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佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」

シドニーからブリスベン

 成田からシドニー空港に着くと、夏のはずなのに、肌寒かった。朝だと言うのもあるのかもしれないし、南極に近いと言うのもあるのかもしれない。入国手続きを終え、子どもたちの乗っかった荷物をごろごろ押して行き、空港を出ないでそのまま北方向のブリスベン行きの国内航空に乗った。機内では普通にロックがガンガン鳴っているし、男同士のベッドシーンの映画もやっていた。日本とは全く空気が違う!ブリスベン空港に着くと、からっとした湿度のない暑さで気持ちよかった。タクシーは、お客が6人乗れて荷物も積めるハコバンだった。一気に気分は上昇して、室内では、子供達を中心にリンダリンダとかの大合唱だった。運転手はジョンという韓国人で、わかりやすい英語だったので、親しくなって、次の移動時も呼ぶことになった。

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 ホテルに着いて、半袖に着替えた。街の中心部に川が流れていて、ホテルはリバ~サイド♪だった。台所も付いている滞在型のコンドミニアムだった。どこのホテルでも部屋がとても広かった。さすがに土地のいくらでもある国だ。

 ブリスベンの街に繰り出すと、まーっ、女性が大胆です。大半の人が、膝を曲げればパンツ丸見えだぞ!的、超ミニかホットパンツで、タンクトップやランニングシャツにノーブラも多い。スーツやドレスっぽい女性など滅多にいない。仲良さそうなカップルも多く、水着のような女性もいて、みんな肩で風を切ってさっそうと歩いている。太った女性も多く、そうかと思えば、明らかに拒食症では?と思われる女性もいた。中肉中背の女性が少ない気がした。しかし日本とは全く空気が違う!街にロックもガンガン流れ、とても開放的だ。人種もさまざまで、白人、アフリカ系黒人、ネイティブなアボリジニ系など。アフリカ系の女性はドキッとするくらいきれいだ。アジア系は中国人が多く、日本のように中華街もあった。

 カジノでトラベラーズチェックをオーストラリアドルに替えてもらうために入って、トイレに行ったら、男子用便器が高すぎて、届かない……。仕方ないので子供用を使った。カジノの前ではストリートミュージシャンが音階のあるドラムで、いろいろな曲を叩いていた。この川縁あたりは市の中心街で、公園、美術館、博物館、劇場、プールなどが広い敷地に点在している。中心街は禁煙になっている。吸っていい道端には、灰皿と、ゴミ箱、リサイクル用ゴミ箱がセットで完備されていた。

佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」2012年2月9日
カジノの男性トイレ。明らかに高すぎ


 訪れた都市はどこもそうだが、街の中心部には広い公園が整備されていて、熱帯性の木が生い茂り、野生のきれいな鳥がぎゃーぎゃーと鳴いている。セミもうるさい。ブリスベンは松山より少し規模が大きい都市の感じだが、さすがに自然保護の国だ。自然の中に都市がある。そして蚊とかの虫が全くいない。ホテルのベランダで一晩中明かりをつけていても虫が寄ってこないので、快適だった。

佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」2012年2月9日
中心街の公園歩道橋から街のほうを見たところ。
公園行きのバスが長蛇の列


 ブリスベンでは公園の中にある美術館にも入った。入場無料で、とても広い施設内でロマン派から抽象的な現代芸術まで、たくさんの数の作品を順に見ることができる。滞在中、プールなど公共の施設では、入場料をとられたことはなかった。

 夕食に入った料理店では、超元気印の日本人のメイドさんがいたので、料理の詳しい説明を聞けた。高知の皿鉢料理のようなでっかい皿に、ムール貝、生カキ、いせえび、カニ、などの海鮮盛り合わせを、みんなでつついた。オージービーフのステーキも4~5cmの厚さだった。カンガルーとワニとキウイの肉も頼んだら、焼き鳥風に串に刺して出てきた。まさに酒池肉林!どれも美味しすぎて、ワインも進み、酔っぱらってしまった。日本に帰って体重を計ったら、旅行後は3kg太っていた。


コメント


高すぎるトイレにはまいりましたね~。(笑)佐野さんの体格は、向こうでは子供並みなのですね。ほかに人がいなくて良かったですね。写真をとったのは誰ですか?カンガルーやワニやキウイの肉って美味しいんですか。どんな食感なんでしょう?「メイドさん」じゃなくて「ウェイトレスさん」だと思いますが。(笑)自然の中に都市があるっていいですね。住みやすそうな気候で憧れます。


投稿者: 金太郎の妻 | 2012年02月06日 19:17

ブリスベンには、中学のころ2年間住んでいました。クイーンズランド大学のある川沿いの高級マンションで近くに中心街が一望できました。週末には大学のコートを借りてテニスをしたものです。ショッピングモールには入りませんでしたか?物流が大規模で豊かさを感じますよ。
多国籍なところは僕の少年時代に影響を及ぼしたと思います。なんでもまず受け入れ、その後に自分を主張する傾向があります。統合失調症になったのは、子供のころ文化の違いに触れすぎたからかもしれません。


投稿者: 夜 | 2012年02月07日 03:31

金妻さん:写真を撮ったのは娘の旦那さんです。カンガルー他の肉は意外とあっさりです。美味しいです。秋葉原のメイド喫茶じゃないですね。(笑 ケアンズまで北上すると、暑いですよ。内陸は乾燥しているようだし。広い国だから気候が全然違うようです。

夜さん:ショッピングモールに行きました。時間が飛行機待ちの1時間しかなかったので、巨大なモールを駆け足でした。Tシャツやネックレスは買えました。
本当か嘘か知りませんが、AV業界で混血は淫乱という話があるそうで、思春期までに外国に住んだり、引っ越しが多かったりすると、精神的に安定しないのかもしれません。


投稿者: 佐野 | 2012年02月09日 17:49

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プロフィール
佐野 卓志
(さの たかし)
1954年生まれ。20歳(北里大学2回生)のとき、統合失調症を発症、中退。入院中、福岡工業大学入学・卒業。89年、小規模作業所ムゲンを設立。2004年、PSWとなる。現在、NPO法人ぴあ、ルーテル作業センタームゲン理事長。著書に『こころの病を生きる―統合失調症患者と精神科医師の往復書簡』(共著、中央法規)『統合失調症とわたしとクスリ』(共著、ぶどう社)。
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