安心して休める会社
べてるの家は、年商10億を稼ぎ出しておきながら、安心して休める会社でもあるそうだ。
安心して休める居場所として運営すれば、授産施設あるいは作業所の売り上げは落ち、メンバーの給料は少なくしか保障できなくなる。働く場所として給料を上げようと思ったら、安心して休める居場所としての機能を犠牲にして、メンバーにハッパをかけざるをえない。シーソーのようなもので、どちらに重点を置くかは、その授産施設や作業所が試行錯誤で決めていくものだと思う。
自立支援法以来、「働く場所としての機能を強化せよ」という国の方針が下った。それで、多くの作業所は居場所であることをやめて就労支援に移行した。この圧力は今も福祉業界に蔓延している。
この国の方針とはまったく関係ないところで、おそらくべてるの家は給料を犠牲にしても安心して休める居場所としての機能を優先してきたのだろうと思う。ムゲンもまったく同じである。仕事をしているかたわらで、大いびきで眠っているメンバーもいる。しかしかたやべてるは10億である。並みの授産施設ではない。昆布の出荷であれば、当然納期というものがかかってくる。これをどうやってクリアしているのか? いつもコンスタントに休まずに働くメンバーの存在があるのかもしれないし、人海戦術で納品を越える余剰な日高昆布の在庫を抱えているのかもしれないし、職員が残業して袋詰めしているのかもしれない。
ムゲンの場合はずっと基本的に作業のない居場所としてやってきたが、1年ほど前から着物のリメイクをしていて、その材料の古着物をほどくことがメンバーの作業になっている。しゃべること以外ムゲンですることもないメンバーも退屈になるからだし、リメイクしてもらえるデザイナーもいいタイミングで見つかったからだ。リメイク品はできあがった順に売るので、事実上納期はない。たまには納期のある注文仕事がくる。そういう場合は安心して休める居場所を多少犠牲にしても、みんなに「やってよね」と、突貫工事をお願いすることにもなる。でもこれでメンバーの給料がぐっと上がった。
全国から病者がやってくるべてるの家をいつか見学してみたい。その居場所と働く場所とのバランスをじっくり見せてもらい、もちろん話題になっているべてるの認知行動療法、幻聴さんとのお付き合いも見学してみたいものだ。
コメント
やたら、べてるの家を持ち上げられても困るんですよね。キリスト教関係者は自慢したがるね。
安心して休める会社なんて有り得ません! 旨い話には裏があると思いませんか?
裏があるなら、じっくり見学して、知りたいものです。
しかし、幻聴さんと呼んで、名前をつけて楽しむ、というやり方、ぼくはずっと病者自身が編み出したことだと思っていたら、どうやら、健常者から認知行動療法として広まったようです。
うまい話は、話半分にきいた方がいいのでは?…
宗教、過疎地、歴史の浅い北海道という土地、地場産業、熱心なワーカーなどが絡み合って成功したんでしょう。ヤマト福祉財団のスワンベーカリーもしかり。
茶々入れすみませんね。
実際、一度見学してみましょうよ。僕もしてないので、この目で見てみますよ
聞いた話は、当事者どうしで利用者とスタッフに分かれているとのこと。利用者は、利用料を払い、スタッフは雇用契約を結び働いている。
これがどういう関係になるかは?は、佐野さんはいろんな病者の方と関わっていらっしゃるので、ご存知と思います。もちろん良好な関係を結び働いている方々は、べテルでも少なからずいるようですよ…。
べテルの病者は元気で、見学に行った病者が調子を崩したというう話も聞きました。
これは、やはり自分の目で見て、どう捉えるかしかいいようがありません…。
実際数百人の病者がべてるの浦河に移り住んでいるのだし、いちどこの目で確かめてみたいものです。
当事者がスタッフになるというのは、極めて難しいことです。メンバーの嫉妬を買いますし。この辺も見学してみたいものです。
病者当事者がスタッフってのは、確かに嫉妬しますね。
ボクは、佐野さんが病者とは思えない程ですけど。
ぼくはもう晩年寛解だと思いますよ。調子崩して寝込むことが最近ないし、ちょっと疲れると昼寝はいつもやっています。
昔はこんなに簡単に眠れなかったですけど。あと、あまりトラブルに首を突っ込まないように気をつけています。
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