日本ケアマネジメント学会 第11回研究大会 in広島
今回で11回目となる日本ケアマネジメント学会。今年は広島県で行われました。
九州地方を襲った豪雨の影響で、当日の天候も心配されましたが、初日は少しパラついたものの、2日目はピーカン(※業界用語で快晴)でした。
初日午前中の講演は、大会委員長の落久保裕之さん「ケアマネジメントアプローチによる地域医療の未来」と、鎌田實さん「『がんばらない』けど『あきらめない』」でした。
お昼に会場に到着したので、この2講演は聞けませんでしたが、落久保さんは、「物語(ナラティブ)」の話をされたとのこと。
小生も、普段から、アセスメントにナラティブアプローチの視点を持つことの意義を話しているので、これは残念と思った次第です。
初日の夕方には、タレントの風見しんごさんによる市民講座「介護する気持ち、家族の絆 ~父、母、そして娘より~」。
風見さんは、脳梗塞で倒れたお母さんを看取り、その数年後にお父さんがアルツハイマー型認知症になられたという話をしました。
脳梗塞で倒れた母に計算ドリルを教えた、という母とのエピソードのほか、熊本に旅行に行った父が「どこにおるんか、わからんようになった」と何とタクシーで広島まで帰ってきたこと、830円が入っている貯金箱の小銭を毎日数え続けていること、なじみの居酒屋に1日6回も足を運んだことなど、父とのエピソードについても披露されました。
「父にとって居酒屋は、唯一、記憶が呼び戻せる場所だったんだと思います。そこには、私たち家族との楽しい空気があった……」
普段の明るい風見さんの印象からは想像もできない、介護する家族の苦悩を話されました。
とりわけ、「父が手を上げて、家族に暴力をふるうようになったとき、私は父を後ろから羽交い絞めにして地面に押し倒しました。その時、私は涙が流れて仕方ありませんでした」という話の時には、息子としてそうせざるを得なかった苦しい胸の内を吐露されたのでしょう。
言葉が数回つまったようでした……
さて、学会では、たくさんの方から声をかけていただきました。
「先生の本を読みました」「先生の研修、受けました」「サインしてもらった本、今でも大切に読んでいます」……
全国から集まった方々との旧交を温める場として、学会は貴重だなとあらためて思った次第です。
その中の記念写メをいくつか紹介します。
2日目の午前中は、一般口演とポスターセッション。
私はポスターセッションを中心に見て回りました。
午後は、厚生労働省の講演。次いで、シンポジウム「2012年、改正介護保険制度のゆくえ~どう考える日本の高齢化社会の未来~」が行われました。
シンポでは、認定ケアマネジャーの会会長の白木裕子さん、日本介護支援専門員協会会長の木村隆次さん、労働政策研究・研修機構研究員の堀田聰子さん、岡山プライマリ・ケア学会会長の宮原伸二さんなどが、それぞれの立場から本音ベースで発信。
2時間ではとてももったいない、中味の濃いシンポジウムで、大会の幕が閉じられました。
【ムロさんの写メ日記】
懇親会のアトラクションの神楽です。迫力、ありました!!
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