンケートには必ずと言っていいほど「ご指摘のとおり、連携というよりお願いベースになっていました」と書く人がいます。
たしかに仕方ないかもしれません。とかく提案を「お願い的な言い方」(例:~をよろしくお願いします)をしてしまうのが、日本語コミュニケーションの特徴ですから。でもお願いされると、受けた側は「やるか、やらないか」になってしまいがちです。
とりわけ地域をよくするためにがんばる方々は「好意的な人」が多いですから、基本的に断り下手な方が多い。だから「まあ、やりましょうか」となるけれど、本心は「面倒なことをもってこられちゃったな」と思っている人もいます。
ところが「提案的な言い方」ならどうでしょうか? それも提携先にとって、とても困っている事の解決の一助になることであり、わかりやすいメリット(利益というより「良くなること」と理解してくださいね)になることならば…。
受けた側はムゲにはしないでしょう。むしろ「どのように協力すればいいか」と先方の意識は変わることでしょう。
ここがポイントなんですね。
連携を提案するには、連携先の「メリット」を考えろ。
これが「勘所」の1つです。
ムロさんの写メ日記
原稿書きに明け暮れるパソコン画面!
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コメント
こんばんは、以前「劇団ふるさときゃらばん」に所属しておりました税田幸子です。覚えていらっしゃいますか?
今は徳島で介護ヘルパーの仕事をしております。図書館で高室さんの本を見つけ、びっくりするやら感動するやら。ご活躍されてますね。
私は介護福祉士の資格を取ろうと勉強を始めたところです。高室さんの本で少しは賢くなったかな。
個人的なコメントで失礼しました。
向井(税田)幸子さんへ
お久しぶりです。今は、徳島にいるんですねぇ。驚きです!
そうですか、介護福祉士をめざして、がんばっているんですね。2週間前に徳島県には研修でうかがいましたよ。一度、お会いしたいですね。私の様子は、ケアタウン総合研究所の公式サイトかフェイスブックでわかりますので、一度、覗いてみてください!(^^)! 個人的な返信でした!
お久しぶりです。
びっくりしました。しっかりと覚えていますよ!いま、私の前に天城さんがいますよ!
そうですか、介護福祉士をめざしているんですね。それは素晴らしいですね。 いま、アクターズケアというプロジェクトを立ち上げようと準備中です。
ケアタウン総合研究所のHPからアクセスしてください。ぜひとも連絡を取り合いましょう。お待ちしています!(^^)!
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