タマゴかけご飯のタイプは?
昨日は福井県の越前大野に研修で訪れました。福井駅までは特急「しらさぎ」に乗って一直線ですが、そこからが意外に遠かった。九頭竜線という愛称のついた単線に乗り換えるのですが、3両編成ならぬ1両編成のワンマン運転。途中に止まる駅は無人駅でした。学校のクラブ帰りと思しき中高生たちが降りて行きます。
大野駅に着いたのは、夜の8時20分。秋物コートを持参しなかったことが悔やまれるくらい、寒さが身にしみました。
翌日は、予定の人数を超える140名のケアマネさんたちと、ケアプランと記録の文章術を学びました。
さて、今回はとても奇妙なタイトルです。
「タマゴかけご飯のタイプ」についての考察です。それほどおおげさなことではありませんが、好みの違いは歴然です。みなさんはどのタイプですか?
Aタイプ:生卵を7~8回程度かきまぜてご飯にかける
Bタイプ:生卵を20~30回程度かきまぜてコーンスープ状にしてご飯にかける
さて、どちらでしょうか?
実はこれは、だいたい半々の割合で分かれます。そこでのポイントは、AタイプはBタイプのタマゴかけご飯は食べれるか、ということです。大抵、「絶対に嫌です!」と返事がかえってきます。
同時にBタイプは「ありえないです!!」と手を横に振ります。
隣同士で話し合ってもらうと「エ~、信じらんない」の大合唱。つまりこれは、「なにがおいしいと思うか」の簡単なワークショップなのです。
栄養価ではどちらのタイプで食べようが大して変わらない。でも、おいしさの満足度では格段に異なるというわけです。
私が提唱する「CADL」のアセスメント視点がまさにこれです。Cとはカルチャー(文化)のこと。その方の文化的な生活は幼少期につくられることが多く、食の好みは、その最たるものです。
よく「価値観を尊重する」という言葉を聞きます。みなさんも常套句のように言います。では、「価値観ってなに?」と考えたことはありますか。広辞苑的に解説すると、「本人の行動原理あるいは考え方の基礎となるもの」でしょうか。でも倫理観とは違うので注意して下さいね。倫理とはより社会的な性格が強いパブリックなものなので、インドやイランなどでの倫理と日本の倫理では相当に異なることになるといえばイメージできますか。
価値観とは個々人によって異なるパーソナルなものです。本人が行動する際や生活するうえで大切にしている「姿勢」といえばよいでしょうか。漢字2文字熟語でいえば「謙虚・親切・努力・信頼」などといえばわかりやすいでしょうか。
価値観も異なりますが、「好み」つまり嗜好(しこう)も相当に人によって違います。嗜好が違えば、大好物のタマゴかけご飯も「まずく」感じることになります。このような気配りができると、「本人が大切にする価値観」を尊重することの意味あいも違うというもの。
なんだか、話がわからなくなってきました(笑)。要するに好みが違うように価値観も違うのです。違いを尊重することは個別性を尊重すること。そして、どうしてそう思うのか、どうしてそうでなければいけないのか、を聞いてみると、結構納得させられるものです。
個別性は「タマゴかけご飯」から……
身近なアセスメント手法のご紹介でした。<(_ _)>
ムロさんの写メ日記
静岡県の研修計画担当者養成講座のグループワークの様子です
夜の九頭竜線のワンマン車両です。これから1時間揺られます
夜の車両内です。静かです
駅舎の近くにある釣鐘です
研修会場近くの小学校で地区の運動会。20年前はこの3倍の参加者はいたのでしょうね
大野市のお墓は町中に堂々とあります。たいていは御影石なのに、なんと自然の石に戒名を彫り込んで石塔にしているのにはビックリ。実に立派なお墓がそちこちにありました。ですから家も大きいんですねぇ、これが
奥越ケアマネジャー連絡会の研修会。熱心にパワポをメモします
話し手の内容を文章化する演習です。今回のテーマは「悔しくて悔しくて仕方のない思い出」です
1対1でやってる様子を観察者が見て、振り返りをします
帰りのホームです。これから米原を経由して岡山に向かいます
(>_<)
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コメント
たまごかけご飯のお話はとてもわかりやすいですね。
人はどうしても自分のものさしで計りたくなります。
相手のものさしを見つける考え方を身につけたいとおもいました。
秋田のタカさんへ
お久しぶりです。いつも読んでもらっているんだろうな、と思いつつ、こうしてレスをもらうとうれしいものです!(^^)!
たまごかけご飯の例え以外にも、食事の食べる順序でもずいぶんと「個人差」?あるんですよ。
「みなさん、最初にどれから口に運びますか?」の質問をします。「お茶、ご飯、味噌汁、副菜、そしておかず!」と例をあげると、なぜか静岡では5割がお茶。ところが、全国的にみると、みんなバラバラ。ご飯という方に、「では、いきなりお茶から飲まされたら?」と尋ねると「正直、いやです」の返答が・・・
みなさん、食べる順番にも個別性があり、身体を洗う順番も。これらは、「おいしさ」や「心地よさ」に着目すると、おのずと大切な要素になります。しかし、栄養や清潔度だけみると「そんなことどうでもいいこと」にならないでしょうか?
暮らしを支援するということ・・・今一度、じっくりと考えたいものですね。
この手の話題で思いあたる方、書き込み、お待ちしています!(^^)!
この手の話題・・・
あります。
もし、私が自分の「こうして欲しい」が伝えられなかったら・・・
爪を切る順番、爪の微妙な長さ、歯ブラシを口に入れてどこから磨くか?
コーヒーの好きな微妙な温度、濃さ・・・
背中が痒い時・・・
あげるといっぱい!!!
支援者は勿論、なるべく気持ちにそえるようにするけれど、100%本人にはなれないので、全てわかりきれないという謙虚さが必要に思います。
全てわかっててしてあげているという押しつけになってくると、しんどいですよね。
時々、ふと自分を振り返る時間が必要ですね(^^)
桃太郎さんへ
なるほど、歯をどの順番に磨くか・・・ありますねぇ。縦に磨くか、横に磨くか、奥歯はどうするか。う~ん、これって、とっても個別性ですね。
背中が痒いとき、マゴの手がいいか、爪がいいか、髪ブラシか櫛がいいか(私的には、髪ブラシがよかったりして(^_^;)。終わった後、もちろん洗いますよ。でも背中が真っ赤だったり)、これも人それぞれ(笑)。
あらかじめ、メモ程度でもあれば、ずいぶんと違うでしょうね。
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