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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

震災PTSDとは

 前回は、私の地震のときの様子について書きました。
 あれから約2週間が経過しました。震災の被害の甚大さは、私たちの想像が追いつかないくらいの深刻さで迫ってきます。
 そして、福島原発事故の予想外の展開に、ただ言葉をなくすだけでなく、福島の県民の皆さんの無念さに心が痛みます。

 東北で災害支援・復興支援に関わる福祉・介護・医療関係者の皆さんと自衛隊・消防署・消防団、そして警察や市町村行政関係者、地元の被災者の皆さん、そしてボランティアの皆さんに心から感動しています。

 そして10日ぶりに80歳の女性と16歳のお孫さんが救出されるという報道に、あきらめないことの大切さを感動を持って教えられます。

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 震災発生以降にメディアで報道される数々の写真と証言。しかし、いまも東北地方だけでなく首都圏でも余震は続いています。災害などの強いトラウマ性のストレスは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に結びつきやすいといわれています。
 今回は災害によるPTSDについて考えます。

 その特徴の第1は、不安や不眠などの精神的に不安定な状態が続くこと。突然に怒りだしたり、物事に集中することができなくなります。第2に、トラウマの原因になった物事を避ける傾向になり、感情が萎縮して意欲や関心がなくなる。第3にトラウマとなった出来事がフラッシュバックとして「追体験」をしてしまい、パニックにおちいることがある、などです。

 私も17階で大揺れを体感したためでしょうか、ビルで感じる余震には過敏になっているのがわかります。いつも揺れているような「震災酔い」があるとも聞きました。

 かつてニューヨークの高層ビルに、テロで奪われた航空機が衝突する事件がありました。あの映像はあまりにショッキングで、しばらく、アメリカのメディアは報道を控えるようにしたほどでした。それもPTSDの症状への配慮からでした。

 今回の震災の報道も、1週間は津波の被害の甚大さを伝えることに重きが置かれてきましたが、ここ数日は避難所からの行方不明者を探している家族の方々がカメラに直接訴える姿が多くなってきました。新聞でも、「○○を知りませんか?」という顔写真入りの記事も増えています。
 避難所生活を語る70歳近い女性は「下着がないんです。だから紙パンツをはいています」と話されていました。マイクを向ける女性アナウンサーは「大変ですね」としか返事を返せませんでした。

 ある精神科医は、不安に陥っている人に、親切のつもりで「『大変でしたね』『気の毒でしたね』と言葉をかけると、逆に悲しい気持ちを増長することもある」と注意を促しています。

 いま、私たちにできることは何か……
 願うこと、祈ること、そしてできることを始めること。

 日本全体が「できること」を考えています。
 そしてささやかではあっても、着実な「行動」が始まっています。
 
 私も、「できること」、いまも考えています。


ムロさんの写メ日記

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滋賀県湖南市で研修会前に黙祷を捧げました

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滋賀県高島市でも研修会前に黙祷を捧げました

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コメント


 被災者の方々への精神的なケアは、今後も重要な課題ですね。 現場で既に支援されている専門家の方達も被災の当事者である事も多いでしょう。現場に行けない私も、自分や家族や大切な人たちが、その立場だったら、どんな声をかけてくれたら嬉しいか、どんな援助があったら助かるか、考えながら、今いる場所で出来ることを続けていきます。

 今日は大阪・堺での初献血に行ってきました。長い待ち時間の中、大勢の人が訪れていました。医療従事者の一人としての基本的な責任でもありますが、自身の健康管理を万全にして医療費を抑制することも、被災地や日本全体への協力になるのでしょうか。

 電気の恩恵に大きく依存する生活をどうしていくかなど、難しい課題も多いですが、皆で知恵を出し合っていけば突破口が開けるのではと‥。私は早寝早起きで節電に協力します!


投稿者: 石原智恵 | 2011年03月27日 22:14

石原智恵さんへ

 献血への協力、いいですね。私も時間を調整して新宿駅の献血センターでやってきたいと思います。義援金だけでなく、すぐできることの一つですね。

 いま、東京は節電傾向で、夜になるとまるで年の瀬のような「暗い東京」です。コンビニの看板も消えています。でも案外と慣れてくるもので、いかに明るいことが当たり前になっている生活をしていたのかとつくづく反省させられます。
 
 今朝のテレビのコメンテイターの方が「先週の節電で、約300万キロWの節電ができています。これはある小さな国が消費する電力です」(若干数字が間違っていたらごめんなさい)という意味のことを話されていました。

 今回の震災で電力に頼りすぎる私たちの生活ぶりも見直しが始まりますね。夏になれば、早朝から起きて、クーラーが比較的必要のない始業は7時から午後3時までのサマータイム制が導入されるかもしれません。
 これもひとつの省エネであり、私たちが変えられる仕事習慣・生活習慣なのかもしれません。


投稿者: たかむろ | 2011年03月28日 11:29

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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