震災ボランティアはさまざま
東日本大震災からひと月。ようやく震災地のひとつである宮城県仙台市と石巻市にボランティア&取材に足を踏み入れることができました。心配された交通の便ですが、京王バスの仙台便がすでに再開していたので予約を入れていました。
12日にかなり大きな余震があったので心配でしたが、なんとか6時間をかけて現地に到着できました。
今回、コーディネートをお願いしたのが東北関東大震災・共同支援ネットワークの皆さんです。この事務局を中心的に担っているのが、全国コミュニティライフサポートセンター(通称:CLC)です。
ボランティアを希望される方は、まず本部事務局のある「国見・千代田のより処ひなたぼっこ」(仙台市青葉区:東北福祉大学正門そば)を訪れて、オリエンテーションを受けます。なにがしたいのか(例:生活支援、介護、看護、運転手等)のニーズ調査があり、要望や資格、滞在期間(3日~3週間)に合わせて避難所の割り振りと業務が決められます。
私は、到着したのが夕方の6時でしたので、オリエンテーションのみで、翌日、仙台市青葉区で被災された1人暮らしの92歳の方と62歳の方の入浴ボランティアと3つの地域包括支援センター巡りをさせてもらいました。
3日目に石巻市に入ることになりました。
仙台市から地図では近いようですが、高速を使っての2時間は結構な距離です。途中、陸橋を渡るのですが、なんと地震の影響でしょう、歪んでいるのがわかります。
石巻漁港に近づくにつれ、町の景色はメディアで何度も見た津波で壊された町の景色です。言葉もない。ただ「ひどい」としか言いようのない、すさまじい光景です。
石巻漁港は魚が腐ったような腐臭が立ち込め、漁港近くにある被災した製紙工場もありました。
まずは東北関東大震災・共同支援ネットワーク現地本部のある桃生公民館に到着です。ここには共同支援ネットが発信して、全国から送られてきた支援物資が集まり、仕分けをされて各避難所に送られる手はずとなっています。
現地の介護事業所が再開をするにも、移動用や送迎用の車両がないために、車両を送り届けにきた京都の施設長さんたちのグループもいました。なんと移動は18時間近くかかったそうで、「今後は施設から継続して介護職をボランティア派遣する予定です」とのことです。
石巻市の避難所でも収容人数の多い公共施設「遊学館」と「ビッグバン」、そして桃生小学校を訪れました。
体育館のような広いスペースですが、1人1畳ほどに布団とわずかの生活用品だけが、所狭しと並んでいます。昼間ですから、動ける人は肉親の捜索やがれき撤去などに行かれ、残っているのが高齢者の皆さんでした。やることもなく、ただ座り込み時間の流れるのを待つ光景が目立ちました。
テレビの音も会場の広さには無力のようにさえ見えます。
共同支援ネットではボランティアとして介護・看護の資格を活かそうと個人の立場で有休をとって来ている人から、社会福祉法人の派遣として来ている人、まずは先遣隊として状況を把握して今後継続して職員を派遣するために来ている人までさまざまです。
そのさまざまなボランティアの方たちのニーズを把握し、コーディネートする現地のボランティア・コーディネーターのみなさんの苦労には頭が下がります。その1人の田村さんが語ります。
「日々、顔ぶれが変わるので、その把握だけでも大変です」
4日目は桃生小学校の避難所で一日ボランティアをしました。ここの多くは自立の人たちですが、透析患者などなんらかの医療ニーズを持っている人も集まっていると聞きました。
朝と昼時の食事のボランティアが主で、あとは話し相手となって過ごしました。過酷な現実を淡々と話されるみなさんの様子に「東北人のがまん強さ」を見る思いでした。一方、「ようやく今日、母と弟の遺体が見つかったんです」と毎日、バイクで探されていたUさんの話しぶりに、張り裂けそうな悲しみと遺体が見つかったことへの安堵感が伝わってきました。
ムロさんの写メ日記
避難所(桃生小学校:以下同じ)の携帯電話の充電コーナーです
固定電話も用意されていました
男女の着替え用の更衣室も必需品です
体育用具室が食糧備蓄庫になっていました
ペットボトルで作った花瓶がホッと気持ちを和ませてくれます
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コメント
4月9日から19日まで、ひなたぼっこさんで
看護師としてボランィテア活動に登録し、お世話になりました。
石巻市の沿岸地域、同じような場所を回ったので、懐かしく拝見いたしました。
私はあまりのことにカメラを取り出せず、記録が手元にありません。
貴殿のサイトを私のブログのほうで、紹介させてもらってもよろしいでしょうか。
宜しくお願いいたします。
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