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佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」 2012年02月

ケアンズ Part1

 ブリスベンから同じ東海岸沿いにある北のケアンズに向かう。日本にも若干近くなる。ジェットスターという格安航空会社の飛行機だ。定刻30分前に搭乗口に着くと、もう乗客は次々に乗りこんでいた。日本のように出発15分前まで、ゲートを開けないということもない、いい加減というか大らかさがある。今までは定刻に出発したことなどなかったのに、いきなり時間どおりに出発してびっくりした。

佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」2012年2月23日
飛行機の窓から見える三日月形の珊瑚礁



ブリスベンからモートン島

 ブリスベンに一泊して、朝からジョンのタクシーを呼んで、港まで送ってもらった。荷物を預けたら、船までフォークリフトで運んで積んでいた。広島行きの高速船くらいの船2隻に満員の客を乗せて、1時間ちょっとでモートン島に着いた。ちょうど松山広島くらいの距離のリゾートアイランドだ。売りは何と言っても、野生のイルカへの餌付けだ。

佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」2012年2月16日
モートン島の船着き場からの景色



シドニーからブリスベン

 成田からシドニー空港に着くと、夏のはずなのに、肌寒かった。朝だと言うのもあるのかもしれないし、南極に近いと言うのもあるのかもしれない。入国手続きを終え、子どもたちの乗っかった荷物をごろごろ押して行き、空港を出ないでそのまま北方向のブリスベン行きの国内航空に乗った。機内では普通にロックがガンガン鳴っているし、男同士のベッドシーンの映画もやっていた。日本とは全く空気が違う!ブリスベン空港に着くと、からっとした湿度のない暑さで気持ちよかった。タクシーは、お客が6人乗れて荷物も積めるハコバンだった。一気に気分は上昇して、室内では、子供達を中心にリンダリンダとかの大合唱だった。運転手はジョンという韓国人で、わかりやすい英語だったので、親しくなって、次の移動時も呼ぶことになった。



オーストラリア時間

 この正月休みに、娘の家族と奥さんと1週間近く、オーストラリア旅行に行ってきた。
 まずは、いまオーストラリアとの時差は1時間しかないけれど、季節は夏だと言うことをご存知だろうか?成田で出発するときに夏服に着替え、成田に帰ってきたときに冬服に着替えるわけだ。体の方は至って順応性が高く、風邪を引くこともなかったけれど、慢性的な睡眠不足で、旅行中はずっと下痢状態だった。観光バスなどでトイレ休憩なしに2時間とか走るので、不安もあったけれど、それよりもあちらはウォシュレットがどこにもなく、頻繁に紙で拭くと血が出て、大変痛い思いをした。しかも旅行中はハイテンションなので、普段どおりの薬を飲んでも、寝付きが悪く、朝早く目が覚めた。睡眠不足を苦痛に感じないのが、ハイテンションの問題なのだが……などと言っても、楽しい旅行だった。



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プロフィール
佐野 卓志
(さの たかし)
1954年生まれ。20歳(北里大学2回生)のとき、統合失調症を発症、中退。入院中、福岡工業大学入学・卒業。89年、小規模作業所ムゲンを設立。2004年、PSWとなる。現在、NPO法人ぴあ、ルーテル作業センタームゲン理事長。著書に『こころの病を生きる―統合失調症患者と精神科医師の往復書簡』(共著、中央法規)『統合失調症とわたしとクスリ』(共著、ぶどう社)。
ムゲン http://www7.ocn.ne.jp/~lutheran/
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