ケアンズ Part1
ブリスベンから同じ東海岸沿いにある北のケアンズに向かう。日本にも若干近くなる。ジェットスターという格安航空会社の飛行機だ。定刻30分前に搭乗口に着くと、もう乗客は次々に乗りこんでいた。日本のように出発15分前まで、ゲートを開けないということもない、いい加減というか大らかさがある。今までは定刻に出発したことなどなかったのに、いきなり時間どおりに出発してびっくりした。
飛行機の窓から見える三日月形の珊瑚礁
日本では「北国は寒い」イメージだが、オーストラリアでは北国は熱帯に近くなるので、とても暑い。南のシドニー空港の朝は気持ちのいい寒さだったけれど、北のケアンズ空港は、湿度をもった暑さだ。内陸は熱帯乾燥だが、海岸部のケアンズはスコールのたびたびある、熱帯雨林の気候だ。3日間ケアンズに泊まったが、雨が降ったのはわずかで、とてもラッキーだった。
オーストラリアではホテルではなく、日本にはない滞在型で自炊もできるコンドミニアムに泊まった。ケアンズのコンドミニアムでは数家族がひとつ部屋をシェアできるタイプだった。ダブルのベッドが3組ある。部屋のシェアはオーストラリアでは普通で、「自分もいろいろな国の若者と一緒に、ひとつ屋根に暮らしている」と、現地の若い日本男性の添乗員が言っていた。引きこもってなんかいないで、日本の若者にも流行ればいいのに。やっぱり日本は家制度なんだなぁ、と思う。最近、海外留学から帰った人を中心に、ネットで同居者を募集して、ルームシェアすることも少しはあるらしいが……。
ケアンズのホテルの近くの船着き場からの夕日
ケアンズでは、実に多くの日本の若者が働いている。お土産物屋さんの2~3軒に1軒くらいで、日本人店員に出会う。店の看板も「タイ料理」とか「中国式マッサージ」とか、日本語で書いてあったりする。お店のメニューも英語と日本語で書いてあったりして、まるで日本語が第二の公用語のような気がしてくる。中国式マッサージ店で働いているのは、中国や韓国の人が多いのだが、片言の日本語はできる。
先ほどの日本人添乗員は、「オージーは働くのが嫌いで、4時45分くらいには仕事を止めて、5時には家に着いている。待つことも嫌いで、マクドナルドの店員もお客がメニューに迷ったりすると、イライラして対応がぶっきらぼうになる。オージーのマクドナルドのマニュアルにも『スマイル』とは書いてなく、実際、実に愛想なし!」だそうだ。それで「笑顔で働き者の日本人はオーストラリア社会で生き残っていく」のだそうだ。お土産物屋さんもオージーのお店は早くに店じまいだが、日本人を始め、アジア人のお店は遅くまで営業をしている。
夜に繁華街を歩いていると、日本語の「また~っ!?」って言う声がした。振り向くと、日本人のきれいなお姉さんだ。後から白人男性が追いついて何か話したら、建物の壁と壁の隙間にすっとお姉さんが入って、その男性と続けて話をしている。「ん?」と思ってしばらく見ていると、連れ立って、元来た方向に歩き出した。「交渉成立だなっ!」と納得した。日本でも道後などの温泉街には風俗街があるけれど、「旅行の最後の思い出に」というわけだろう。オーストラリアでも事情は同じようだ。
コメント
オーストラリア楽しんできた雰囲気が伝わります。
そうなんですよ。旅行は楽しいですから、生きているうちにうんと楽しみたいです。ともさんは行きたいところはありますか?
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