名刺交換の「タブー」
今月の月刊ケアマネジャーの連載テーマは「名刺交換と自己紹介」。今さら名刺交換など……と思われる向きもあるかと思います。ところが10年前は名刺を持たないケアマネジャーの方は多いものでした。初対面で名刺交換をお願いすると「名刺を持っていません」と平然と返事がかえってきたものです。それが何か? というオーラもあり。たまに、
「あ、ちょっとお待ちください」
とカバンのなかを探して出てくることもあり。ところがびっくり。出てきたのは、分厚い財布でした。スーパーのレシートや銀行のカード、ポイントカードなどではちきれんとする財布から名刺が出てきたときは、内心、たまげたものです。
ところが、今ではどの方も名刺入れを持たれていますね。
それに名刺がそれなりに凝ってきています。ある方は大判の名刺(タテ5㎝×ヨコ10㎝)を作っていて、「これは利用者さん用です」といただいたこともあります(^_^;)
こういう姿勢はとても好感を持ちます。高齢の利用者(家族)の方をおもって、文字も大きく、書体もやさしい印象の丸ゴシックで、ひらがながふってある。電話番号もこれまたデカイ(笑)。
今回の原稿を書きながら「名刺交換を例えるなら、鞘から真剣を抜く瞬間に似ているなあ」と思いました。つまり相手の社会的な顔がそこにあるからです。だから名刺の出し方もそうですが、その説明の仕方って結構重要なポイントですよね。
裏面を見せて「本体は老健で、通所と訪問もやっています」と話される方がいます。もちろん悪気はないでしょうが、受け取った人によっては「自分のグループの宣伝をしているのかな?」と思ったり、「自分の法人はおたくよりデカイのよ」と暗にほのめかしたりしているのかと感じたり。
まずはシンプルに渡す。シンプルというより、スマートに渡すことを意識したほうがよいかもしれません。
意識すべきは、受け取った名刺の取り扱い。
すぐに名刺入れにしまい込む前に、「○○に事業所があるんですね」「近くには○○がありますか?」と相手の地域で知っている建物や名所旧跡を添えると、とても近しい空気が生まれます。それに「○○神社はとても素敵ですね」とほめる言葉もグッドです。働く地域や暮らす地元をほめられて悪い気がする人はいませんから。
よくあるのが読めない名前ですね。とにかくわからない。先日も「元女さん」という方とお会いしました。さすがに「元は女性ですか?」とは女性に聞けないので、すかさず「どのようにお読みすればよいですか?」と尋ねました。
「がんにょと読みます」と快く教えていただきました。読めない名前を間違ったりするのはもちろん、「珍しい名前ですね」と言うのは失礼です。
「谷内と書いて『やち』と読みます」
「蛇喰と書いて『じゃばみ』と読みます」
「大舎羅と書いて『おおじゃら』と読みます」
地方には、すぐには読めない氏名はたくさんありますからね。私の印象では、奈良県・島根県は多いですね。やはり法隆寺などの古寺が多く、出雲大社など神話の国であるからでしょうかね。
名刺交換ですばやくつくる「ラポールな関係」づくりも、相談援助職の必殺技のひとつになるのではないでしょうか?
ムロさんの写メ日記
ケアタウン総合研究所主催「ケアプランにいかす文章上達術」です。少人数で行う東京セミナーをはじめて、もう6年になります
お互いの意向をくみ取る演習の前の作業です。そのテーマは「あきらめきれないこと」
これを三人一組になり、話し手と聞き手、観察者に別れます。相手から質問力で引き出し、それを文章化する演習です
6分間経過してから、5分間で書いてもらいます。本人が語ったつもり(?)の文章と、聞き手として理解した文章と、観察者として客観的に書いた文章に、実はかなり「差」が生じることを実感してもらう演習。拡大解釈、まとめすぎ、省略しすぎ、誤解、などなど色々なパターンがあります。そして自分が関心を持ったところは詳細すぎたり。各人によって「書きこむポイント」が異なるんですね今回も大いに盛り上がりました
三重県津に向かう特急からの車窓の景色。まるで「鉄男」気分です
岩手県盛岡駅。昨日はさんさ踊りだったので、駅舎のなかに、さんさ踊りのミニチュアが・・・思わず、写メしました
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