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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

「美しい仕事」とマナーな話

 雑誌『ケアマネジャー』(中央法規出版)で4月号から始まった『ムロさんの「ケアマネジメント・マナー」講座』。まるで新卒社員に教えるような内容を、4~50年の人生の年輪を重ねているであろうケアマネジャーのみなさんに失礼ではないか、とビクビクしながら執筆依頼を受けました。

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 先日、編集部から4月号についての読者モニターからの反響が宅急便で送られてきました。
 手書きの文字でつづられているのでどれも味があります(^_^;)
 紹介しますね。

 「私はビジネスマナーに欠けています。マナーが備わっていないために、気づかないうちに利用者や事業所とトラブルが発生していたと思います」「学歴・知識はあっても、自分の立ち位置・役割を理解しないまま、この仕事につく人もあるのでしょう。ケアマネジャーといえばカッコウ良く聞こえるのでしょうね。やってみたい、やってみたいと入って来る人でも、利用者さんや家族へのアプローチを見ていると、ちょっと待って!! と言いたくなる場面が時にあります」
 マナーより人柄・思いが重視されると、一方通行の「思い込み」がまかり通ることもあるかもしれません。それが相手の心に土足で入り込むような言葉づかいだと、取り返しがつかないことになったり。やっぱりみなさん、気にされているのですね

 「雑な言葉の応酬がよくみられ、電話の応対の基本がなっていない職員を誰も叱ろうとしない。(今回の連載を読んで)ああ、やっとこういうことを言おうとする人がでてきたと安心しました」
 みんな気がついているのに言えない…ありますね、あります。

 「今でも思い出す電話の応対です。
 私:デイ担当の○○さん、いらっしゃいますか?
 事務のおじさん:あ~ちょっと待ってね(保留音)いないよ!
 一般企業ならありえないですね」
 本当にそうですね。「○○はおりません」の敬語が使えないのはどうしてでしょうか?

 ほかに「最高です、なんだかワクワクします。これからが楽しみですね」などの感想が編集部に届いているとききました。

 書店に並ぶビジネス書で説かれる「マナーの哲学」は、日本の文化や風土、社会的通例・慣例、さらに心配り・気配りなどから語られがちです。しかし、ケアマネジャーのような相談援助職のみなさんのハートをわしづかみにするようなキャッチコピーはちょっとちがうだろう。ではそれはなんだろうかと知恵を絞りました(^_^;)。

 そこで登場したのが「美しい仕事」という表現です。
 仕事というと合理性や効率性、手際良さなどが連想されるコピーを考えがちですよね。まず、このイメージを変えたかった。
 ケアマネジャーの8割が女性ですから、そのことを意識して、キャッチーなコピーとして「美しい」と「仕事」をマッチングして「美しい仕事」というフレーズが生まれました。

 仕事を通して「美しい人」になり、仕事に励むみなさんが「美しく輝く人」になる…その響きがかもしだすイメージを大切にした「マナー講座」。
 でも、ときには辛らつな言葉もあったりもして…。だから「もしかして私のこと」と緊張しながら読まれている方もいらっしゃるようです。
 さてさて、まだ読んでない方は、まずは6月号(5月27日発売)からでも。
 6月号のテーマはケアマネジャーの「言葉づかい」です(^_^;)。


【ムロさんの写メ日記】
 
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私の元に届いた読者からの感想の束(一部)です


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岐阜県多治見市のうどん屋さんの昭和のコーナー。なつかしい瓶ビールたち。父がよく飲んでいました

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これは懐かしのお札?家の蔵にも今では流通しない大判のお札がありました


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長崎五島列島の福江市の商店街の人形。いやいや、とてもインパクトありました(^_^;)


2010051305.gif
昨日、東京で「介護保険の1000万人の輪」委員会主催の「介護保険改正に向けた7党シンポジウム」(星陵会館)に行ってきました。挨拶するのは樋口恵子代表です。その締めの言葉に「人生のフィナーレを支える」というフレーズがあり、感動しました


今週のメールマガジン「元気いっぱい」第227号は「弱みにつけこむ商売」です。ケアタウンの公式HPではバックナンバーまで見ることができます。


コメント


 先生、ご無沙汰しております。
 「美しい仕事」キャンペーン?!賛成です。
 私が就職したてのころ、先輩が『こころ美人』という言葉を教えてくださいました。「顔ではなれなくても、心は自分で磨けば美人になるから・・」って!今もその言葉きっちり胸にしまってあります。
 私も、手書きのケアマネさん向けの通信を発信しています。ネタはもちろん先生の受け売りも登場!伝えたいことを書いています。
 「寝たきり賃貸住宅」実際に見に行ったことがあります。介護をビジネスにしてしまった、保険制度・・・福祉の心も美人にしたいです~


投稿者: おいしい天ころ | 2010年05月14日 11:04

おいしい天ころさんへ

 天ころさんとはユニークなネームですね。歌舞伎座に行くと「天むす」(天ぷら入りおむすびのこと)が名物だったりしますが、なににちなんでいるのでしょうか?

「こころ美人」・・・いいですねぇ。
 手書きのケアマネさん通信を発行しているんですか?もしかして地域包括支援センターの主任ケアマネさんなのでしょうか、天ころさんは?

 寝たきり賃貸住宅を実際に見たんですね。どうでしたか?ブログ読者の方にはピンとこないでしょうが、先週のメルマガに愛知・岐阜で摘発を受けた「寝たきりアパート」のことを書きました。
 いま、全国で増えています。とても心配で、良心的に志でやっている宅老所や高齢者優良賃貸住宅に、何らかの影響が出ないか、気がかりです。
 興味のある方は、ケアタウン総合研究所の公式ホームページから読んでみてください。


投稿者: たかむろ | 2010年05月15日 23:51

こんにちは。
高室先生、忘れてしまわれたのでしょうか?
「天コロ」天ぷらうどんのコロ(冷たい)ですよ。一緒に食べました。「5本の指に入るうどん」ですよ。

寝たきり賃貸住宅・・市内にあります・・
なんどか行きました。
とにかく静かです。ベットに寝ている方の寝息とエアマットの音・・
なんだか、「希望」というものがどこにも潜んでいない。見当たらない空気でしたね。
今もまだあります。そして、そんな所でも必要に迫られて入居される方があります。
介護ビジネス・・昔の「福祉」が懐かしいです。

最近、先生の講義を受けていないので、また久しぶりに「千本ノック」を受けに行きたいと思います。


投稿者: おいしい天ころ | 2010年05月28日 10:42

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

【高室成幸さんの最新刊】
『ケアマネジャーの質問力』
著者:高室成幸
定価:¥2,100(税込)
発行:中央法規出版
ご注文はe-booksから
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