「なんでも学んでみる」ことのススメ
私が研修講師として活動を始めて丸10年が経過しました。早いものです。当初は、自分が現場の実践者の皆さんの前で何を教えることがあるのだろうと試行錯誤していました。介護保険がスタートして、当時は、まだ2年。現場も「走りながら考える」を合言葉に試行錯誤のなか、本当にチャレンジングでした。
「私たちが日本の高齢社会を作るフロンティアになる」
「日本の介護保険制度とケアマネジメントの作り手になろう」
まぶしいほどの熱気を感じたものでした。
一方、「仕事がうまく進まない」「仕事の山積みで火をつけたいほど」と悲鳴のようなSOSを聞くにつけ、ヒヤリングを進めていくと「マネジメント」の手法に慣れないという実態が浮き彫りになってきました。そこで書き上げたのが「ケアマネジメントの仕事術」でした。この話は幾度となくしているので耳にタコの人もいらっしゃるかな?(^_^;)
そんなケアマネジメントの世界も、あれから10年が経過すると、マネジメント手法の大切さを認識する方も増え、月刊『ケアマネジャー』では、「私の仕事術」なる特集が組まれたこともあります。着実に「マネジメント」への理解と実践が進んでいるのを実感します。特に、同誌の「私の一日」というケアマネジャーの24時間を紹介する巻末連載は楽しみで、なるほど、みなさん、こうやって時間を使いこなしているんだと感心して読ませていただいています。
先週、石川県介護福祉士会の「ICFをCADLの視点をいかすアセスメント」の研修に七尾市まで足を伸ばしました。出迎えてくれたのは、副会長の北野正敏さん。ホンダのFITの助手席に乗り込むと、私の目に入ってきたのはDVD版『日本で「正義」の話をしよう サンデル教授の特別授業』(早川書房)でした。価格は3000円です。
「これ、見ている?」
「ええ、利用者さんや家族さんの前で話すことが多いので、このサンデル教授の言い回しや考え方が参考になると思って、いつもDVDを車の中で流しているんです」
北野さんは現役のケアマネさんで、移動中も時間を惜しんで、繰り返し聴いているそうです。
サンデル教授はハーバード大学の政治哲学が専門の教授で、東大生を相手にした「白熱教室」はNHKでも放映されました。私も、その圧倒的な説得力と話術には感心したものです。
私がうれしかったのは、自分なりに何かを懸命に学ぼうとされる姿勢です。ケアマネジメントに政治哲学の発想が即効で役に立つとは限りません。ただ、無駄を恐れてすぐに使えそうな有益?なことばかりを学んでいるようでは、幅は生まれませんし、自分の頭で考える習慣は生まれません。
「どんなことに役に立ちましたか」の質問に……
「いやぁ、とにかくおもしろいんです。それに大学生の娘と話題が作れたことだけでもよかったですね」と北野さん。
もし利用者や家族の方にこの手の話が好きな人がいたら、誰よりも楽しい時間を過ごせる話し相手が北野さんになるのではないでしょうか?
話は大いに逸れているようですが(笑)、要するに芸能や歌謡、映画や茶道に華道、それに宗教(仏教なんかいいですねぇ。いま草食系ならぬ僧職系男子がモテ期のようで……)の話題も、人の幅としては絶好のネタですね。
ケアマネジメントにたずさわるみなさんが学ぶべきことは、相談援助技術に医療知識、制度の知識など、多くありますが、「その人らしさ」を深く理解し共感するためには、この手の「興味関心」を磨かれることをお勧めします!(^^)!
ムロさんの写メ日記
京都府舞鶴市のケアマネジャー連絡会のみなさんの会議に参加して、会の運営や今後のあり方についてアドバイス
5月に研修会&コンサルティングをしました。その後、名刺や入会パンフレットも完成し、新人ケアマネの会(通称ひよこクラブ)も生まれ、会員も着実に増えているとのこと
今回の会場は元レンガ倉庫。舞鶴港といえば海軍ですが、60年が経過し、軍の倉庫が市のコミュニティセンターに生まれ変わっていました。音の吸収がよく、とても気持ちよく研修ができました
18:30からの研修会でしたが、居眠りする人もいなくて(寝させませんけどね(笑))、2時間、熱心に学ばれました
鳥取県指導的職員研修です。2日目は3分間スピーチにチャレンジです
次に簡単な個人スーパービジョンをやりました。1対1に観察者一人です
大阪では「サービス担当者会議にいかすファシリテーション技術」の研修会です
会議の様子を観察者がチェック。意外な発見にみなさんの歓声が上がります
高室式の研修レジュメは「書き込み式」。パワーポイントで文字が抜けた場所に書き込んでいくことで、耳と脳と手を使うことに。書き込み以外のメモもたくさん書かれていますね
この日、お隣の研修室では「正しい通所介護計画の書き方」研修会。ちょっと廊下から中をうかがってみると東北を地盤にがんばっている梅沢佳裕さん(福祉と介護研究所)が!終了後、声をかけて、懐かしの親交をあたためました
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