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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

まなぶ力・まねる力

 ここ2~3日でグッと増えたのが、新型インフルエンザのニュースです。夏も終わらないうちなので、この手のニュースにどこか違和感を感じているケアマネジャーのみなさんも多いのではないでしょうか?

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 今回は、一部で起きているなんて生やさしいものではなく、本来頑健だと思われる相撲とりやプロ野球選手まで感染しているのですからたまりません。
 夏の高校野球も例外ではありません。主力選手が5人も感染し、ベンチには3人しか控えがいない状況で対戦している様子には、痛々しさだけでなく、事態の深刻さを感じざるを得ません。
 「大流行の兆し」宣言、一般の人はマスクをするか、混み合った場所はできるだけ避けるということしかできないのが正直なところ。これが選挙の投票にも何らかの影響が出るとしたら、残念なことです。

 さて今回は「まなぶ力・まねる力」がテーマです。
 近頃、人気絶頂の公認会計士である勝間女史が『真似る力』という本を出版されたようです。確かに学ぶとは、まずは「真似」から入ることが基本ですからね。
 真似るとは「行為」が伴います。聞く・読む・見る・さわることで「知ること」はできます。しかしわかること、それに「できる」までには、「行為」というプロセスを踏むことになります。いかに学ぶか…その前段階の「真似る」はとても学習的ですね。

 さてそこで「学ぶ力」のことです。
 昨日まで2日間、鳥取県の社会福祉法人指導的職員研修を行ってきました。1日目が「職場の問題解決力」、2日目が「職場の能力開発」がテーマでした。参加者は60人。9割が40歳代以上の女性。残りが男性。それも20歳代~30歳代です。

 「みなさんは、この仕事に入られた時は、仕事に慣れるのにひと苦労されたと思います。自分のいたらなさに情けなくなったりしながらも、本を読んだりしてがんばってこられたと思います。つまり、自分のことに一生懸命になっていればよかったわけです」

 「でも、職場の主任やリーダーとなったみなさんは、自分が伸びることだけに集中していることはできません。むしろみなさんがマネジメントする対象である職員さんが、どうすれば成長するか、そこにみなさんが知恵と時間を割くことが大切なのです。みなさんがやりたい・理想とするケアの仕事を、職員を通じてどう形にするか。もちろん、現場をもちながらのプレイングマネジャーの方もいるでしょう。でも仕事の8割は、職員のマネジメントであることを忘れてはいけません」

 聴いている受講者の表情が次第に真剣になっていきます。

 「職員の成長を通じて皆さん自身が成長すること…そのことに楽しみや面白みを見出せた方は、とても中間管理者として向いているといえるかもしれません。人の成長が自分の喜びとなる。まさに利用者本位の支援と通じるところがあります」

 そのためには、従来の介護や看護、相談援助技術だけでは十分ではありません。むしろ、人材マネジメントのノウハウと、独自に学び始めることが必要ですと、具体的にお話しします。

 ではどうやって学ぶか……。

 「まずは本を読みましょう。書物は、ネットにはない膨大な情報量を備えています。わざわざ立ち上げなくても、ページを開くだけで、すぐに読めます。書き込みもできます。次にビデオを見る。ビデオは、本では伝えきれないビジュアル情報を動画で具体的に示してくれます。忙しい方ならば、車や通勤移動中にテープで聴くのも方法でしょう」

 次に大切なのは、実際にやってみることです。まずは真似しながらやってみる。ひととおり同じようにできるまでやってみる。そのプロセスが「身につく」ことにつながるからです。

 「学ぶ力」はたくさん本を読んでいることだけではなく、身につけるプロセス力と私は考えます。
 だから人それぞれ。近道あり、遠回りあり、道草あり(笑)。でも、飽きずに止めずに、地道に取り組む…それでいいのです。
 あなたなりのオリジナル習得術を作り上げてください。

ムロさんの写メ日記
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京都駅前で舞妓さんが…京都「知恵と力の博覧会」のキャンペーンのスナップです。みんないっせいにデジカメしていました。外国の観光客にはとても人気でした!(^^)! この子たちは韓国の小学生でした

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鳥取県社会福祉法人指導的職員研修のグループワークのひとコマです

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長崎市内を走る路面電車。レトロあり、新型あり。とても郷愁をそそりますね。車内から撮影しました


 今週のメールマガジン「元気いっぱい」第191号は「質問の道具箱」です。ケアタウン総合研究所の公式HPではバックナンバーまで見ることができます。


コメント


 新型インフルエンザ。とても怖いですね。
 研修の裏方としても、会場に消毒液を備えるなどして対応していますが、特に今は介護支援専門員更新研修の時期でもあり、1課目でも未履修が生じると修了できない=専門員証は更新できない=仕事ができなくなる という厳しい状況。
 かと言ってインフルエンザにかかっていても出てきてくださいとは言えませんし…。とってもジレンマです。
 桝添厚生労働大臣ではありませんが、まさかこの時期に流行するとは予想していませんでした。
 高室先生は全国の研修会場を転々とする身。お体にはお気を付け下さい。


投稿者: 研修の裏方 | 2009年08月21日 19:48

 こんばんは
 甥のブログという題で発表した受講者です。
 自分自身では思っているこを3分の2も話すことができなかったように思います。
 でも、本当に発表の機会を与えていただき感謝してます。いい勉強になりました。
 今回学んだことが今後、色々な面で、役にに立ち、組織がより活性化してゆくように努めてまいります。有難うございました。


投稿者: 受講者 | 2009年08月21日 23:17

 鳥取県の研修に参加した者です。
 ご本も買わせていただき、サインまでいただき、本当にありがとうございます。メルマガも登録しました。
 研修会や講演会に参加するときは、鳥取の本屋にない福祉関連の本が、実際に手に取ることができるので、必ず予算を組んで行きます。
 この時も中央法規さんのいい本を見つけ、後日職場の上司に相談し、職場で買ってもらいました。職場研修の参考になりそうです。
 けあサポは、ネットのスタートページに設定していて、毎回とは言えませんが、ネットに接続するときには、なるべくチェックするようにしています。毎回チェックするように頑張りたいです。
 新型インフルも、大流行と予想された時期になってきました。先生はもちろんですが、私もひかないように、体に気をつけていきましょうね(自戒を込めて)。


投稿者: とも | 2009年10月18日 12:05

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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