自分を「評価」するということ
世の中は「評価」ブームです。先ごろは資格ブームでしたしね。
振り返れば1990年代のことでした。バブル経済が弾けた後に、学歴より能力が求められるようになりました。何を学んだではなく、何ができるか。企業も人を育てるだけの余裕がなくなり、自助努力でがんばって取得した「タイトル」としての資格が、その人の採用の目安となったわけです。たしかに、資格によっては相当に勉強しますからね。
ところがここにきて、あの資格ブームはどこへ行ってしまったのでしょうか? 資格を持っているのは当たり前の時代になったのかもしれません。
介護・福祉の世界でも「資格」が前面に出る時代となりました。それも任用資格でなく「国家資格」です。その代表格が社会福祉士・介護福祉士でしょう。
介護支援専門員は、介護・福祉・医療の国家資格のベース、あるいは5年間の現場経験を基礎に受験できることになっています。いまでは「資格的な資格」(正式には国家資格ではないので)として、施設職員などの職員教育として受験を推奨するところもでてきています。
さてさて、話は自己評価です。
「なにを持っていますか?」「そして何ができますか?」
それ相当の知識と技能を有する目安として資格は位置づけられていますが、それで期待される業務が「できる」とは限らないのも明らかです。
ある人が言いました。
「資格は足裏の米粒だ」とも。取らないと気になるが、取っても使わなければ無駄だと。一粒の米が苗となり、たわわに実る稲穂に成長させるのも自分次第というところでしょう。
なるほど、言いえて妙ですね。
むしろ資格取得はスタートで、その後の現場経験でプロフェッショナルに成長していくわけです。その目安が「10年」といわれています。
その10年間にさまざまなカベにぶつかり、試行錯誤を繰り返しながら、「練れたプロ」に仕上がっていくのは、どの世界も同じのようです。
その点で、介護支援専門員のみなさんもようやく8年が過ぎ、いよいよ平成14年あたりから「10年選手」が登場してくることになりますから、楽しみです。
しかしそこで大切なのは、自分を正しく評価できる視点です。人は、人から指摘されることと自分で「気づく」こと、どちらに納得感があるかというと、後者です。前者は相手の評価軸だから、イマイチ納得できないことがあったりして。
つまり「自己評価」は、自己成長には欠かせないエクササイズと考えるとよいでしょう。でもこの自己評価ですが、やり方によっては注意点もいろいろあります。
その1つが「厳しくなりがち」な点です。理想・目標が高いとついつい「これではダメだ」と思いがち。その姿勢は謙虚でよいのですが、それで疲れちゃっている人がいます。マイナス面ばかりに目がいって、優れているプラス面を素直に肯定評価ができない難があります。
もう1つが「甘くなりがち」な点です。甘いというより、曖昧になりやすいといってよいでしょうか。理想・目標が低い(失礼)とついつい「これでイイや」となってしまうのです。これが「ここまでデキルようになった、ヨシがんばった!」ならばよいのですが、「まあこれならいっか」と低いレベルで納得してしまうと、自己成長もそこまでとなります。
では、自己評価はどうすればよいか。
みなさんも、着こなしをチェックするには鏡を使うように、自分なりの自己評価・チェック用のシートを作成してみるのがよいでしょう。いま、その手の本も自己啓発系の本のコーナーにいけばあります。自己診断の本もよいかもしれません。
自分を客観的に見る力・矯正する力・育てる力は、プロフェッショナルの技術の重要なファクターです。
ムロさんの写メ日記
岐阜県主任介護支援専門員の事例研究・検討の演習風景です。観察者を置いて行っている様子です
岐阜県大垣駅でばったり会ったこのサンタのネクタイの人は…東海地方の福祉・介護界では有名な中央法規出版名古屋営業所の近藤美樹也さんです。「いやぁ、いきなり声をかけられビックリです!」とも。小生、こういうことがたまにあります。大抵、私が先に発見します!(^^)!
大牟田市のグループホームの中で。案内していただくと、目に飛び込んできたのが「黒電話」。なんとつながっていて、使ってらっしゃるとも。いやいや回想法もここまでくると…スゴイ
しばしの空中散歩をお楽しみ下さい!(^^)!
今週のメールマガジン「元気いっぱい」第155号は「親しみの作り方」です。ケアタウン総合研究所の公式HPでも見ることができます。
※施設向けメルマガ「ケアコム」第5号もお読みいただけます。
コメント
先日は、寒い大垣での事例検討三日間強化合宿ありがとうございました(^0^)/
あまりに充実した内容で随分締まりました!と思いきや、後姿の私ったら「背中がカナダ化」してるじゃないですか(泣)
高室先生の講義はまさにビフォーアフター、受講前と後とは別人です。だから明日の会議の私は、緊張してへらへら笑ってごまかしたりせず、真剣な表情で「手立てより見立て」の匠の技を光らせてみせます!!
元演劇部員さんから、
「載ってるよ~」と教えてもらい、さっそくお邪魔しました。
先日の講義は、ほんとうにおなかいっぱいになりました。
私の引き出しも、中身のはみ出るほどぽんぽこりんになっています。たくさんの貴重な知識を、ありがとうございました。
そしてこれらをいかにうまく使っていくかは、私の能力次第。自分磨きにも、ますます精を出したいと思います。
近くで講義があれば、ぜひまた参加させていただきたいです。
先生、皆さん、そして私!!
ファイトですq(^o^)p
先日は秋田での講習ありがとうございました。
「ケアマネの仕事は感情労働」という言葉がとても心にしみて、励みになりました。
これから今年最後の訪問に回ってきます。
毎回色々なご家族から利用者さんに対しての愚痴や相談を受け、頭がいっぱいいっぱいになって自信を失くした時もありましたが、先生の言葉を思い浮かべ頑張っていきたいと思いました。
これまで秋田での講習は欠かさず参加しています。
遠いところではありますが、是非また来て頂きたいと願っています。
元演劇部員さんへ
岐阜での研修、ご苦労様でした。ペコちゃん?のようなえくぼがくっきりした顔はいまもしっかりと覚えていますよ。それに緊張すると、ついヘラヘラとしてしまう癖も(^_^;)。
でもそれが空気をなごませる効果もありますから、時と場合をわきまえて自分の魅力にすることにも挑戦してみてください。身体が「カナダ化」しているというのは、バンバンに張っているということですか?解説、お願いします!(^^)!
☆子連れCM☆さんへ
岐阜の研修会は相当な情報量ですし、さらにめくるめく体験の連続でしたからね。バイキングのように身も心もおなかもいっぱいとは…消化不良気味なら、ゆっくりと牛のように反芻しながら自分のものにしてくださいね。
Anonymousさんへ
今回はケアプランのための文章上達の技術でした。皆さんが書きづらく感じるのは、アセスメント力不足だけではなく、実は日本語の文章の構造にある!ということでお伝えしました。でもその構造がわかりだすと、そんなに難しいものでないのが記録やプランですよ。
さて、「感情労働」のキーワードがいたく印象に残ったようですね。肉体労働は体で汗をかき、頭脳労働は頭で脂汗?をかき、感情労働は心で涙という汗をかくのではないでしょうか?
上手にストレスとつきあうノウハウを自分なりにあみだすことが大切ですね。
今日は東京で「ケアプラン点検支援マニュアル」手引きセミナーを開催しました!(^^)!。
※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。