事業仕分けはもういいんじゃないのか?
今日も熱帯魚屋のマットグロッソに来ている。入荷したばかりのフルメタルブルーグラスグッピーのつがいを1600円で購入した。メダカの仲間だが、オスは薄紫の背びれと尾びれがからだの何倍にも広がって、ひれ一杯に濃い紫の細かな斑点が入っていて、とても優雅に泳ぐ。メスはオスより大きくずんぐりむっくりな体型でちょこちょこと泳ぐ。早くアクアリウムで泳がせてみたい。
店の丸イスに座ろうと新聞をどけると、見出しが目に入った。「事業仕分け第3弾!」。事業仕分けが8月以降続けて行われたが、第3弾として、特別会計を対象とした事業仕分けを10月末、再仕分けを11月中旬に行うという記事だ。
「ふーさん。事業仕分けはもうよくない?」
ふーさん「え、どうして?」
「埋蔵金を掘り出して透明化を図るという目的や、ムダな事業や天下りをあぶり出すということには賛成なんだけれど、小泉改革の小さな政府路線の流れでしょう。小さな政府では福祉にもお金が回ってこなくなるんだよ」
ふーさん「なーるほどね。でも不景気なわしら民間からみると、公務員は嫉妬、羨望の的だよ。身分が安定していて、昇給が必ず約束されている」
「小泉時代が懐かしい人たちは、『労組が民主党政府の基盤だ』と攻撃する人もいます。多くの攻撃する人は、実は労組こそが世話をすべきワーキングプアの人たちだったりする」
ふーさん「パチンコばっかりやっている生活保護の人だっているしな」
「この不景気のために生活保護の受給が20〜65歳の可働年齢の人たちにも広がった現実があって、経費削減のための『期間限定保護』の導入も検討されているし」
ふーさん「ところで、ホントに民主党は外交下手じゃな」
「たしかに内政重視の民主党では、派手な改革をやった小泉の熱狂が忘れられない人たちには不満でしょうね。尖閣諸島問題では、中国との戦争も辞さないというネットの住人だっているし、今度は北朝鮮の砲撃問題でしょう。しかし菅内閣で政府が弱体化しているのは、実はよいことだと思うのです。弱々しい政府なら、国民を煽動して戦争をしたりしない。総理に存在感がないのも結構。イニシアティブなんか発揮しなくて結構です。国家の権力は死に体くらいでちょうどいい。国に期待しない民衆がやる気になる。国民を煽動するリーダーシップは、小泉総理でこりごりですよ」
ふーさん「おもしろい考えじゃな。でも、事業仕分けをテレビで見ていると、蓮舫さんは惚れ惚れするほどかっこいいな」
「でも事業仕分けは、国からムダがなくなってしまうことにもなるのでは、と心配です」
ふーさん「ムダがなくなるのはよいことじゃないのかな?」
「からだの弱い人、病気持ちの人は、ゆとりある環境でやっと働けている場合も多いだろうと思うのです。障害者の法定雇用率は民間が1.8%、公務員は2.1%に決まっていますが、この数字はヨーロッパに比べるととても低いです。でも実雇用率を見ると、民間のほうは達成には遠く及ばないけれど、公務員では2.17%とわずかに達成されているのです。しかし中身は身体障害者が圧倒的に多く、知的や精神は少ないのです。これを増やしていくには、組織に緩さやゆとりが必要だと思うのです。ゆとりがあれば、健常者だって働きやすいし、ムダは必要だということなのです。ほら、囲み記事ですが『民事再生中のJALのバスケ部が廃止』とあります。ゆとりは安全運行にもつながります。官民ともに、ムダと余裕がないです。日本は日々の生活だけに汲々と追われるような、貧乏な国へと後退しつつあるのでしょうか?」
ふーさん「以上、演説終わり!」
「あはははは。グッピーが弱らないうちに、早く帰って水槽に放してやろう」
ふーさん「早くグッピーの仔が産まれるといいな。それじゃ、また」
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