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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

研修講師養成講座

 今月の2・3日、ケアタウン総合研究所では「研修講師養成講座」(短期コース)を2日間行いました。ロールプレイも行う実践的な内容なので、最少枠の15人としました。
 通常のケアマネジメントセミナーは関東近県から受講されることが多いのですが、5月に案内をリリースしたところ、なんと6月には定員いっぱいとなり、キャンセル待ちがでるほどに。
 この講座は、北は札幌から、南は九州の熊本・沖縄までの参加でした。

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1日目、全体講義の様子です

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 「どうしてこの講座を始めようと思われたのですか?」の質問を受けることがあります。その答えは「講師は探す時代から、創る時代へ」のキャッチコピーに込めました。ここ数年、以前に比べて研修会バブル?になっているように感じませんか?
 その代表格が、ケアマネジャーの質の向上と維持のための「更新研修」です。全国の都道府県で1コマ300~500人の規模で開かれています。そこで行うのは、大学の教員の方か現場で実践するケアマネジャーの方々です。実費負担もあり、その幅は0円の富山県から4万円超の静岡県まで。無料ならば「まあ、仕方ないか」と大目に見られる研修会も、それなりの値段なら、中味と負担額とのつり合いを比べて、「これはお得な研修会だ」「これで○万円はひどい」となるのが当然といえば当然です。
 そのような目にさらされながら、講義の仕方も知らずに行わねばならない講師の方々の心情はいかばかりでしょうか。

 そしてもう1つが施設です。
 施設では、新人研修・中堅研修など職務歴別研修会もあれば、感染症・虐待・個人情報などのリスクマネジメント研修など、職員の質の向上のために研修を行う機会が増えています。また、そのような点を県の監査や介護サービス情報の公表事業や第三者評価が、特に着目する時代と変化しました。
 各都道府県の老施協や全老健で行う研修会に参加させる方法もありますが、一部の職員の参加になってしまい、その人が施設内伝達研修をやってもただの報告になりがちという悩みがありました。
 といって、外部講師を呼べるほどの研修予算を確保していない実態があります。施設長研修会でも「先生に来ていただきたいのですが、何せ予算がなくて…それに、全員に受けさせるには勤務シフトに準じて3回やらなくてはいけないんです」
 これが現状です。なんとか妙案はないだろうか…行き着いた結論?は次のようなシンプルなものでした。
 「だったら、施設内に講師ができる職員を養成すればいいんだ。その代表格はやっぱり施設長だ」
 今回の講座の企画コンセプトが決まった瞬間でした。タイトルも「あなたが講師塾」にしようという案も出ましたが、さすがにわかりやすいけれど、ちょっとベタなので、直球の「講師養成講座」としました。

 1日目は「講義の仕方」を講義し、皆さんが用意してきた5分間スピーチをビデオ収録。その後、「講義の伝え方」のお題目で、ビジュアル手法と図解の技術を講義しました。
 2日目の午前中は、最近使う人も多くなったパワーポイント(電動紙芝居)の作成体験です。全員にパワーポイントのソフトの入ったノートブックPCを持参いただき、小生のノウハウも入れ込んだ実体験教室です。
 午後にレジュメの作り方、ボディアクションのとり方、受講生の巻き込み方などなど、すべて実践的なノウハウを伝授。最後に全員に3分間スピーチを行ってもらい、ビデオ収録。つまりビフォアー&アフターを収録して、その「成長ぶり」を見ようというわけです。

 チャレンジシートの感想をご紹介します。
 「ビデオで自分の姿を見るのは抵抗がありましたが、効果がよくわかりました。良薬は口に苦し!逃げずに向かい合い上達できるツールにしたいと思います」(熊本県、施設長・社会福祉士)
「長くやっていると、他からのアドバイスはなかなかもらえません。パワーポイントも現場で即使える内容で良かったです。今までは話せばいいだけの講義で、引きつける講義になっていなかったことに気づきました」(茨城県、施設長・保健師)

 好評につき、第2期を年明け早々の1月10・11日に行います。ちょっと興味のある方、公式HPの案内を覗いてみてください。募集は9月からです。

ムロさんのデジカメ日記
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ビデオでの収録風景です。これだけで緊張気味。翌日、全員のスピーチについて良い点と改善点をコメントしました

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パワーポイントの作成講座。まずは触る、使ってみる、そして作るという順番でやりました。おっかなびっくりでも結構うまくなるものです

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2日目の3分間スピーチです。かなりの進歩に驚きの連続でした!(^^)!


 今週のメールマガジン「元気いっぱい」第138号は「ご先祖様の思い出」です。ケアタウン総合研究所の公式HPでも見れます。
 ※施設向けメルマガ「ケアコム」は第2号を配信しました!


コメント


 「習うより慣れろ!」の感覚がしみついていて、講師として話をしていくのに、どうすればよいのかをきっちり学んだことはないです。そして、失敗しても分析がないままなので進歩もなく…
 「講師なんてとてもできないわ」「人前で話をするなんてとても…」と思いますが、自動車教習所に通う前は「車の運転なんてとても無理」と思ってましたから。きちんと学ぶことは大切ですよね。
 素敵な企画の研修。
 これからもスペシャルな企画をよろしくお願い致します。
 ぜひ、参加していきたいと思っています☆


投稿者: Noriko | 2008年08月14日 21:53

 人前で話すことは、最低1人以上から出発、15人、50人、100人…それぞれにあった、求められることを心地よく納得してもらう手法の原点をこの研修で学びました。
 仕事上、毎日、たくさんの患者さん、そして御家族、職員との間でお話を交わしています。研修での学びがいつもの笑顔に変化をもたらしているのでは? しぐさ、場の雰囲気に合った、きめこまやかに配慮する気持ちが以前より増して生まれたように思います。2日間ありがとうございました。


投稿者: YK 地域医療連携室 | 2008年08月16日 07:29

Norikoさんへ
 自動車教習所の例は本当にそうですね。ハンドルを握る前の緊張感も仮免を過ぎると薄らぎ、あんなに大変だったのが、一年後には、ラクラクと運転ができていますもんね。
 でもやはり、基本がしっかりしていないとうまくならないのは、スポーツも講師も共通しています。1月のスペシャルな企画にぜひ参加ください。

YKさんへ
 実は少人数でも講師の心構えとプレゼンテーションの手法は生きてきます。きめ細やかな配慮が自然にできるようになったとのこと。
 ますます腕を磨いてください。再会するのが今から楽しみです。


投稿者: たかむろ | 2008年08月19日 15:13

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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