自分を知る~自己分析シート~
大型書店には2週間に1回は足を運ぶようにしています。私のお気に入りは新宿の紀伊国屋書店と8年前に出店したジュンク堂書店です。ジュンク堂は天井まで本がビッシリで、フロアの端っこには椅子が置いてあります。新刊だって立ち読みならぬ、「坐り読み」をさせてくれる書店として有名です。神戸が本店ですね。
さてこのGWの私の過ごし方です。すっかり巣籠り派を決め込むことにしました。東日本大震災の自粛ムードもありますが、次なる新刊に向けた執筆にあてたいという事情があるのが正直な気持ちです(>_<)。
研修の講師として全国で話しているときの「講師モード」では、なかなか単行本を書き始めるのに苦労します。自分としては、話す作業は右脳、書く作業は左脳なので、論理的に考える時間を取るにはちょっと長めの休日がぴったりです。
書店は私にとっては書く作業の滋養と強壮の場所。知識の面で潤沢な栄養を与えてくれ、モチベーションの面でがんばらねばという動機づけを与えてくれるからです。
「じゃあ、図書館でも同じじゃないですか?」
と突っ込みが入りそうですが、これがちょっと違うんですね、私的には。図書館は「借り物」です。だから、自分のものにできない。それに読みながら「書き込み」をするので、図書館の本ではまずいんですね。小説にだってしますからね、私は。(異論ある方、いらっしゃるかと思います。ただ突っ込みたい表現があるので……(^_^;))
またまた前置きが長くなりました。
書店に行くと、最初に行くのは福祉・介護コーナーです。どんな本が出ているかな……。「○○先生、いいのを出したなあ」「へぇ~、○○さんはこの分野までフォローしているんだ」と一人ブツブツと言いながらのマーケットリサーチです。ひと通りのチェックが終わると他のコーナーへ。これが案外と面白いんですね、今の時代を感じることができて。
今回の注目コーナーは、就職活動、ズバリ「就活コーナー」です。いや、本当に面白いですね、このコーナーは。昨年からリクルートと講談社のコラボ企画「HELP MAN!JAPAN」(大学生に介護職場に関心をもってもらおうという企画)のお手伝いをした関係で、ちょっと立ち寄ってみました。
おなじみの「面接の達人」が並んでいます。面接の担当者攻略本として一世を風靡。しかし売れ過ぎちゃったために会社の人事担当者も読んで、この本に書いていないことを質問するようになったといういわくつきのベストセラー本です。
そこで見つけたのが自己分析系の本の数々。自分を知るための本がとにかく多い。多分、面接でも自己認識に関する質問が多いからでしょうね。そこで「はじめたらやめられない自己分析ワークシート」(青柳宏著:中経出版)なる本を見つけました。1,000円という値段も学生向きです。中味は自分史、セルフイメージ、日常経験、好み、親密度、関心、意思表示、感性・感覚などのジャンルごとに88の質問が分類されているもの。
「あなたが理想とする性格はなんですか? その理由は?」
「今の自分は好きですか?」
「運は良いほうですか?」
などなど、学生にもすぐに取り組めそうです。
帯に「質問に答えるだけで本当の自分の姿がよくわかる本」とあったので買いました。それは便利だと。……が、ちょっと疑問を抱きました。これで本当にわかるのかなということ。
質問を投げかけられて、自問自答することで「そういえば、自分は○○だった」と自己発見するには、ちょうどよいツールでしょうが、自己覚知のレベルとしては……。就職面接ではちょうどいいんでしょうね。
心配なことは、この手の本が売れるという現実です。かつては思春期に「自分とは何か」を意識しはじめ、自分のこと(短所を主に)を友人と語りあい、小説に触れたり、恋をしてふられたりしながら「自分を知る」機会があったはずです。ところが、いまはこの手の自己分析シートで自分をわかるしかできないとは……。
自分発見?さえマニュアル化してしまっていることに、先々の心配をしてしまった私でした。
ちなみに運勢占いや性格診断が流行るのも、同じ理由かもしれませんね。みなさんはどう思いますか?
ムロさんの写メ日記
書店で見つけた『自己分析シート』の本です
なかはこんなレイアウトになっています
福岡県飯塚市「野草庵寺」の仏像たち
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