第10回ケアマネジメント学会
先々週開かれた第10回のケアマネジメント学会。今年は東京・新宿で開かれました。
会場は京王プラザホテル。過去の大会をさかのぼると、もっともおしゃれな会場でしょう。第1回は、巣鴨の大正大学キャンパスでした、確か。駅からがんばって歩いた記憶がいまも思い出されます。
毎年講演者の顔ぶれも多彩で、それぞれに特徴がある学会です。昨年の第9回大会は、家族社会学の山田昌弘教授でした。「希望格差社会」や「婚活」という造語を作った先生です。
今年は10年目を迎える年であり、来年の介護保険制度改正の前年の大会ですから、テーマは「地域包括ケアシステム」が軸となったものでした。3月11日の東日本大震災の影響で開催は危ぶまれましたが、なんとか開催にこぎつけるために事務局の皆さんのご苦労は大変なものがあっただろうと思われました。
なにより残念だったのが、いつも顔を合わせる東北のケアマネジャーの方々が被災地支援で欠席だったこと。予想はしていましたが、やはりさびしいですね。
今年の目玉講演のひとつが、介護保険スタート時に厚生省が立ち上げた「高齢者介護自立支援システム研究会」の委員だった岡本祐三医師の話です。10年前、岡本先生の話をとてもまぶしく聴いたあの日を思い出しました。
「同じ要介護度であれば、どのケアマネジャーがプランを立ててもサービス内容に大きく差が出ないようにケアマネジメントを標準化すべきです。いまは、ケアマネジャーの主観的なアセスメントでサービスが決められているから、ケアマネの数だけ無数のケアプランができてしまう」
つまり、科学的根拠をもった、エビデンスがしっかりしたケアマネジメントへの転換を促す発言でした。
たしかに「ケアサービスのマネジメント」のみをケアマネジメントとするなら、ある意味で理解できます。しかし100通りの人生を支える個別性あるケアマネジメントをめざすには、100通りのケアプランがあってもいいのでは、と思うのは私だけでしょうか?
めざすのは、ケアマネジメントの標準化か、ケアプランの標準化か…ケアマネジャーの標準化か。
ケアマネジャーのスーパービジョン育成に関する分科会、地域包括支援センターに関する分科会など、興味津々の分科会がそろいました。その場所が、京王プラザホテル47階の最上階でしたので、景色も絶景でした。
来年は広島大会となります。
ムロさんの写メ日記
長崎メディカルネットワークでの演習風景。長与町居宅介護支援事業所のメンバー3人でクレドカード(信条カード)の相談です
8人のチームがチームのクレドカードをつくっているところ
あるケアマネさんのクレドカードをホワイトボードに発表してもらいました
メディカルネットワークと連携を組む「夢の~」居宅介護支援事業所も飛び入り参加です
新潟県燕市の特養「さわたりの郷」で、敬老の日に作成している「人生物語」です
制作するのは生活相談員の立川和彦さん(写真右)と後藤浩二さん(同左)
取材に協力してくれたさわたりの郷のみなさんです
さわたりの郷のイベントで誕生した「介護戦隊ケアレンジャー」。立川さんはブルーレンジャー役です
入口に鎮座するのは原寸大のジャイアント馬場。新潟県燕市の出身だそうです。ちと、不気味でした(^_^;)。
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コメント
先日は訪問していただきありがとうございました。
また、ブログにアップしていただき、ありがとうございます。
私も先生のご意見に賛成です。
例え要介護度が同じだとしても、必ずしもニーズが同じとは限りません。
人間を要支援1~要介護5までの7種に分類することはできません。
同じ介護度でもその方の生活環境や家族状況、歩んできた人生等によってニーズは違ってくると思います。
防ぐべきは、担当するケアマネージャーによって生活の質にムラができてしまうことではないかなと・・・。
私の今一番の課題です。
立川さん、先日はありがとうございました。
人に人生あり、数十年の歩みあり・・・
そんな道のりを知り、共感する道具として、記念写真はとても役に立つツールのひとつです。
それを、敬老の日に記念に編集されてプレゼントされる・・・とても素敵な仕事ですね。なにより、ご本人が自分の歩みに肯定感を抱ける、とてもずばらしいケアをされているなと思います。
同時にそれが、家族の方々の心のケアと終末期ケアにつらなることに。
とても考えさせられる取材でした。
ありがとうございました。
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