話題はいっぱい
今年のお盆の特徴は「帰省組」が多いことのようです。例年なら「お盆を海外で」という前振りで、成田空港や関空の様子がレポートされますが、今年は「100年に一度の不況」と新インフルエンザ、そして土日の1000円高速料金が影響して、実家に帰省する方が多いようです。
しかし、そうすんなりといかないと思わせるのが東名高速道路の崩落事故です。台風9号の影響で、静岡県袋井インター付近の上下線の片側車線がざっくりとえぐれてしまったのですから。
京都出身の私にとって、東名高速は帰省する際の幹線道路ですから、他人事ではありません。延々と続くノロノロ運転は、心身ともにトコトン疲れきりますからね(>_<)。
さて今回は、「話題」がテーマです。
よく、話すのが苦手という人がいます。その困りごとのなかに「何を話題にしてよいかわからない」というのがあります。相談援助職のエキスパートであるケアマネジャーの皆さんなら、そんな悩みはない……わけではない(^_^;)。むしろ、仕事上の話題は話せても、世間話や政治経済の話題にはとてもついていけないという方も多いのではないでしょうか?。
利用者(家族)さんたちへの「傾聴」はとても大切ですが、話を聞いてもらうばかりでなく、皆さんの人柄がにじみでる「会話」を楽しみたいと思っている方は多いはずです。
その際にはやはり、「話題」がテーマとなります。
私は20歳の頃、「スプーン1本で10個の話題が話せる人になりたい」と思っていました。日本福祉大学なのに、ずいぶんとけったいな学生に映ったことでしょう。それは、誰とでも気軽に話せる人間になりたいというのが真の意味なのですが。
ではどうやればいいか……。
・「このスプーンの使い心地はどうですか?」
・「スプーンは銀が好きですか?」
・「子どもの頃にスプーンは使いづらくなかったですか?」
・「パスタではスプーンを使いますか?」
・「結婚式の引き出物でもらったスプーンは使っていますか?」
・「スプーンは軽めが好きですか? それとも重めですか?」
・「このスプーンのデザインは好きですか?」
・「スプーンがなくて困ったのはどんなときですか?」
・「スプーンで大失敗したことはありますか?」
・「スプーンで忘れられない思い出はありますか?」
要するに、会話のきっかけに質問から始めると、相手は過去の思い出の森に分け入り、話し始めてくれます。その話に寄り添いながら、促し、驚き、うなずき、そして共感します。その合間に自分の体験や思い出、考え、疑問などをはさむと、さらに会話は「盛り上がる」ことになります。
会話を「話す」と思うと、途端に窮屈に思えてきます。むしろ「聞く」こと中心にとらえると、気軽に質問から始めることが誰でもできます。
いつも訪問する利用者(家族)の方々へ、次のように切り出してみてください。
「いつもお盆はどのように過ごされていましたか?」
「お盆というと、どのような思い出がありますか?」
「お盆にはご実家に帰省されることはありましたか?」
日本には四季があり、その月々に「行事」があります。それをさりげなく話題にすることで、利用者の「地続きの人生」がいきいきと語られるきっかけとなることでしょう。
お盆の時期、会話の話題は満載です。
ムロさんの写メ日記
先週の金曜日は、洋画家・城戸真亜子さんとケアコムの対談。その後、城戸さんが20数年前に描いた壁画の描き直し作業中という神保町の喫茶店「古瀬戸」に行きました。私の出版社時代の思い出がつまったお店でもあり、こうして訪れるなんて…とても懐かしくなりました。
入口です!
ただいま描き直し中の作品の前での1枚
このコーナーは20数年前に描いたもの。これもいずれ塗りつぶされ、新しい壁画作品としてよみがえるのでしょう
人生初めて、長崎に原爆が落とされた8月9日に原爆慰霊碑を訪れることができました。闇に浮かび上がる銅像が印象的でした
先週の土曜日、全国訪問ボランティアナースの会「キャンナス」10周年のパーティに招待され、原宿・東郷記念館に行ってきました。真ん中で挨拶するのは、代表の菅原由美さん。後方は全国のキャンナス支部の方々です。独立系開業ナースとしても最先端を走る方々です
今週のメールマガジン「元気いっぱい」第190号は「民具と回想法」です。ケアタウン総合研究所の公式HPではバックナンバーまで見ることができます
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