会議のルール、話し合いのコツ
今月号の『月刊ケアマネジャー』は「サービス担当者会議」がテーマです。
ところで「会議が苦手」と悩むケアマネさんは多いですよね。参加するのも苦手なら、進行になるともっと大変。消え入りたい気持ちを必死にふるい起こしながらがんばっているという話も聞きます。
ケアマネジメントといえど、やることは「マネジメント」です。マネジメントでは、会議はとても大切な「場」です。
みなさんならば、さしずめサービス担当者会議でしょう。ケアチームが集まり、モニタリング情報を共有し、意向と課題を明確に定めて、これから1年間のケア方針と支援内容を話し合い・方向性を出す「会議の現場」はとても重要です。
しかし現実には、会議の進め方がわからないために、話題が右往左往したり、一方的に喋り倒したり、沈黙に針のムシロ状態だったり。それもこれも、会議の開き方を知らないから起こることなんです。基本的な点は「月刊ケアマネジャー」2010年11月号をご覧いただくとして…。
先週、神奈川県保健福祉大学の「チームケア論」で行ったファシリテ-ション演習の様子をご紹介しましょう。時間がなかったので、本来ならば受講生のみなさんにやってもらうところを、私がファシリテーションを行うことにしました。
発表の前に5分間程度の「黙読」の時間を設け、その後に、事例発表者に15分間発表してもらいます。それから、まずは全員のケースへの認識を共通化するために「質問の時間」を10分間程度とりました。
高室 では、みなさんから質問を受けたいと思います。
受講者A Hさんはいつから施設にいるのですか? 〇○の疾患の診断内容は本人にはどのように説明しているのですか?
受講者B Hさんが帰りたくない理由は何だとチームでは理解していますか?
と、次々に手が上がります。
そこで、私の介入です。
「ちょっと待ってください。まず質問する理由を述べてから質問しましょう」
と割り込みます。「質問をする理由を話すと、全体の質問になります。今のままだとAさんやBさんと事例提供者との線の関係でしかなく、広がりがなくなります。みなさん、質問の意味がわからないから参加できないのです」とアドバイス。
意図を理解したAさんとBさんが説明をしてから質問すると、その間に事例提供者は考えることができるので、あわてずに追加説明ができました。
高室 では、ほかの方で違う角度でもけっこうです、質問をお願いします。
受講者C つまりHさんは〇○症なので、〇○の処置をすることで医療的には対応していると思います。でもそこで気になるのは第1に…であり…がどうなっているのでしょうか? そして第2は…ではないか、だから第3として…があるのではないですか? いかがですか?(事例提供者の若干青ざめた?顔がそこにあります)。
と、そこでふたたびファシリテーターとして介入です。
高室 今の1は質問ですが、2と3は質問のカタチをとった意見になっています。尋ねているようだけど、自分の判断を示しています。それだと事例提供者は、質問に答えるのに集中してよいか、意見に対して考え方を述べてよいのか、とても戸惑ってしまいます。
と指摘。つまり、質問と意見・感想がとかく混在してしまうので、整理するコツを全員に話しました。ついでに、どうして発言によっては横にそれてしまうのか、話し合いが深まらずに混乱するのか、防ぐにはどうすればよいかまで解説をしました。
わずか1時間の臨時ワークショップでしたが、これらの一連のファシリテーションの様子がとても興味深く参考になったと、懇親会の場でも熱い感想を語る人が大勢いました。
ムロさんの写メ日記
神奈川県立保健福祉大学 実践教育センター「チームケア論」の研修風景。受講者は高齢・障がい分野の現場で活躍するみなさんです
先週、わが京都の京北町(現京都市右京区)の特養「豊和園」で研修を2日間行いました。向かって右隣は会場となった豊和園の溝口施設長、左隣は旧美山町の美山やすらぎホームの大川施設長です
研修会場はとても立派なホールで、本当にびっくりしました
北海道道南地区介護支援専門員協会の研修に向かう車中からの景色です
昼食です。向かって左の男性ケアマネが細田さん、右が佐々木エリカさん!
今回の会場は江差町です。海がきれいです!(^^)!
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