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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

ワンパターン・フレーズ

 「ワンパターン」とは、お決まりのセリフ、相も変わらぬやり方、いつでもどこでも変わらない態度(姿勢、服装など)を比喩する際に使う「和製英語」です。
 どちらかというと、あまりいい意味で使われませんね。「ワンパターン」で、大概のことができることはすごいことですが、一般的に「手抜き」のように思われがちです。

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 ことケアサービスでは「個別性」をウリにしているわけですから、誰しもワンパターンで「あってはいけない」はずだからです。

 さて、しかし…。
 個別性や「その人らしさ」が強調されながら、ケアプランの表記が「ワンパターン化」していることをどのように考えればよいでしょうか。

 以下のフレーズは、ケアプランを見ていてよく出会う、利用者の意向のパターンです。
 「いつまでも自宅で暮らしたい」
 「できる限り、元気で自宅で暮らしたい」
 「家族に迷惑や心配をかけることなく、このまま安全に暮らしたい」
 もちろんそれぞれに微妙に違ったりしていますが、意向の文章はたいてい「安心・安全・健康管理」が主です。介護予防にいたっては「維持、改善、向上」が並び、本人がめざす「具体的な生活のイメージ」が記されていないものが散見されます。

 「下肢筋力の低下を防ぐ」
 これは、ワンパターンの中の「四字熟語」「専門用語」の羅列の最たるものです。まず、下肢筋力というのがあいまい。どのあたりのことかが利用者(家族)にはピンとこないし、大切なのは、「下肢筋力の低下を防ぐ」ことで「実現する暮らし」が浮かび上がってこないことです。
 たとえば…
 「足腰の衰えを防ぎ、息子家族と夏の大花火大会を楽しむ」
 「足腰の運動をして、孫の○○と一緒に○○公園で遊ぶ」
 (これもあくまで一例ですので、ご注意を)

 抽象的な用語、四字熟語、専門用語は、利用者(家族)とケアチームにとって「あいまいな理解」を生む原因となります。
 ご自分のケアプランを手にとってみて、振り返ってみてください。あるいは、同じ事業所のケアマネジャーと「ケアプランの見せ合いっこ」をしてみてください。そこにワンパターンな傾向があれば、まずは「その人らしい暮らしがイメージ」できる表記を考えてみてください。

ムロさんの写メ日記
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3月18日、岐阜県多治見市のアセスメントセミナーを主催した地域包括支援センターの渡辺さんと戸田さん

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3人で食べた「天ころうどん」です。私のなかの「全国うどんベスト10」の三本指に入るほどのうまさでした!(^^)!

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岩手県盛岡市で3月15日に開催されたセミナー会場の様子です

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盛岡駅近くの会場(アイーナ)の1階にあった巨大オブジェです。まるでフジテレビの正門にあるようなオブジェでした

航空写真を何枚か…
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山のなかに開発されたゴルフ場。まるで焼け肌のように「めくれあがった」印象が痛々しくみえます

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雪を帯びた山脈です

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整地された畑たち。とてもきれいでした


今週のメールマガジン「元気いっぱい」第170号は「落ち込む言葉、うれしい言葉」です。ケアタウン総合研究所の公式HPでもバックナンバーをすべて見ることができます。


コメント


 高室先生、お久しぶりです!!相変わらずお元気そうで全国を飛び回ってみえますね。このブログを拝見しますと近くにいらしてたんですね~^^
 実はその日は、ケアマネ実務研修でお手伝いで参加させてもらってまして。講師の方と先生のお話してたんですよ…偶然?にも。懐かしいね。また同窓会を…なんて。
 その実務研修で、受講生の方々のグループ発表に感動し涙が出ました。今回の方々は、グループ発表も実に積極的で、自ら手を挙げるグループがいくつもあり…私達の県のケアマネさんの将来が明るくなる…心がじーんとなり帰りました。
 ワンパターンフレーズ…も心に・・いつも考えながらケアプラン作ってます。
 またお会いできる日を楽しみに、お元気で頑張ってください。


投稿者: hida-kobajun | 2009年03月20日 20:43

 高室先生、お久しぶりです!
 東京マラソンはチャレンジなさっておられるのでしょうか? 思わずテレビのニュース画面で探してしまいました!
 『貸金力』…これは、『下肢筋力』の言葉を使いたくて『かしきんりょく』とパソコンで入力すると変換されてでてきます(>_<)
[注]ソフトではありません!
 でも、この『貸金力』がでてきたときは、ドキリとして反省をしています。
 簡単に、私たちがわかっていると思っている、四字熟語を使うことで、ドロンと煙に巻いて曖昧に終わらせてますよね…。
 実際に、利用者がよくわからないのではなく、私たちもわかっていないところがたくさんあると思います(下肢のどういうところなのか、低下を防いでどういう生活にしていきたいのか…など)。
 目標のわずかな文章の中にも、その人の人生がキラリと光るようなケアプランにしていきたいですね(^.^)。


投稿者: Noriko | 2009年03月22日 19:15

hida-kobajun
 お久しぶりですね。飛騨の春はもうそろそろでしょうか?新宿御苑の桜はチラホラしてきつつあります。
 さて、実はそうなんです、近くの多治見に行ってました。その同じ時間帯に実務研修ですか。ご苦労様です。その手の話題に盛り上がるということは、講師のみなさんは主任ケアマネの修了者の方々のようですね。いいですね、また同窓会で盛り上がりますか(笑)。
 全国的に主任ケアマネの修了者の方々が次のステップアップにウズウズ?されているようです。
 岐阜でユニークなフォローアップ研修なんかできるといいですね。
 またメール、お待ちしています!(^^)!

Norikoさんへ
 東京シティマラソンはさすがに抽選枠がきびしいので、応募の段階で挫折して…。でも来年はチャレンジしてもいいですね。TVを通じて全国のみなさんにVサインを送ったりして(笑)。
 「貸金力」…たしかに出ますね。そしてドキッとします。漢字はとても便利な中国の文字です。あいまいなひらがな文化の日本語をうまくひとくくりにしてくれるのが漢字の役割です。だからこそ、その用語の前に「具体的な表現」をつけることで、よりわかりやすくなるというわけですね。しかし貸金力にはマイッタ!!!
 そのうち四字熟語でなく、絵文字なんかも入ってきたりして…。
 春の便りなどもお待ちしていますね。


投稿者: たかむろ | 2009年03月23日 10:46

高室先生 多治見の研修会ありがとうございました。おまけにブログに紹介していただき…ありがとうございます。
親兄弟が「3本の指に入る 天ころうどん」に興味津津で 「あとの2本はどこや?」そっちかぃ!(笑)
専門用語などわかりにくい言葉をもともと使わないようにしていましたが、研修後は、もっとわかりやすく…と考えて作ってみたら…なんだか長くつかみどころのない文章に化けそうで…すご~く大変でした。でも、きちんと向き合うことでていねいなプランに化けると信じてます。
余談ですが『物が散乱』としたかったのに『産卵』と変換されてチョ~笑いました。
是非、また多治見にお越しください。


投稿者: ナベーズ2号 | 2009年03月26日 19:59

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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