「なんでも学んでみる」ことのススメ
私が研修講師として活動を始めて丸10年が経過しました。早いものです。当初は、自分が現場の実践者の皆さんの前で何を教えることがあるのだろうと試行錯誤していました。介護保険がスタートして、当時は、まだ2年。現場も「走りながら考える」を合言葉に試行錯誤のなか、本当にチャレンジングでした。
「私たちが日本の高齢社会を作るフロンティアになる」
「日本の介護保険制度とケアマネジメントの作り手になろう」
まぶしいほどの熱気を感じたものでした。
質問力の効用
『ケアマネジャーの質問力』という本を中央法規出版から刊行して丸2年が経過しました。タイトルが目を引くのか、読まれる方は順調に増えているようです。
当時、質問力といえば、テレビでもお馴染みになった齋藤孝さんの著書があり、そちらもかなり売れましたね。齋藤教授といえば『声に出して読む日本語』(草思社)もブームにもなった人です。
この本を書くきっかけは、介護予防ケアマネジメントの本を書いたことに始まります。保健師の方や相談援助職のみなさんから、「利用者(家族)の意向がなかなかうまくきけない」という悩みを聞いたからです。
夏の思い出
夏です。本当に暑い夏です。
テレビではびっくりするようなコメントがありました。
「5年前から猛暑という用語が使われるようになってきました。平均気温36度を目安に使ってきたのですが、もう猛暑が当たり前になってきているので、これ以上の暑さを表す用語が必要になっている」
猛暑が当たり前…そういえば、暑さ寒さの基準が変わっているのは実感します。そこで、例に出されたのが「酷暑」ですね。これはわかります。「酷」は「酷い(ひどい)」とも書きます。猛烈よりも酷い暑さという意味ですね。
「エピソード」のススメ
エピソード……ある物事や状況を伝える材料として、よくあるのが数値。たとえば「熱がある」という事実。これを「38度5分です」と数値だけで示すことで、より客観的に医師にわかってもらうことができますね。
しかし、高熱であることはわかっても、そのことで、どれほど仕事に行くことや生活することがしんどいのか、はわかりづらいわけです。
「38度5分も熱があって、駅の階段も上がれないくらいつらいんです。咳もでるし、喉はヒリヒリしています」
なんて状況説明をすると、ようやくその「つらさ」が相手に伝わることになります。
連載楽屋話~伝える技術~
前回に続き「伝える」ことを書きます。今回は月刊『ケアマネジャー』8月号の連載楽屋話です。
「伝える」ことに興味を持ったのは、もともと私自身が、あまり伝えることが上手ではないと、18歳の頃に自覚したからです。当時、私は京都から名古屋の大学に進み、そこでショッキングな出来事に出くわします。
関西弁ではない、もちろん京都弁ではない言葉を話す人たちです。いわゆる「おみゃ~さんの場合は・・・」と、みゃぁみゃぁと話す名古屋言葉に唖然としたものです。