がんばるあなたは美しい
額にきらりと光る汗の粒…。
春の空の下に1万人の吐く息が走る。
うららかに浮かぶ春雲に、そびえる高層ビル群たち。その谷間を人群れが流れる。
マリエの望遠レンズは、桜ほころぶ皇居のコースを、つらそうにわき腹を手で押さえながら走る若い女の顔をとらえていた。汗がふきだし、たばねたロングヘアが濡れる。そして風に揺れる。
「がんばるあなたは美しい…」
そうつぶやくマリエのしなやかな指が連続シャッターを数秒間押し続けた。
カシャカシャとファインダーがリズムよく音を鳴らす。まるでランナーたちの心臓の鼓動にこたえるように。
(筒井京作『東京シティマラソン』より)
いつの頃からでしょうか、がんばることがカッコ悪いような時代になったように思います。今風に言うなら「だるい、かったるい、ダサい…」。
でも、なにかを得ようとしたら、何かを身につけようとしたら、自然と「がんばる」っていう感情は湧いてくるはずで……。だから、みんな、やっぱ「がんばる」わけで。
「がんばる」は、漢字では「頑張る」。「頑なに(かたくなに、つまりひたむきにということですね)、張る(私流には気を張る、集中力を続けると理解しています)」と理解するなら、そんなに悪い言葉ではないはず。
私たちはこの「がんばる」をとてもよく使います。驚くほど……。
「がんばりましょう!」(動機づけ)
「がんばれ!」(声援・応援)
「がんばる!」(決意・覚悟)
「がんばってますね!」(評価)
やみくもで、気持ちのこもらない「がんばれ」は、言われてもうれしくもないですが、努力の姿を知っていてくれて、つらい立場をわかってくれていて、それでもひたむきに努力している姿に、「がんばってますね」の言葉は涙が出るほど超うれしかったり。
今、「100年に一度の不況」というフレーズがマスコミを賑わし、2008年度の自殺者が32000人を超えたことが報道されています。世の中の閉塞感は、想像以上に私たちの生活を直撃しています。どちらを見てもお先真っ暗という印象ですが、第二次世界大戦と太平洋戦争の終末期は、それはそれは「絶望の淵」にいたのではないでしょうか?
「すべてが嘘だった…」
そんな虚無感のなかから、今の80歳代の方たちは気を取り直し(好きな言葉です)、矛盾を感じながらも、生き方のベクトルを「神国ニッポン」から「民主主義ニッポン」?へと舵を切りました。
その「がんばりの姿」は、真摯でひたむきな印象を私に与えてくれます。
ほんとうに「がんばる方向」がはっきりしている時は、誰もが大切な存在で、お互いに「絆」を結べるのではないでしょうか。そしてお互いを認め合え、尊重・尊敬できるものです。
いまの時代は「がんばる方向」が見えないことの不幸なのかもしれません。でも、落ち込む必要はないと思います。
その「がんばる方向」をおぼろげながら、感覚的にわかっている層が確実に生まれてきている予感がします。
モノの豊かさでなく、アメリカ偏重でなく、それでいてグローバルで、ノーマライゼーションを普通の感覚で語れる20歳代が生まれてきています。
彼らなりの「がんばっている」は、多分「超かっこい~!!」という言い方になるのかもしれませんがね(笑)。
みなさんのひたむきに「がんばる姿」は美しい…
全国の研修会で出会う顔に、私は心の中でいつもつぶやいています。
ムロさんの写メ日記
先日、京都に行ってきました。その際の京都駅の全景!
京都駅の中!空間をぜいたくに使ってますねぇ!(^^)!
京都市左京区銀閣寺近くの巨大お地蔵さまです!
その脇のちいちゃなお地蔵様の祠です
わが近所の地元野菜の100均ショップ。時期ものの菜の花が出ていました
飛騨から届いた雪景色の軽自動車!
今週のメールマガジン「元気いっぱい」第172号は「社会的ひきこもり」です。ケアタウン総合研究所の公式HPでもバックナンバーをすべて見ることができます。
コメント
先生お返事有難うございました。いよいよ四月がスタート!!てんやわんや??で日々送ってます。
3月末には、これも転機でしょうか、頑張ってきたケアマネ仲間の方が家庭の事情で退職、介護保険始まる当初からやってきた訪問看護師さんも体調悪く退職、私の人生においてお世話になってきた保健師さんも親の介護で退職…と、今年の春はかなり涙を流しました。
人生いろいろ何が起こるかわからない!ですが…自分の人生についてもいろいろ考えさせられる今日このごろ。退職された方々はまだ働けるかもしれなかった方々なので”皆様の分ももうひと頑張りするぞ”と心新たに頑張ります^^。
「頑張る」といえば…家の中3になる息子の教室の片隅に「頑張るやつがかっこいい」と紙に書かれ貼ってあります。担任の先生の言葉!今の子ども達の心に響いてくれるといいな~。
kobajunさんへ
いいですねぇ、「がんばるやつがカッコイイ!」。子どもたちの心にもしっかりと焼き付いていると思いますね。
さて、まだまだできる気力・体力があるのに、「条件」が整わないので退職となった方々がいらっしゃるようで。たしかにケアマネジャーの方々も50代前後も増えてきました。まさに当事者になる世代です。それらがわかる分、送り出すほうも、つらいですよね。
でも「定年退職」や「引退」を表明していないなら、数年を経て「復活」あるいは「復帰」はありだと思いますね。(65歳で復帰なんて、かっこいいですよね)
実はこの点では、女性は強い!(^^)!と思いますね。
男性ならは、退職となると「人生の引退」とまで考えてしまい、途端にしょぼくれたりしてね。だったら、失職して再就職がままならないないで家にいなければならないなら、「家事に転職」なんて宣言してもいいとおもいますね。
発想の転換をするだけでも気の持ちようも変わってくるはずです。
まずは、一時的に職場を去った人たちに帰ってくるまで「お待ちしています!!」と、温かく送り出すのもいいかも。
でも世の中には、それがちょっと口実めいた人には「え~、待っているの?」と負担に思う人がいたりして(いえ、あくまで冗談です(^_^;))。
まずは「がんばるやつがカッコイイ!」でいきましょう!(^^)!
はじめまして!
この6月に電話回線から光通信に替え、心置きなくPCに向かっている毎日! こんなサイトがあることを今日知りました。感激!!
老健で現場を経験後、施設ケアマネ1年、居宅ケアマネ4年、今年4月から社協でケアマネをしている、福祉経験歴12年目のおばさんケアマネです。
今まで大変だったけど、一度もケアマネを辞めようと思ったことはなく、ひたすら頑張り続けてきました。ところが、この4月から、社協に移動してからというもの、私のやってきたことを全否定される毎日にほとほと疲れきっています。
モニタリングのため、受け持ちの利用者様が利用しているデイサービスに面会に行こうとしたら、「1ヶ月に一度訪問しているなら行く必要はない」と言われたり、主任ケアマネを受けたいと希望しても、「まだ実力が備わっていない」と言われるは…。自信喪失の毎日です。
今の職場では頑張る人は必要なし!居宅の特定事業所加算を取らない理由も、監査が面倒だから!だって…。いきなり愚痴の連続ですいません。
私は頑張っている人が大好きです。応援したくなるし、思わず一緒に頑張っちゃいます。そのあとの達成感がたまらないですからね。
では、今後もムロさんや皆様の投稿を参考に日々頑張っていきたいと思いま~す。m(__)m
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