「命」を結ぶ
先週、加藤登紀子さんと鎌田實さんのジョイントトークショーを聴く機会がありました。
主催は中央法規出版。加藤登紀子さんの新刊『命を結ぶ』の刊行記念として企画されたもので、新宿・紀伊國屋書店のサザンシアターで行われました。
加藤さんのトークは、1年前の東日本大震災の話題から始まりました。ちょっと低めでハスキーな声。
やさしくあたたかなその声は、シャンソンのメロディーにも似た響きがあります。
「あの日から、私は、いま一番困っている人、難儀をしている人、苦しんでいる人に何を語りかければいいかを考えてきました。語りかける言葉とは何かを、いまも考えています」
岩手県大槌町や宮城県石巻市……加藤さんが被災された住民の皆さんに語りかけ、歌う。
そして、その様子をスクリーンに大写しにした写真と加藤さんの歌「Are You Safe Now?」。
やがて、福島県飯館村でのコンサートのエピソードが語られ、そこで歌われた「命結~ぬちゆい~」が私たちにも披露されました。
沖縄民謡にも似たそのリズムは、懐かしさとあたたかさで迫ってきます。
「ひとりでもひとりじゃない ♪」
何度となく繰り返されるフレーズ。
「私たちは、もしかしてバラバラでもいいのじゃないかと思います。だって命は、そもそもつながっているものなんですからね」
この思いが歌詞の中の「ひとりでもひとりじゃない」のフレーズに昇華したのでしょう。
鎌田實さんとのトークショーでは、チェルノブイリの子どもたちへの支援から、今回の福島原発事故への医療者支援のエピソードまで、話は縦横無尽に広がります。
そして最後に、歌の持つ力が話題となり、「心の中に故郷を持って歩く。それをさせてくれるのが歌です。それが歌の力です」とまとめられました。
加藤登紀子さんの話は、やさしい声であたかかく、そして深く……
私たちが忘れている大切なことに囁きかけてくるようでした。
終わりのひと言もよかったですね。
「抱きしめる時に抱きしめられていることを実感しませんか?」
支えることで支えられる自分がいる……
しみじみとした感動が、ちょっと冷え気味(?)の心に、しみわたるようでした。
【ムロさんの写メ日記】
「ことしもまた、新たな縁(えにし)を結ぶ会」の濃縮(!)シンポジウムに参加しました。第1部から第3部まで、午後1時~8時30分までという長丁場でした。
自分で写メしました。
会場には、福島県いわき市からトマトが届きました。
全員に配られたのにはビックリ。そして抜群においしかったです!
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