統合失調症は遺伝するのか?part1
最近、ニュースで統合失調症の遺伝子としてDISC1が注目されたが、じつはうつ病にも関係あるとして、統合失調症を引き起こす遺伝子とは特定されなかった。ぼくとしては「ざまあみろ!」である。
というのも統合失調症発症の遺伝子を突き止める目的って、DNA検査をして「大人なら断種、胎児なら堕ろす」ために使えるからだろうと、ぼくには思えるからだ。それほどまでに人の優生思想と呼ばれる、優秀なものへの憧れは強固だと思う。なでしこジャパンが優勝すれば、誰でも嬉しいと思うし、もちろんぼくもニュースにかじりついていた。でもこれも優秀なものへの憧れ、優生思想だ。遺伝子研究は最先端の技術としてとても流行している。金と人海戦術でいくらでも研究が進められる分野なのだろう。まったくうらやましい。それに比べ万病の元であるPTSDなどは脳に傷が物理的につくものではないだから、脳自体をいくら研究しても、成果は少ないのだろう。今のところ、PTSDの治療分野は医療ではなく、保険の効かないカウンセリング治療の独壇場になっている。
さてぼくの体験的には、統合失調症の主たる原因は、育ちにあると考えている。過酷なトラウマチックな環境が発症に関係が深いということだ。もちろんぼくの虐待体験が発症に大きな役割を果たしたことは何度もブログに書いてきた。母親の虐待によって、ぼくは統合失調症に、妹はAC(アダルトチルドレン)に、弟は強迫神経症になった。虐待の結果か元々の素因か、ぼくにはADHDという発達障害っぽいところがある。夢中になると、他のことは見えなくなったりする。この性格は妄想に夢中になって、病気を進める役割を果たしたと思う。主治医によると、「ぼくには元々の発達障害はなかったのではないか?」ということである。
つまり、虐待によって発達障害っぽく育ったというわけだ。虐待や発達障害では成長が遅れて、精神年齢が人の2/3くらいになるらしい。ぼくも子どもの頃から若い頃にかけて、実は今でもだが、まわりの人たちが「とっても大人っぽいなあ。それに比べ自分はなんて子どもっぽいんだろう」としょっちゅう感じていた。
数年前から、松山の精神科医である笠先生が中心になってセカンドオピニオンのHPで、「発達障害が統合失調症と誤診されて、抗精神病薬の大量処方の犠牲になっている」という主張をしていたが、大分浸透してきているように見える。発達障害の2次障害に幻聴とかが出るものを統合失調症と診断するかどうかは、高機能の発達障害という診断だけではなかなか障害年金がもらえないという現実の前では、複雑な問題だ。つまり、統合失調症とさえ診断すれば、障害年金が出るという、制度の問題だ。遺伝に関して言えば、発達障害は親子で発達障害というのはよく聞く話なので、ある程度遺伝はするのだろう。ぼくが昔の主治医から言われた「統合失調症になりやすい脆弱性は遺伝する」という曖昧な表現は、結局「発達障害ならば遺伝する可能性がある。統合失調症そのものが遺伝する訳ではない」ということだとぼくは理解している。
ぼくの場合、元々の発達障害ではなく、虐待によって発達障害にとても良く似た育ち方をしたために、ストレスを溜め込んで、発病したという訳だ。
コメント
統合失調症においての
育ち方。家庭環境。
私もそう、思います。
私も遺伝子がどうのこうので
一体、どうするんだ?と思っていました。
治療する方も、原因を突き止めて納得したいのでしょうか。
そうですよね。統合失調症の遺伝子を突き止められたら、とても大変な事態になると思います。
それにしても人の好奇心による、科学的探求は留まることを知りません。人をもつくり出せるなんて神の領域です。核の技術探求だって、最後は人を不幸にしてしまいます。
どうすれば人が傷つくことが減らせるか?のほうがよっぽど重要だと思うのですが。
※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。