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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

図解の力

 「図解」がブームです。
 国会議員がTVに出演する際や代表質問のときに、通称「フリップ」なるものをTVにかざして話すのがおなじみの光景になりました。
 TVのニュース番組やワイドショーでも、図解が大活躍中です。多少聞き洩らしても、この図解があるから話題についていけます。「うまいなぁ」と思わせるものも多く、スタッフの苦労と技の上達ぶりを参考にしています(ちなみに、TVの画面下に出る文字のクレジットもありがたいですね。最初は少々違和感がありましたが、いまでは言葉を文字で確認できるのでより深く理解できたりしますね)。

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 私が図解にのめり込んだのは15年以上前でしょうか。ビジネス書で、久恒啓一さんという某企業の広報マン?だった人(今では大学教授)が、知的生産の技術研究会のなかで披露していたのが本になったのをたまたま手にとったことから始まります。
 数年後、ある勉強会の講師に来られて一度お会いしたことがあります。余談ですが、著者本人に1人の聴衆として会っておくだけでも結構親しみが続いて、後々の継続した学びにも生かせるものですよ。

 さて本題です。
 図解とは「文章ではない」ということ。文章や録音テープは「アナログ」なのです。つまり、途中から読んだり聞いたりしても、中身の理解はできないし、全体像を把握するには、読む時間・聞く時間が必要になります。ところが、図解はその点が自由です。目にまず飛び込んでくるし、どこから見てもアクセス自由なので「デジタル表現」ではないかと自分なりに納得しています。
 メリットは次の3点ですね。
 第1に読むのでなく「見る」という行為で「全体像」が把握できます。
 第2に関係を想像するのでなく、矢印や位置で「関係」を把握することもお得意です。矢印を工夫(実線、点線、太さ等)することで、関係の深さや浅ささえも伝えることができます。
 第3が、特別な「ルール」がないのも私が好きな点です。文章には文法や文章術があり、朗読には読み方のヘタウマがあります。しかし、図解にはその人の流儀があっても、それが正しいわけではありませんし、人柄や考え方などオリジナルさがにじみでたりします。同じ新聞記事を渡しても100とおりの描き方があり、それも「アリ」という多様性も私にあっています。
 おかげでずいぶんと図解にはまりました。ところが、このように一見万能のようでいても、所詮は文章や講演の補助道具でしかないこともよーく理解しておくべきです。図解ですべてがわかるなんて、ありえません。
 つまり、読んだり聞いたりする際に、読み手聞き手の理解の「サポート」をする小道具と思っていただけるとよいですね。

 私が研修会で多様に活用するのも、受講者の理解を助ける道具としてその効果を私なりに使いこなしているからです。その点では家系図も図解といえます。
 では上達の方法です。
 ちっちゃな新聞記事を3回図解することを普段からやってみてください。それを知り合いに見せて評価をもらうだけで、少しずつ上達するものです。新聞記事や雑誌記事の図解も、文章を読んでから自分なりに作るのもおススメ。その違いを自分で確認することで上達の近道になります。
 自分流を出せる…それが「図解の力」です!

ムロさんの写メ日記
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私の図解のひとつ。家族構成図とサービスを合体させています

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京都北区のケアマネジャー連絡会・地域包括支援センターの皆さん

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わが事務所の猫の左手には、酉の市のお土産

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山口県萩市の記念博物館前の広場での紙芝居風景。内容はもちろん、松下村塾の創始者である吉田松陰の武勇伝です

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冬を迎える葉っぱのうらには、蝉の抜け殻が…なんかしみじみしますね

今週のメールマガジン「元気いっぱい」第154号は「独身男性介護者の『男らしさ』が壊れる」です。ケアタウン総合研究所の公式HPも見られます。
※施設向けメルマガ「ケアコム」第5号が先週、発信されました。


コメント


 岐阜の町は平年に比べ雪もなく如何でしたか?
 先生の流暢な講演感動!?なれど頭が腐るくらいテンパッています。でも見えなかった事が見えてきたとても充実した研修です。
 加齢と共に頭はスカスカですが、トークは素晴らしくこのスカスカの頭にもどんどん入ってきます。
 とりあえず今回は今日が最後。終ったら飲むぞ~ おっといけない保険請求があったんだ。


投稿者: ばあば | 2008年12月05日 07:42

ばあばさんへ
 名前から察すると、あの方かな?こっちの方だったかな?(笑)
 頭が腐るほどとは…でもバナナもお肉も腐りかけが美味だとも聞きます(笑)から、さぞや十分なる知識とノウハウを得ていただけたのかなと思います。
 最後の講義のときはちょっと目がうつろな方もいたりして。
 まずは3日間、ご苦労様でした。ハードなハードな演習でしたが、おかげで皆さん、事例検討の基本スタイルは身についてきたと思います。次回は実践してみた感想でもお寄せください。
 お待ちしています!(^^)!


投稿者: たかむろ | 2008年12月07日 17:25

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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