さようなら原発part1
イタリアで原発を推進するのかどうかで、国民投票が行われた。6月14日に開票され、90%以上の圧倒的多数で、原発ノーが決まった。ドイツやスイスに次いでの原発廃止だ。ヨーロッパではドミノ倒しのように原発廃止が続いている。ポーランドでも国民投票を求める声が高まっている。国民投票制度は民主主義の先進国ヨーロッパならではだが、ぜひ日本でもやってほしいものだ。
脱原発はもちろん福島の原発事故の影響だが、諸外国ではマスコミによって事故情報がありのままに配信された。しかし日本では東電と政府が重要な情報を隠し、マスコミにも一斉に自粛ムードが広がり、断定口調の謙虚さの感じられない科学者ばかりが出演し、「事故は大したことがない」というニュアンスばかりが広く国民に伝えられた。その効果が出て反原発の動きは日本では広がらずに、海外で広がったのだろう。マスコミによる電力不足宣伝も功を奏した。原発止めたら電気が足りなくなるという訳だ。現実は全原発を止めても大丈夫だ。実際、2003年に東電の事故隠しが内部告発によって問題化して、全原発が止まったことがあったが、計画停電など全く話題にもならなかった。
事故翌日に情報秘匿の方針に従わずに、メルトダウンの事実をマスコミに漏らした政府の審議官は更迭されてしまった。こうして政府と東電は隠し続け、ほとぼりが冷めた事故から3か月近くたってメルトダウンを認め、IAEAに報告する直前にメルトスルー、つまり、絶対に壊れないと豪語していた鋼鉄製の厚さ16cmの原子炉が壊れていたことを認めた。しかし「溶けた燃料が3cmの鋼鉄製格納容器も突き抜け、コンクリートも壊し、地中にまで到達していることを、まだ隠し続けているのではないか?」と疑っている人は多い。こうなれば、今やっている水をかけてポンプで格納容器を循環させて冷やす意味がなくなってしまう。打つ手なしだ。循環浄化作業は1か月の予定だが、わずか5時間で交換基準に達し、止まってしまった。再開されたとしても、フィルターにたまる高濃度で大量の汚泥ゴミは、どこにも持っていくところがない。
もちろん地下の「元」燃料が地下水を汚染して、それが海に流れ込んでいることも政府は認めていない。爆発した建屋の倒壊だって余震によって起こってしまう可能性もある。特にプールに大量の燃料棒のある4号機で倒壊が起こり、プールの水が抜けてしまうと、日本中どこにも逃げるところなどないという。
さて放射線の影響についても、枝野さんの会見で有名になったように政府は「ただちに影響はない」と否定し続けた。福島県が依頼した放射能アドバイザー山下長崎大医学部教授は福島各地を講演して回り、政府の基準値1ミリシーベルトのところを「100ミリシーベルトでも全く安全です」と言い続け、安全デマだとも言われた。政府から指導されて、さすがにトーンダウンしてきているものの、今でも相変わらずである。
学校の校庭の基準値を20ミリシーベルトにした政府に、お母さんたちが頑張って、「1ミリシーベルトを目標にする」と付け加えさせたが、お母さんたちをモンスターペアレントあつかいする論調もある。子どもの健康のためならモンスターになってもいいと思う。自治体は地産地消とかで、給食には福島県産の野菜を使い続けている。食は内部被曝させるので、福島県の農業を救うには、消費者に野菜を売るよりも、全部東電による補償を求めるべきだろう。福島で取れた野菜を大量に買い叩いて、都会に持ってきて、「頑張ろう!福島」と垂れ幕を張って売っている人もいる。飛ぶように売れるそうだ。
しかし東電は世界でもきわめて高い電気料金を、さらに月1000円以上値上げをする予定だ。原発推進にじゃんじゃん税金を使ってきて、結局さらなる国民負担だ。国民は節電に励むしかない。
話は変わるが、女性アイドルで「制服向上委員会」というグループをご存知だろうか? 最近「ダッ!ダッ!脱原発の歌」が爆発的に話題になっているので、面白いからYouTubeで検索して聞いてみてください。
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