フットワーク
前回は頭をつかう「ヘッドワーク」について書きましたが、今回は「フットワーク」のことです。まるで語呂合わせのようですが、とても大切なことだといつも思っています。
「あの人、フットワークがいいよね」「フットワークが軽いからお願いしやすいよね」
このように、フットワークはよい意味で使われます。これをさらに私流に解読してみるとどうなるか…。
まず第1ですが、「現場に行く」ということです。
動くということをいとわない仕事ぶりって、とても大切だと思います。40歳以上になると動きも鈍くなり、経験も積んでくるので、動かなくても「頭で理解・指示」しがちとなります。
しかしこれが、現場感覚とのズレを生む落とし穴です。
かつてTV「踊る大捜査線」で、織田裕二扮する刑事の決めセリフが印象的でした。
「事件は現場で起こっているんだ!」
つねに現場にこだわること。ケアプラン作成でニーズが浮かばない、支援の方向性が決まらないとパソコンのモニターと長時間にらめっとしているくらいなら、気分を切り替えて利用者さん宅を訪問することで浮かび上がってくるものがあるのではないでしょうか?
第2が「身体で感じる」ことです。つまり、頭で考えることも大事ですが、身体感覚で「体感」しながら考えるという仕事習慣は対人援助や相談援助職のみなさんにはとても大切だと思います。しかしそのためにはフットワークよく利用者宅や事業所を訪問することです。
私は常々、「最高のアセスメントツールはなんだと思いますか?」と研修会で質問します。たいていの皆さんはキョトンとしています。私はすかさず「それはみなさん自身です」とお話しします。
アセスメントはパソコンソフトがするのでなく、利用者(家族)と向かい合うみなさんが「五感」をフルに活用して行うのです。
目(視覚)で利用者さんの身体の動きや屋内の環境などを観察します。耳(聴覚)で利用者(家族)さんの口から語られる本音や愚痴、これからの意向を聴きます。そして鼻(嗅覚)で部屋や服装の匂い(尿臭等)などを嗅ぎわけます。姿が見えなくても匂いが知らせてくれることはたくさんあります。
さらに手(触覚)で利用者さんが使うものを持ってみることで、重さ・手触り(すべりやすいなど)・使い勝手まで理解することができます。
そして舌(味覚)です。さすがに利用者さんの食事を食べるわけにはいきません(笑)が、料理を味覚の視点(甘い、辛い、しょっぱい、酸っぱい、うまい)からみることで、これまでの食生活や嗜好、食文化まで想像することができます。
そしてそして、この五感を研ぎ澄ますと、「第六感」という感覚がより高い精度になると思います。つまり、五感で得た情報から「あれ?」という、なにか腑に落ちない感覚が生まれ、それにこだわることで、より深いアセスメントが可能となるのではないでしょうか。
第3が「まず行動する」ということです。
何事も考えて行動することも大切ですが、結果的にタイミングを失してしまうこともあります。また、緊急時に考えていては、対応が手遅れになります。
かつて介護保険がスタートした時に「走りながら考える」というフレーズがよく言われました。だれもが初めての制度ですから、走りながら考え、壁にぶつかりながらも、創り上げていくというクリエイティブな初期の3年間だったのではないでしょうか。
同様に、悩んだら手がとまってしまいがちです。むしろ悩むことも具体的な行動の中で悩むことで、その光明が見えたりするのではないでしょうか?
フットワークよくなるためには、心が「メタボ」になっていてはちょっとまずいですね(^_^;)。
心と身体のシェイプアップとブラッシュアップが、フットワークのよいみなさんをつくります。
ムロさんの写メ日記
島根県邑南町に行ってきました。広島県との県境のとても静かな町でした。メインストリート?の街路樹です
バス停の黄色の椅子が郷愁をそそりますね
畑に立っていたビニールハウスです
会場横にあった立派なグループホームの全景です。これで2ユニットとのこと。あまりの立派さに、建築費用とかの採算は…?と心配になったものでした(^_^;)
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