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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

連載楽屋話~会議の技術~

 月刊 『ケアマネジャー』の連載、7月号では「会議と進行の技術」について書きました。会議下手を自認する人はとても多いものです。企業や行政などでは、管理部門になると会議に明け暮れる日々です。部門会議、部署会議、プロジェクト会議に緊急会議、それに規模も5人程度から30人規模までさまざまです。
 私が大好きなTV番組の一つがNHKの「サラリーマンNEO」です。シーズン6となり、サラリーマンの悲哀を描いて絶好調です。サラリーマン工学にのっとって考案されたサラリーマン体操などは、程よいオチョクリがあり最高です。

 そのなかで「会議」をとりあげたコントがあります。

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A:つまり、そういうことは……じゃないかな。
B:結果的にいうと……は……になるからね。
C:逆に言うと……は……とも言えるんじゃないか。
D:論理的な点から見ると……は……と考えてみないとだめだよ。
E:やっぱり……は……なんじゃないですか?
 下線の部分が各人の口癖です。これを延々と3回ほど繰り返し
A:じゃ、そろそろ時間ですので、みなさんよろしく。
一同:まあ、やるしかないですね。
 と、何の結論も方向性も出ることなく、時間切れで会議は何となく終わるというコント。これっていかがですか?
 とにかく会議が業務になっていて、いわば「無駄な会議」を象徴しているのが秀逸で、「あるある、いるいる、そうそう」と笑えます。

 会議が苦手な人が多いというより、会議が嫌いという人が多いんですね。これでは、つまらない会議ばかりになるのも当たり前です。
 何が嫌いかというと……
(1)発言を求められると何を言っていいかわからない(不安になる)
(2)変な発言で自分の評価を下げたくない(恥をかきたくない)
(3)話す人が決まっていてつまらない(予定調和になっている)
(4)進行がヘタで脱線して時間超過になりがち(時間がもったいない)
(5)司会や進行役になりたくない(責任を負えない、負いたくない)
 こんなところでしょうか?
 本当にもったいないですよね。10人が2時間の会議に参加することは、10人×2時間=20時間という時間資源を使っているわけです。
 これで何の発見もない、何も決まらない、合意や納得さえもないなら、これこそ時間の「浪費」です。

 これも会議の技術をみなさんが身につけていないから。
 いいですか、進行役だけでなく、参加者もルールとマナーを知らないから、会議はただ「踊る」か「沈滞する」か、いずれかになるのです。

 会議の進め方には「お作法」があります。それも企業などの仕事上の組織会議といろんな組織や団体が集まった連携上の会議、さらにPTAや父母会・ボランティアなどの非営利の集まりの会議では、メンバーのスタンスも違えば目的も異なります。

 今回の7月号では、そのあたりのエッセンスを紹介しました。これは、私がさまざまな会議を実践してきた体験とファシリテーション技術にかかわる本から、みなさんに活用できる手法を紹介したものです。
 少し引用しますね……!(^^)!

■会議は「効果的な手法」で一変します
会議を盛り上げるためには(中略)基本手法以外にも、次の3つの勘所があります。
(1)関係性を高めるのは「最初の5分間」
会議の最初の5分間は関係性を深めるパートです。知らない顔が1人でもあると、それだけで周囲がぎこちない空気になりがちなので、まずは自己紹介を行います。その際、「名前、事業所、今日の会議への期待」などの項目を示すことで、発言のバラツキを防ぎます。また、最近話題になっているテーマを設定することで、参加者の人柄がわかり、場の雰囲気を和ませることもできます。
(2)情報と意向(考え)を共有する「下準備」
 会議は、参加者の活きた情報を持ち寄る場です。サービス担当者会議では、利用者(家族)や事業所に対し、事前に「○○のことで5分程度話していただけますか」などの下準備(根回し)がポイントとなります。 
(中略)
(3)役割と分担内容を確認する
 会議は「しゃべり場」ではありません。単に話すことが目的なのではなく、行動計画や対応策を明確にすることが目標になります。(中略)方向性が出しづらいときは、参加者の合意点を見つけ、「まずは1ヵ月間、この方向で取り組んではいかがでしょうか?」と、期限を決めた合意に持ち込むのも手法です。その際、「何か不備や変更があれば連絡ください」と付け加えておきましょう。


 詳細は 月刊『ケアマネジャー』7月号をご覧ください。今回の特集は「東日本大震災 被災地の今と新たなニーズ」です。力の入った取材で、福島県の計画避難区域の状況もていねいにルポされています。
 必見です。


ムロさんの写メ日記

 
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鳥取県の施設長・管理者研修会の様子です。現場のマネジメントの悩みや工夫を交流します

2011070402.gif
「○○の時は~とやっているんですよ」「そうやればいいんですね!」と交流だけでも発見がいろいろ。中身の濃い研修会でした


 三重県の福祉連携プロジェクトで先週は二日間、三重県入りでした。塩浜駅で急行に乗ろうとしたら、発車寸前で切符も買わずに改札を通ろうとしたら、緑の紙切れをもらいました。
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 何かなと息も絶え絶えで見ると「無礼証明書」? 確かに無礼ですが……(^_^;)と思ってよく見たら「無札証明書」と書いてありました。写メがボケ気味でごめんなさい。これって、他の電鉄ではどうやっているのでしょうね?

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※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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著者:高室成幸
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発行:中央法規出版
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