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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

夢の力・希望の力

 あけましておめでとうございます。

 あたらしき年の始まりです。

 みなさんの初夢はいかがでしたか?
 私の少年時代というのは、それはそれは初夢への期待は大きく。
 いつも除夜の鐘を聞き終わると、さあ見るぞぉと勢い勇んで布団にもぐりこんだものです。しかし眠ろうとしても、余計に目がさえて眠れない。といっても、そこは小学生の浅はかさ。NHK紅白歌合戦を見るために眠気をこらえていたものですから、知らぬ間にウトウトがはじまり熟睡モードに。

 やがて雑煮の香りで目がさめることに……初夢を見たのか見ていないのかわからないうちに一年が始まる。そんなことの繰り返しだったように思います。

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「夢の力・希望の力」……昨年の東日本大震災や福島原発事故という苦難が始まった昨年。その解決はまだ緒についたばかり。だから、なおさら、この言葉がしみじみと心に響く新年はありません。

 よく「夢は叶えるもの」という人がいます。たしかに夢といえばポジティブな印象が強いですね。でも眠っている間に見るおかげで、どこかぼんやりしているものだったりします。

 どうも、眠っているときにみる夢ではなく、目がさえている時にみる夢の力には、私たちを突き動かすなにかがあります。「夢」というとちょっと大げさで照れくさいなら、強く思っている(念じる・願うという表現もありますね)と叶うと考えてみるといいですね……。

 そこで叶うという漢字です。「口」に「十」です。つまり十回唱えつづけると叶うというわけです。口に出すことで脳が反応して、自動的に心身がそれに向かって行動を始めると説く脳科学者もいます。まさに「言葉力」です。
 それなら「口+百」とか「口+千」と書くのもいいかもしれません。

 それとともに人には自己肯定感が必要ともいわれます。自己愛とはちょっと異なります。つまり、自らの行動や考え方を否定的でなく肯定的にもとらえてみることで、長所が見えてくるというもの。とりわけうまくいかない時ほど「私ってダメ」と全否定しがちだからです。
 そういう意味では「小さな成功体験」としてわずかなことでも感じれるポジティブさも、時には必要です。
 大きな成功をめざす前に、小さな成功の積み重ねが、やがて自分に「自信」をつけてくれます。
 そして「ささやかな達成感」も。

 2012年、始められるところから始める……

 そんなわずかな一歩が次代をつくるのだと思います。

 今年も、ささやかな一歩の始まりです。


 恒例のムロさんの写メ日記は次回から……
 今回は正月を感じさせる3枚です。
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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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