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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

施設見本市

 先月27日の日曜日。東京・有楽町の東京フォーラムで、厚労省と全社協の共催で「福祉人材フォーラム」が開催されました。
 そのお隣で「福祉の仕事 就職フォーラム」(東京都・東社協共催)が開かれ、新卒の学生と転職?希望の職員風の人が集まっていました。要するに施設見本市ですね。
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 介護人材不足がメディアでも報道されたせいでしょうか、あるいは広報不足が影響しているのか、心なしか閑散としている印象でした。これを福祉現場の魅力の落ち込みの反映とみるのかどうか。

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 先日、リクルートで『ケイコとマナブ』の編集長をしていた前川孝雄さんのミニ講演会を聴く機会がありました。
 「今の若者は超売り手市場ですから、すでに5月の段階では第1次内定をもらっている学生は結構います。ただそれが、秋口になるとこんな簡単に決めていいのかと急に不安になって、さらに就職活動に動き出す学生もいます」
 つまり、この7月末ではすでに一歩出遅れているのかもしれません。しかし、主催が公的な行政ですから、青田刈りのルール違反をするわけにもいかず…。
 少子化は産業界も同じです。福祉・介護関係の大学・専門学校生に対しても、一般企業との就職口の門戸が開かれている時代です。つまりライバルは他施設ではなく、流通やサービス、製造などの産業界となったのです。そのあたりの意識変革がまだできていないのを感じるのは私だけでしょうか。

 「高室先生、その節はありがとうございました」と親しげな笑みをたたえて近づいてくる1人の中年の施設長然とした男性。そうです、ケアコムの取材でうかがった東京都青梅市の「あゆみ園」の事務長でした。見ると、テーブルには山田富治施設長(写真右)みずからが学生を熱心に口説く(失礼!)姿が目に飛び込んできました。
 「午前中から5時間、ずっと話しっぱなしです」
 見渡すと、だれも寄り付かないブースと話を聞きたい学生が絶えないブースがあります。ヒマそうなブースは心なしかふてくされ気味で…これじゃあさらに来ないなあ。こういう姿がやる気なさと映って学生に印象づけられることの恐さをわかっているのかなと不安に思いました。

 説明する内容に一つの特徴がありましたので、ご紹介しますね。
(1)施設の規模と内容、理念や職場の仕事の内容などを懸命にアピールする施設
(2)施設の紹介(ユニットなど)とともに、雇用関係や福利厚生などをアピールする施設
(3)入職以降の人材育成や職員の研修体系をアピールする施設
 最も人を集めていたのは(3)だったのですが、これをみなさんはどうお考えになりますか?

 ちなみにブースの料金を尋ねました。
 「(小声で)実は1ブースは3万円です」
 「えっ、安いですねぇ」
 「これが介護の専門サイト○○がやる同じようなものは、1ブース30万円です」
 「ゲッ、それは、た、高い…」
 東京都主催だからの低価格でしょうが、実際に30万円はかなりきつい。
 施設と職場を探す人のベストマッチング…以来、なにか妙案はないかと考える日々です。

ムロさんのデジカメ日記
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施設ブースの装飾も特徴的です。パンフレットを張っただけの施設、パソコンで紹介する施設、パワーポイントで映し出す施設…もうひと工夫あればなぁと思いました。たとえば新人職員のインタビューを流す、仕事の様子をビデオで流すなどなど。お金をかけずに知恵を出せば、結構ユニークな事ができるのでは?

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わが新宿御苑の事務所のベランダは、ニガウリの収穫期になりました。しっかり育った彼らを胃袋におさめるのは忍びない(笑)。

 今週のメールマガジン「元気いっぱい」第137号は「おいしゅうございますの心」です。ケアタウン総合研究所の公式HPでも見れます。
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コメント


 私が、学生だったらどういうブースにいくかなぁ…と考えてみると、やはり3のところです。
 この分野で、自分が頑張っていけるのか、自己成長できるのかを確かめたいと考えます。
 人事担当で話すとしたら、1を懸命に話してると思います。
 でも、本当に聞きたいのは、実際に働いてる、自分とあまり変わらない立場の方の本音の部分のお話です! そして表現しにくいのですが「空気」というか「風」を感じてみたいです。
 ○研ゼミなどで、利用した卒業生の声が書かれていますが、これはグッとくるPR方法です。
 そう考えただけでも、微妙なズレがあるのかもしれませんね…
 事務所は、地球温暖化対策と皆さんの夏バテ防止の栄養補給の一石二鳥の取り組みがなされているのですね♪
 たっぷりと胃袋に納めて、猛暑の夏を乗り切れますね(^^)。


投稿者: 桃太郎 | 2008年08月06日 22:41

 私も学生だったらどのブースに行くかしらと考えると、3かな?資格を取得してさあがんばるぞ!と
 現場に入り、先輩達に教わったり、会社の定期的な研修制度があればスキルになるしね。ただでさえ介護業界人材不足。若い人達に頑張って担っていって欲しいです。
 東京のベランダに緑がいっぱい!それは夏バテ防止のにがうりがたくさんでうらやましいです。とりたては生でもおいしいですよね(*^_^*)
 暑い夏をにがうりを食べて元気に過ごしてくださいね。我が家はやっときゅうりの黄色い花が咲きました。


投稿者: ひーちゃん | 2008年08月07日 21:28

桃太郎さんへ
 学生なら3、人事担当者なら1という比較がわかりやすいですね。ついつい施設の側も訴えたくなる気持ちはわかりますけど、就職を決めるほうは微妙に違うということ。このズレってなかなか埋まらないのはどうしてでしょうね。
 もしかして施設ケアも訴え型になっていたりして…やはりここでも、ニーズ志向であるかどうかが問われてきますね。
 ニガウリ写真から地球温暖化対策まで、深読みしていただいてありがとうございます!(^^)!。

ひーちゃんへ
 専門職は現場で学んで腕を磨きたいのが基本的ニーズだと思いますね。その点で自分の成長が見える化してあると、それだけでポイントゲットなんでしょうね。
 ニガウリは生でも食べれるんですか?知りませんでした。早速、スタッフとチャレンジしてみます…「所長命令!」と言って、従ってくれるかどうかは自信ありませんが(笑)。


投稿者: たかむろ | 2008年08月08日 00:52

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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