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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

一生ものの仕事

 先週から、怒涛? の移動の始まりです。鳥取県に始まり大阪、愛知、そして今週は松山市、静岡市、焼津市、山口県光市、そして福岡・博多から舞い戻って名古屋市…飛行機と新幹線と在来線を使った、正真正銘のロードワーク? 移動距離を知らせてくれるYahoo!の「路線情報」はとてもありがたい存在です。
 ただ気になるのが、やはり新型インフルエンザ。甲子園の球児やプロ野球選手の感染を知るにつけ、「うつらない、うつさない、はこばない」の自覚が大事と決意。「お1人さま2個の限定販売です」の店員の説明を信じて、WHO推薦の強化マスク(1個685円)を羽田空港で購入しました。
 ただ、口元がカラスか河童みたい(笑)で少々情けないですが、背に腹はかえられない気分で、移動中は着けています。

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 さて今回は「一生ものの仕事」です。
 世の中には、一生続けられる仕事と、「定年」という期限付きの仕事の2種類があります。生涯の仕事といえば職人系や自営業が多く、体力と知力が続く限りできるのが特徴です。サラリーマンといえば「定年」です。60歳なんてまだまだ現役ですが、若手のポスト不足と人件費抑制もあり、「肩たたき」も頻繁にあるようです。ですから中途半端な気持ちで定年を迎えると、数年後に「時間を持て余す人生」が延々と続くことになります。

 その点、有資格者は強いですね。資格者でないとできない仕事が法律で定められているわけですから。その筆頭格が医療系。なかでも医師はすごいですね。80歳を過ぎても臨床医として、無医村などで活躍される例も紹介されています。では、看護師はどうでしょうか? 体力的にも相当きついようです。何より、日進月歩の看護や医療知識、治療方法についていくのだけでも大変のようです。

 介護・福祉系業界で一生ものの仕事として、かなり有望と思われるのが「ケアマネジャー」の仕事ではないでしょうか? 相談援助が基本ですし、自分がケアをするわけではありませんから、現場並みの体力が必要とされるわけではありません。
 それに年齢が高齢者の域に達すれば、世代間の意識の差はなくなり、まさに利用者の立場に立って寄り添うことも無理なくできるようになるメリットも。人生経験がさらなる理解の深さにも通じることにもなります。

 そんなことを感じさせていただいたのが、先の質問力セミナー(大阪会場)でのひとコマです。セミナー終了後のサイン会でのことです。
 「先生、サインをお願いできますか?」
 目の前に立ったのは初老というより、後期高齢者になるかという1人の女性の方です。どこかの大学の先生かなと思いつつ……。
―あの、ケアマネジャーさんですか?
 「はい、去年からやっていて、まだ1年生です」
――失礼ですけど、おいくつでらっしゃるのですか?
(微笑みながら)「76歳です」
――7、76歳ですか…へぇ~!じゃあ、75歳で合格されたわけですか?」
「はい」(さらに微笑みの表情が弾けます)
――素敵ですねぇ。そりゃすごいです!
 お名前は井波みえ子さん。ご主人が産科医で、ご自分は助産師をされてきたそうです。10年前にご主人が他界をされ、「第3の人生」としてチャレンジされたとのこと。気になる持ち件数ですが……。
「2件を持っています」
――いつまでお続けになるつもりですか?
「80歳まではやりたいですね」

 ケアマネジャーという仕事は年齢制限がない資格です。持ち件数が5~8件程度なら、65歳以上になっても負担は少ないし、かなり丁寧に寄り添い、暮らしと人生の支援ができることだと思います。
 よく「いつまで続くかわからない」と投げやりに話されるケアマネさんもいますが、むしろ70歳までがんばろうとか、60歳まで管理者をやって、それ以降はケアマネで10年間がんばろうという人も現われるのではないでしょうか。

 これからの日本型高齢社会は「高齢者が高齢者を支えるモデル」をいかに作れるかにかかっています。その意味ではボランティアではなく、職業としてかかわれることは幸せではないでしょうか。
 ただし、よる年波(笑)による機能低下(記憶力、記銘力、見当識、視覚、聴覚など)は歴然としてありますから、よほどのメンテナンスも忘れずにしないと、利用者(家族)とケアチームに迷惑をかけることに。ですから、70歳で引退宣言というのもありかもしれませんね。

ムロさんの写メ日記

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「ケアマネジャーの質問力」刊行記念セミナー(大阪会場)のスナップです。一冊丸ごと読み切るセミナー。参加者の皆さんもとても演習にも積極的にがんばっていました

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井波さんとのツーショットです!(^^)!

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8月27日(木)は愛媛県松山市での研修。テーマは「ケアプラン点検支援マニュアル」です。その会場がすごい。なんと競輪場の車券売り場なのですから(笑)。いつもなら競輪のレース風景が映し出されるオーロラビジョンに向かって「そらぁ、まくれ、まくれ!」と歓声が沸いている席での研修なのですから(笑)

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移動中の「マスク高室」です。松山から中部国際空港に向けたプロペラ機内で。口元がどうしても河童になっちゃいました(笑)

 今週のメールマガジン「元気いっぱい」第192号は「種をまく人 苗を育てる人」です。ケアタウン総合研究所の公式HPではバックナンバーまで見ることができます。


コメント


 若い人がいくら頑張っても、高齢者の数が多いので勝てないって、今、テレビで大学の先生が話してました。主語は何だと思いますか?
 「選挙」です。政治家は高齢者に受けるような施策を訴えていく。とのこと。
 そ、そんなぁ。 投票率を上げているのは高齢者って、確かに。
 お忙しく飛び回っているムロさん、くれぐれもインフルエンザにはご注意!です。
 ケアマネジャーをいつまで出きるかは、もう記名力低下が出ているので難しいようです。

>これからの日本型高齢社会は「高齢者が高齢者を
>支えるモデル」をいかに作れるかにかかっています。
こちらは同感です。

 9月の初め、餃子の街の研修会、楽しみにしています。


投稿者: ゆいゆい | 2009年08月28日 23:25

 高室先生こんばんは!お元気ですか?名古屋の研修ではまたまたまた…お世話になりありがとうございました。
 ゆっくりとお話する時間がなくて残念でしたが、先生にパワーをもらいインフルエンザも吹き飛ばそう!って感じです。
 文章上達術は本当に毎日悩んでたことに特効薬の魔法の薬?をかけていただいた研修でした。あれからみんなの(もちろん自分も…セコムやセキスイハウスが盛りだくさんの…)プランを見て少しずつポイントがわかるようになってきました。
 本当は東京のに参加したいですが行けないので、次回あれば来年でも行きたいなと思います。
 メルマガにもありましたが
 同じ部署のパートのケアマネさんのケースに対し他事業所から言われたりで「苗を育てること」について考えさせられました。
76歳のケアマネさんも素敵ですね!!
 私はいつまでやるかな…
 名古屋の1日前には専門研修Ⅱの事例発表がありました。緊張はしましたがお土産いっぱいもらいました。
 明日はそのお土産を皆に話す予定です。地道にゆっくりですが、苗が育っていけるよう頑張ります。
 先生もお体にはきをつけて下さいね。10月のフォローアップでお会いできることを楽しみにしています。それでは…朝・晩本当に寒くなりました。


投稿者: hida-kobajun | 2009年09月01日 22:46

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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著者:高室成幸
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