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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

他業種に学ぶ

 私は質問力を磨くために(つまりエクササイズですね)、常日頃から、機会があるごとにいろんな人に質問をしています。これが結構いいんですねえ。とくにお店関係だと、こっちは「お客」ですから、先方は快く回答してくれます。

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 「最近、景気はどうですか? お客さんは増えていますか?」
 この手の質問は、タクシーに乗車した際に必ず行う質問です。わずか15分程度の乗車時間でも、中味の濃い話題に盛り上がることができます。
 「いやぁ、ダメですよ。以前のように長距離で帰るお客もいませんしね。代行さんもきついみたいですよ。駅前のビジネスホテルがライバルですね。ほら、一泊5800円なんて激安があるでしょ。あれは、代行で帰るくらいなら、飲む前にホテルの駐車場に止めて、帰宅を気にせずに飲もうと思わせる価格です」
 なるほど~と思いました。
 この質問で、激安ビジネスホテル急増の理由がわかりました。

 「この食材はどこから仕入れているんですか?」
 これなんかはこだわりのレストランや居酒屋さん、自然食品系のお店ではとりわけ喜ばれる質問です。
 「これは築地では手に入らないので、契約農家さんから直接入れてもらっているんです。おいしいですか? お客さんのようにわかってもらえると、我々もやっていてハリになりますね(笑)」
 「この海苔は、隠岐島の漁師さんが今朝方、岩場でとってきたのを入れてもらっているんです。どう、おいしいでしょ? その夫婦さんねぇ、もう70歳なのよ。だからあと5年くらいで、もうこの海苔は手に入らなくなりますねぇ」

 このように、些細な質問から、世の中のことやその仕事にかける意気込みや先々のことまで語ってもらえます。
 ケアマネジメントの世界でも「多職種連携」が話題となり、加算もしっかりつくようにもなっています(サービス担当者会議をやらないと減算というペナルティもありますけどね(^_^;))。
 連携をする前に大切なことは「顔の見える関係づくり」です。
 その際のコツは、先方の専門性や事業所に「興味・関心」を示すことです。自分や事業所を説明する以上に、相手の仕事の内容について、質問力を使って積極的に聞き出すことで、先方のよさや連携の際の「勘どころ」を把握することができます。
 ケアマネジャーの皆さんが会われる方々は、高齢者といえど、これまでさまざまな仕事をされてきた方です。まさにそこは異業種・他業種の宝庫です。そしてどんな仕事にも「知恵と工夫と努力」があります。利用者(家族)との関係づくりも、これまでの仕事に興味を示すことで、相手の方の輝いていた時代の様子を垣間見ることができるのではないでしょうか?

 他業種は「知恵の宝庫」です。
 これを学ばない手はありませんね。だって、もったいないです!

ムロさんの写メ日記
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第2回文章・記録の上達術~「書き換え」術を学ぶ~。今回は前回に引き続き、沖縄から2名の参加がありました。「メモを文章化」するワークの様子です

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5月13日、「介護1000万人の輪」による公開政策討論会「介護保険の未来を語る!!」に聴衆として参加。6党に対して質問する白澤政和教授、高見国生認知症の人と家族の会代表、コーディネーターは袖井孝子さん

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昨日、長崎市の研修がありました。終了後、閉館間際に原爆資料館へ飛び込みました。原爆の高熱で変形した瓶と、一瞬にして炭となった女子学生の弁当箱

今週のメールマガジン「元気いっぱい」第177号は「いつも、記念日」です。
ケアタウン総合研究所の公式HPでは、バックナンバーまで見ることができます。


コメント


 こんばんわ。あじさいの頃になりました。
 四月から介護報酬が変わり、加算が加わったり、認定調査の項目や調査の仕方が変わり、大変です。
 私の事務所には六人のケアマネがいます。栄養士、看護師、ソーシャルワーカー、介護福祉士がいます。元職の経験から、情報がとびかって来ます。現場では病気のことがわからないと聞けたり、糖尿の人がいるんだけどどうしたらいいの?とか、とても心強いです。
 今週は月末訪問期間、利用者さんからいつも宿題を渡され、現場に持ち帰り検討や調整を行います。そんな時も、わからないことがあると仲間に話し、一緒に考えてくれます。


投稿者: ひーちゃん | 2009年05月28日 23:08

4月から3年間出向?出稼ぎ?していた市役所の包括から故郷の老健に帰ってきたものの、居宅のケアマネではなく施設ケアマネとして勤務。出向していた3年間に悲しき介護施設の現実でベテランがやめて行って新しい職員がほとんど、若い職員さんだらけで、異業種どころか異星人と話をしているような…向こうは精一杯年長者として気を使って話してくれているのはわかるんですが、「○○さん××なんっす」「いいっすかぁ」「やべっ」彼女、彼らに私の言語や思考は通用するのか?質問力を磨かねば…


投稿者: 中高年 | 2009年05月29日 12:02

ひーちゃんへ
 すごいですねぇ、ひと通りの基礎資格の方がいるのはとても心強いと思います。
 常々、「介護支援専門員は専門職でなく総合職です」と言っているのですが、まさにそれを地で行く事業所ですね。
 専門性は、双方が認め合うこと尊重し合うことで、さらに磨かれると思います。
 今度は、あるテーマ(例:食が進まない)に関する見立ての違い、視点の違いなどで話し合いが深まったエピソードなどをお待ちしていますね。

中高年さんへ…
 そうですか、帰ってきたら超若者言葉いえいえ超今風言葉であふれかえっているんですね。「なんか、やばくない?」と話す介護職さんはいませんか?
 そんな彼らもマックやコンビニで勤めるとしっかりした言い方はできるようになります。(もちろんマニュアルにあるんですけど、それを実践できる力は持っているんです)
 公と私、仕事とプライベートを「言葉でけじめをつける」ことを話し合ってみるのもよいでしょうな。そんな彼らも5年後には「今の若い子の会話にはついていけない」と嘆くのですから、不思議ですね。
 施設の「ちょっと注意したいお言葉集」なんかを朝礼などで話題にするのも一手かもしれませんね。
 ちなみに中年ですか? 高年ですか?(^_^;)


投稿者: たかむろ | 2009年06月01日 17:07

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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著者:高室成幸
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発行:中央法規出版
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