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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

言葉の力

 前回のブログで触れた、宇宙戦艦ヤマトからはじまる「昭和30年代」の話題への反響、ありがとうございます。フォーク世代といえども、反戦フォークから四畳半フォークまでいろいろありました。一方でロック世代も共存していて、やがてその中間をいく「ニューミュージック世代」が1980年代を席巻します。
 近頃、当時の懐かしのライブラリーDVDが人気です。30年後のデイサービスでは、ステージ・スポットライト・白いギター(笑)がお決まりになるのかなと、ひそかに想像しています。

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 さて今回は「言葉の力」です。
 言葉は不思議です。言葉は知識や情報を伝えてくれるだけでなく、気持ちや感情を伝えることができます。
 言葉は人の心を癒すこともあれば、人の心をどうしようもなく傷つけることもあります。言いたいことをうまく表現できなくて「やきもき」する経験はありませんか? 相手が要約してくれても、「ちょっと違うんだよなぁ」と思うこともあったり。分析されて納得したいんだけど、微妙に違っていたりします。言葉って本当にむずかしい。

 その言葉を相談援助の道具として活用しているのが、ケアマネジメントの現場です。伝えたい気持ちが湧いてきても、言葉に「しっくり感」がないときほどもどかしいものはありませんが、利用者(家族)とのやりとりで、そんなジレンマを感じたことがありませんか?
 「あのひと言が私の運命を変えた」という経験は、どなたにもあるのではないでしょうか? それがつらい時なら、なおさら、心への刻まれ方も違うことでしょう。
 私にも、悩める30代の頃にある経験が。言ってもらったひと言でどれほど救われたか…(^_^;)
「その考え方でいいんじゃないかな。俺はそう思うよ」
 とてもシンプルですね、そういう時の言葉は。

 言葉は共感です。でも沈黙も言葉です。
 利用者の方々の人生の第4コーナーに出会う貴重な人々、それが皆さんです。これまでの人生にいろいろあっても、いい出会いがあれば、人生はまんざらでもないと思うものだといいます。
 みなさんは利用者の方々に、どのような「贈る言葉」をもっていますか? どのような言葉を贈られたことがありますか?
 言葉には、永遠に記憶の中で生き続ける力があります。

ムロさんの写メ日記
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宮崎県小林市社会福祉協議会の軽トラックに貼ってあったステッカーです

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宮崎空港で始まった「さつき展」です。いやぁ、すばらしくきれいでした

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世田谷のケアマネジャーM下さんから送られてきた「花の開花」の分割写真です。見事ですね、この連続写真は!(^^)!

今週のメールマガジン「元気いっぱい」はお休みです。第176号は「文章は誰のもの?」でしたが、反響ありがとうございます(^_^;)。
ケアタウン総合研究所の公式HPでも、バックナンバーをすべて見ることができます。


コメント


こんにちは(*^_^*)

 前回の、懐かしの歌に心惹かれ…
 自分が介護保険のサービスを利用するようになったら、『どうしてこの歌がお好きなんですか?よろしかったらお聞かせください!』
 なーんてケアマネさんに聴いてもらえると嬉しいかなぁ・・・なんて考えました!
 聞いてもらいたい質問といったところでしょうか。
 いろんな経験をしてこられ、その中にはお辛かったことも多くある人生の第4コーナーの方に、ズバッとお聞きするのではなく、こんな風にその方の心に触れていくのもいいのかも知れませんね☆
 「ハナミズキ」や「手紙」なら、まだカラオケで歌えます。(ちょっと無理してですが(T_T))
 私が第4コーナーにさしかかった時、どの歌が最も印象深い歌になっているのでしょうか…?
 それと同じようにどんな言葉が忘れられない言葉となっているのでしょうか。
 そして、願わくば私が発した言葉が少しでも誰かの心に届いていると嬉しいです(*^_^*)


投稿者: 桃太郎 | 2009年05月16日 08:33

 この福祉の業界から一度は離れた私を、再び戻してくれたのは、保育所の子どもたちの笑顔でした。人の目が気になり、半引きこもり状態だった時期、産休代替で勤務したのですが、もう一回人と交わってもいいかなぁと思わせてくれました。
 「ぴんぴんころり」って知ってますか?
 生きている間は、元気にぴんぴん、亡くなるときは迷惑をかけずにころり…私も誰かから教えていただいたのですが。
 先日、利用者さんから「私は、なんでお迎えがこんの?」と言われたのです。なんでだろうね…といった後「生きている間はね…」と話したんです。
 次の日「いい言葉を聴いたよ。私もぴんぴんで生きることにした。」といいに来てくれたのです。98歳もう一花咲かせると、押し車を押しながら「足がなまる。歩かんにゃ。」と今日も笑顔を見せてくれています。
 言葉は難しいです。何気ない一言が「毒」を持つこともあるし「夢」に繋がることもあります。
 いい出会いをしていきたいと思います。


投稿者: あっちゃん | 2009年05月16日 14:46

桃太郎さんへ
 歌は世につれ、世は歌につれ…「ロッテ歌のアルバム」の名司会者のフレーズにありましたよね(笑)。
 歌の中にドラマがあります。そのドラマを一緒に楽しむのも楽しい会話のネタになりますね。

あっちゃんへ
 「ぴんぴんころり」のフレーズはひところはやりました。言葉はイメージを伝えてくれますから楽しいですね。
 98歳でもうひと花咲かせる…いいですね。ひと花咲かせられるのも、見ていてくれる人がいるから。ケアマネジャーはその方の人生の見届け人なのかもしれません。


投稿者: たかむろ | 2009年05月22日 12:25

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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著者:高室成幸
定価:¥2,100(税込)
発行:中央法規出版
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