連載楽屋話~連携・調整の仕方の巻~
月刊『ケアマネジャー』6月号の「高室流10のマネジメント」のテーマは「連携・調整の仕方」です。私の関心が高いテーマの1つですから、楽しく書くことができました(といって締め切りはいつもギリギリですが(^_^;)……)。
私が気に入っている文章を紹介しましょう(もっと読みたい方は雑誌を開いてみてくださいね)。
「提携は、対等な関係もあれば上下関係もあり、お互いの利益(メリット)のために組むものです。一方連携は、対等な関係であり、目指す目標・使命(ビジョン・ミッション)のために組むものです」
まさにこのことが混乱しているため、提携感覚でケアマネジメントをしてしまうケアマネジャーがいます。お互いの利益ばかりに目がいって、利用者の利益(利用者本位)が尊重されていない(ないがしろにされている)実態がないでしょうか?
連携とは本来は「対等な関係」です。なのに、ついケアマネが偉ぶったり?、事業所のほうがケアマネの顔色をうかがうようになっていたり。この手の話は結構耳にすることがあります。
さてここで話はちょっと横道に……。
私が物事を整理する場合に、漢字で似たような表現がないかを探すようにしています。漢字は表意文字です。二文字以上を合わせることで体系化した整理のされ方(表現と表記、整理と整頓、体系と大系と体型など)をしているからです。
連携と提携、これって一般的にどのような使い分けをしているのかなと考えます。ここで辞書の説明はあくまで参考。けっして孫引きはしないことです。言葉は生き物。時代や業界によって使われ方や意味が微妙に違います。
たとえば、課題(ニーズ)という表記。ケアマネジメント界での使われ方と一般的な使われ方には微妙なズレを感じます。一般的に課題は「めざすこと」、ニーズは「求めること、してもらいたいこと」。一見似ているようですが、前者のニュアンスは抽象的で後者は具体的なイメージが。ところが課題を「できないこと」と説明する表記に出会うこともあり。この違い、みなさん、感じていますか?
さてさて、ちょっと脱線してしまいました。
今回の6月号では、連携は「信頼の関係」づくりがポイントと書きました。では提携は……もちろん信頼はあるに越したことはないですが、目線はお互いの利益ですから、それを侵さない限り多少のことはOKです。ところが連携は対等ですから、どこまでも信頼関係が大切。そして誰と誰が……ケアマネジメントにおいて意外と(かなり)軽視されているのがサービス事業所間の連携です。じつはこのことが肝心で、その「仲立ち役」をするのがマネジメントを業務とするケアマネジャーのみなさんなのです。
なぜそう思うのか……シンプルな理由ですが、個別サービス計画が事業所間で「共有化」されていない実態があるからです。ケアマネジャーに提出しない事業所がまだまだ5割以上あるうえ、それを自分のところで止めていても平気という人も。これでは、サービス間で「バラツキ」が起こるのは当たり前です。
「調整」も、利用者と事業所との①サービスの調整②日程の調整が仕事と勘違いしているケアマネジャーもいます。
それを私は「調整は『最大公約数」の合意づくり」と定義づけて、そのために何をしなければいけないかを整理しました。ひとつは「複数の選択肢を引き出しておく」、2つ目は「調整の『条件』を引き出しておく」、3つ目は……これは6月号の連載記事をお読みください。
7月号は連携・調整をするために欠かせない「会議の技術」です。お楽しみに!(^^)!
ムロさんの写メ日記
5月29日(日)、岐阜県各務原市社会福祉協議会主催の市民福祉講座です。90分の講演テーマは「人のつながり・地域のつながりと見守り活動~無縁社会と孤族の時代~」です
大ホールはやはり緊張しますね
台風直下で強い降りの中、約800人の民生児童委員、町内会役員、地域ケアグループのみなさんが集まられました
私たちが行っている「互助行為」について民俗社会学における定義も紹介しながらの説明です。東日本大震災を例にもあげて、「共同、協同、協働」の違いについての話です
平成22年度主任介護支援専門員の研修会に参加された受講生のみなさん。各務原市の社協の地域包括支援センターや居宅介護支援事業所などで活躍されています。とても懐かしい顔(まあ、半年ぶりですが……)でした
今週のメールマガジン「元気いっぱい」第282号(無料)は「生きているということ」(水曜日配信)です。メルマガは随時登録受付中です。ケアタウンの公式HPではバックナンバーまで見ることができます。
※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。