連載裏話:人は「会議」で育つ!
今回の『月刊ケアマネジャー』の連載「高室流恥をかかない会議術VOL8」は、「人は会議で育つ!」というタイトルです。
私がこのように思うのは「会議が人前」で行われるからです。人はなにで成長するか…「人は人に磨かれてこそ成長する」と私は考えます。
もちろん本を読み、多様な経験を経て内省・自省することで人は成長します。が、それも人との「関わり」のなかで私たちは迷い・悩み、やがて内省を経て気づきにいたることも多いのですから、結果的に「人に磨かれている」ことになるわけです。
冒頭からすみません、こんな話で…<(_ _)>。
さて「人は会議で育つ!」の連載裏話です。
連載でも書きましたが、会議が嫌いな人の本音の多くに「恥をかきたくない」があります。何を発言してよいのかわからないくらいにあがってしまう人もいれば、会議の顔ぶれ次第では意見や提案を控えてしまう人がいます。
ケアマネジャーは間接援助の仕事です。相談援助を仕事とする人が会議の場で発言できない、会議の進行がいつまでも苦手では、チームケアの質に影響することになります。
あえて「会議力」といわせてもらうならば、この技術と力量はどこで伸ばせるかというと、会議の現場でしかありません。相談援助の力が多くの利用者(クライアント)との出会いの現場で鍛えられるように、会議力は会議の現場でこそ磨くことができます。
そう考えると、進行役になるまえに「参加者」という立場(進行役より、正直楽ですからね)でいかに会議力を磨くか。ここがポイントになります。
進行役の話し方(声、身振り、表情など)、話の組み立て方(起承転結、結論から話すなど)、まとめ方、問いの立て方などを客観的に観察する目をもつだけで、多くの発見があるものです。
また、発言するほうにも同様に関心の目をもって観察してみましょう。多くの気づきがあると思います。
さて、ここで話はちょっと変わります。
先週行われたケアタウン総合研究所の東京セミナーのテーマは「シナリオで実践するサービス担当者会議」でした。ここでは、会議の進め方の講義だけでなく、後半はサービス担当者会議の逐語録をシナリオ化したものを読み合せをしながら進めました。
進めながら、以下の質問をします。
・この表現は利用者(家族)に理解できるか?
・この質問の仕方はケアチームには適切か?
・この専門用語をどのように言い換えるか?
・この表現をわかりやすくするためには、どのようなエピソードを例にすれば伝わりやすいか?
・そもそも何が言いたいかがわかるか?
「私、バッチリとこのような言い方をしています」
「この手の表現はまったくわからないですよね」
「このような言い方をする事業者さんがいます」
シナリオ化することで、みずからがやってしまっていることをリアリティを感じながら振り返ってもらうのが狙いの手法です。
ここで話は戻って…(^_^;)。実は会議には定形化した言い方・言い回しがあります。会議の冒頭でよく使われる「本日はお足下の悪い中~」「本日はお忙しいところ~」「本日は急なところ~」などはもっともポピュラーです。これが会議の冒頭になくていきなり話し合いがはじまると、参加者の気持ちの中に「イラッ」とした感情が湧きおこります。
つまり「いたわり、ねぎらい、感謝」のフレーズを入れることが日本の会議ではきわめて大切なセオリーなのです。
このような言い回しも会議で何度も使いこなすことで、はじめは決まり文句のような言い方でも、やがて心がちゃんとこもった言い方ができるようになります。
これも「習うより慣れろ」の基本ですね。
会議は人前で行われるぶん、緊張度も高くなりがちですが、だからこそ真剣になれるというもの。10人前後の進行役を行うまえに、まずは事業所の数人のカンファレンスや会議で多くの経験(失敗?)を積んでおくことが「人を育てる(自分を育てる)」ことになります。
ムロさんの写メ日記
愛媛県介護老人福祉施設協議会(老施協)主催「施設ケアの質を高める文章と記録の上達術」研修の様子です
愛媛県宇和島市社協主催「地域連携によるケアマネジメントセミナー」の第2部です。シンポ形式でコーディネーター役を務めました
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