第9回日本ケアマネジメント学会
介護保険制度がスタートした2000年の翌年、日本ケアマネジメント学会が誕生しました。発足記念の学会(東京・巣鴨駅から徒歩15分の大正大学が会場)に私も参加をしました。
介護支援専門員でなくとも会員になれると聞き、早速登録をすることに(忘れるとズルズルと手つかずになりがちな性格なので(^_^;))。
たまたま大会終了後に、受付の場で申し込みのお誘いの声がしたので、つられるように? 記入申し込みをしました。
意外だったのが会員番号です。別に狙ったわけではなく、8番となりました。あとでそれを知った時は少々緊張しました。学会の先生方よりも先に私の番号があるのですから。今もその順番を見ると、100番以降になるようにゆっくりと申し込めばよかったと思います(正直、多くの評議員はすでに申し込み済みであり、小生などは遅いくらい。もっと後の番号だろうと思っていたのですから)。
今年の会場は、池袋駅から私鉄で約20分、埼玉県志木市にある立教大学志木キャンパスでした。会場に到着すると、学会ではおなじみの顔と出会い、挨拶を交わしました。
今回、私がぜひとも聞きたいと思っていたのが、山田昌弘さん(中央大学教授)の記念講演です。山田先生は家族社会学が専門です。これまでに「希望格差社会」で若者たちの2極化を説き、最近では「婚活」という造語で、結婚には就職のような活動(こちらは就活)が必要と、社会学的に世に問いかけた人です。
実にタイムリーなテーマに取り組まれる社会学者で、以前からファンでした。本も数冊読んでいたので、楽しみしていました。
次に、私の印象に残ったフレーズを紹介します。
「多様化といわれていますが、実は単なる格差拡大のことなのです」
「現代は家族不可能性の時代です。結婚できる人とできない人がいます。女性は結婚するなら年収700万円以上と希望します。でも未婚男性で年収600万円以上は、わずか3.5%しかいないのです。だから、婚活が必要と言いました」
なるほど、そんなわずかな未婚男性集団に向かって未婚女性が群がっているのですね。
「家族満足度はお金で左右されるようです。年収が低いと満足度も低いのですが、1000万円に向かうほど高くなります。ところが1000万円を超すと、満足度が低くなる傾向があります」
「離婚調査をしていると、ここ10年でリストラ離婚が急増しているのがわかります。夫がリストラされていつまでも再就職ができない。妻は見切りをつけて、子どもと一緒に実家に帰るのです」
リストラで失職した夫は、職場だけでなく家族さえもなくしてしまっている現状が起こっているようです。
そこでちょっと自分のなかで発展させると…
やがてその夫は1人暮らしもきつくなり、実家に戻ることになる。そして老親の介護をすることに。再就職がままならないと、親の年金を頼りに暮らすようになる。
山田先生の話を聞きながら、息子介護がどうして急増しているのか、その背景をイメージすることができました。
夜は、認定ケアマネジャーの会主催の岩間伸之准教授(大阪市立大学)「困難事例と相談援助職」の熱い講義でした。かねてから一度は聴講したいと思っていたので、とてもタイムリーで内容は圧巻でした。
翌日は充実の分科会にシンポジウム。全体的にレベルアップしている印象をもちました。
来年は老年学会との共催となり、場所は東京・新宿です。非会員の方でも参加は可能ですから、ぜひとも参加されてはいかがでしょうか?
ムロさんの写メ日記
講演をする山田昌弘教授。会場は立ち見の満席でした
2日目の「利用者本位のケアマネジメント」で座長をされた沖藤典子さん(作家、元介護給付費分科会委員)とツーショット。2年前にわが「ケアコム」の対談に登場いただき、再会は1年ぶりです
京都から来られた高木さんと再会写メです
懇親パーティーでのアトラクションです
かながわサービス振興会主催「CADLの視点で行うアセスメントとプランニング」で、柳瀬泰明さん(えびな北高齢者施設所属 ケアマネ)と。8年前からバンドを始めて、担当はドラム。名前は「ザ・テンプクターズ」。老人施設などでボランティアの演奏活動をしているそうです
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