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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

連載楽屋話~自己覚知

 自己覚知は福祉・介護現場で働く対人援助職、とりわけ相談支援職には「不可欠な要素」として語られます。
 ある利用者(家族)に、どうしてこのような感情(例:不安、怒り、戸惑い、嫌悪)を抱いてしまうのか、いま自分はどのように感じてどのように行動しているのか、これらを客観的に意識できているか…これらを総じて「自己覚知」といいます。
 『月刊ケアマネジャー』の連載も、チームマネジメントの前半が終了し、後半のセルフマネジメントの領域に入りました。自らをマネジメントするうえで自己覚知はとりわけ重要なキーワードであり、自己覚知するうえで効果的なメソッド(方法)のひとつがスーパービジョンなのです。

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 それでは、自己覚知をしないで相談支援の仕事を進めるとどうなるか? まずは、感じたことが主観でなく客観的事実として思い込む「決めつけの支援」となる危険があります。それは、自分の価値観を相手や周囲に押しつけることだったり、感情的に行動することであり、支援のプロセスを歪めることになります。

 私たちは誰しも、自分なりの価値観(判断・行動の基準)と道徳的規準、倫理的基準をもっています。私は演習で価値観リストを使ってグループワークをします。これは実に興味深い演習です。
 70個近い価値観のキーワードから5つを選び出し、「なかでも大切にしていることは?」と問いかけてみると、Aさんは信頼、Bさんは克己心、Cさんは健康、Dさんは情熱、Eさんは感謝、Fさんは真面目など、まず一致することが少ないのがわかります。そして複数の人が「信頼」を選んでも、ある人は信頼することであり、別の人は信頼されることだったりします。これって微妙に違うようで、まったくスタンスは異なります。
 掘り下げていくと、実は少年期の裏切られた経験があったり、職場でのスランプの時に周囲に支えられた体験がベースになっていたり。

 キーワードひとつとってもまったく意味合いが異なることになります。この演習では、そのような価値観をもっている自分自身を自己覚知し、対人援助の現場で客観的に意識することの大切さを話します。

 自己覚知…つまりは「自覚」ですよね。
 文字を読み解くと「自らを知り、自らに目覚める」と読めます。なんと素敵な言葉でしょう。もっとも身近で長くつきあう「自分」という他人をどれだけ知り、愛せるか…。

 自己覚知…これを「自分をあるがまま受け入れる」とある指揮者が説明しています。ならば「悟り」という仏教用語と対比させるとどうでしょう。私は、自己覚知の手法には、スーパービジョンという他者との関係による「気づき」だけでなく、座禅などによる「自己との対話」も効果的な方法として活用できるように思うのですが、いかがでしょう。

ムロさんの写メ日記

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新潟県介護支援専門員協議会の研修会。タイトルは「利用者1割負担に応えられるケアマネジメント」がテーマでした。いつになく気合が入りました(^_^;)

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宇都宮市高齢福祉課主催の「施設ケアプランセミナー」です。特養・老健以外にグループホームも参加されました

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施設ケアマネジメントをどう考えればよいかを講義している様子

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神奈川県社会福祉士会主催の「相談援助職のプレゼンテーション技術」の研修会です。地域包括支援センター、ケアマネジャーのみなさんが参加されました。グループワークの様子です

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演習:地域住民を対象に「見守り・声がけ」のお願いをします

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書類を読みながら話すと、ちょっとカタイ印象です

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書類を読まないと自由に話せて、とても楽に聞くことができます

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私の仕事場でもある、新宿3丁目にあるカフェ。この長いカウンターがいいんですねぇ。穴場です(^_^;)

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ノートパソコンを広げて原稿を書きます。資料はiPadでサクサクと検索します

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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著者:高室成幸
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発行:中央法規出版
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