関係づくり
宮崎県では、ここ3年間にわたり地域福祉コーディネーターの養成研修を行っています。1日の研修を5日間にかけて行う本格的なものです。講師も「ご近所福祉」の提唱者である住民流福祉総合研究所の木原孝久さん、三重県でユニークな地域福祉を実践する伊賀市社協のボランティアコーディネーターの乾光哉さん、そして私です。
このブログのタイトルが「ケアマネさん、いらっしゃい」ですので、私の研修テーマがケアマネジメント中心と思われている人も多いでしょうが、実は地域福祉や地域ネットワーク、地域包括ケアにかかわるテーマでも、ずいぶんと全国で研修・講演を行っています。
参加者は、市町村社協職員や地域包括支援センターの職員から、ケアマネジャー、特養・障害施設の相談員、障害者授産施設職員、NPOの実践者など幅広い層の方々が集まり、これまでは50名前後でしたが、今回は75名という大所帯でした。
私のパートは1日目の「地域の問題・発見の手法」と、今週の火曜日に行った4日目の「地域福祉コーディネーターのコーディネート力」です。地域福祉のコーディネートは「地域の声」が基盤です。いかに「集めるか、整理するか、まとめるか、行いにするか、仕組みにするか、形に残し発信するか」の6段階を、1日かけて、講義と演習で学んでもらいます。
集める手法ではブレーンストーミング、整理する手法ではKJ法、まとめる手法ではファシリテーション手法などを体験し、みなさんが地域で明日から実践できるように「さまざまな仕掛け」をします。
昨年とちょっと新しくしたことの1つに、「交渉術」のノウハウを盛り込みました。地域では恒例の行事やささいな決め事にも話し合いがなされ、利害関係が生じることも多く、「交渉事」がとても多いものです。
とくに新しいイベントなどを企画すると、各団体や個人との交渉のうまさが取り組みの進行に直接影響します。なかには、初対面の人と話し合う場面や地域のうるさ型? と話し合わなければいけない場面は往々にして起こります。
そこでポイントとなるのが「関係づくり」です。
つまり、初期の段階のコミュニケーションのとり方次第で、「信頼関係」づくりがうまくいくかどうかが決まりがちです。でも初対面の人やうるさ型の人といきなりの「信頼関係」はなかなかつらいもの。そこで紹介した特効薬は「興味を持つ」ということ。シンプルです。
実は、関係づくりでまずいアプローチは、最初から「好きになること」(正確には「好きになろうとすること」)なのです。人は初対面の印象(例:だけで「9割方」)で自分なりに好みを瞬時に判断するそうです。
一方が好き? になろうとアプローチしても、相手が「この人不健康そうだなぁ、眼鏡で表情がわからない、声がかすれているなぁ、暗そうだなぁ」なんて、決してよい印象をもっていないこともあります。その相手に「私、好きになろうとしています・努力してますオーラ」を発信しても、当の相手からは「ずいぶんと馴れ馴れしい人だな」と思われていたりして。
関係が生まれる前に妙に親しくされると、人は「違和感」を抱くものです。それは当然といえば当然ではないでしょうか?
では、どうすればよいか?
私は「相手に興味を抱くこと」だと思います。「好き」というのは判断です。でも興味は、客観的に相手の情報を得る姿勢のことです。
「どちらにお住まいですか?○○の地域でどのような活動をされているのですか?」と興味をもって親しい印象で尋ねること。人は、自分や所属する団体などに興味をもたれることがけっして嫌ではありません。興味は「関心」であり、その関心を抱いてくれる相手に「関心」を抱くものです。
好きになる前に「興味をもつ」こと。
ただし、初対面でズケズケと尋ねると相手は警戒(^_^;)します。また「ずうずうしい」とも…尋ねるときは、まずは無難なところから、そして「知りたい理由」をつけ加えることもエチケットです。
ムロさんの写メ日記
11月10日の宮崎県地域福祉コーディネーター養成研修の様子です
私もファシリテーターとして話に加わることがあります
11月8日の日曜日。東京の神宮外苑の様子です。クラシックカーの愛好家が集まっていました
あしなが育英会が例年行っている「あしながPウオーク」。たまたま神宮外苑でウオーク中でした。総勢2000人以上? の参加でした
今週のメールマガジン「元気いっぱい」第201号は「心の養生」です。ケアタウンの公式HPではバックナンバーまで見ることができます。
※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。