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南雲明彦の「発達障害と生きるということ ~当事者からのメッセージ~」

東日本大震災とスーパームーン

 前回のこのブログで、大学の卒業式を終えて喜びに満ちた人たちのことを書いてから数日、こんどは泣き崩れている女性に出会うことになってしまいました。心配になり、声をかけたのですが、女性は、その数分前に東日本大震災での家族の訃報の連絡が来たそうです。私は、掛ける言葉も見つからず、ただ安全な場所にお連れするしかできませんでした。

 東日本大震災により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、そのご家族の方々に対しましても、心よりお見舞いを申し上げます。

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 東京でも、交通機関の乱れやスーパーでの買い占め、計画停電等、普段の生活を変えなければ行けない状態になっています。夜は、節電の影響で、街全体が薄暗くなっています。先週末、いつもより電気を使っていないのに妙に明るいと感じたのですが、19日は過去18年間で最も月が地球に接近する「スーパームーンの日」なんだそうです。この時の月の大きさは通常より14%大きく、明るさは30%も明るくなるんだそうです。少しの時間でしたが、いつもは素通りして気がつかない、とても大事なことに気づかされたように思いました。

 もちろん、被災された方たちのことを思うと、胸が引き裂かれそうになります。実際に、発達障害をもつ人たちも影響を受けています。今、自分にできることは、こういう場を通じて、エールを送ることしかありませんが、それが少しでも届いたらいいなって思っています。でも、「頑張れ」とは言えません。今、必死で生きようと頑張っている事実を、まずは受けとめた上で、声をかけるべきなのではないかと思います。これは、発達障害の二次障害で苦しんでいる人たちにも同様のことが言えるのではないでしょうか。状況は違いますが、私たちには、どうにかできるものとどうにもならないものがあります。まさに天災も障害も、できるなら、起こりたくはないと思いますが、起こってしまうのが現実です。それでも、命ある人たちは、生き抜いていかなければなりません。

 発達障害をもつ人たちは、ただでさえ生きづらい状況であったのが、もっと生きづらい状態になっているのではないかと気がかりです。ただ、心配してばかりしていてもしょうがありません。自分なりの応援の仕方で、「スーパームーン」のように、少しでも、ご本人たちに明かりを灯すことができたらいいなと思っています。「頑張れ」じゃなくて、「顔晴れ」でいてもらえるように、現在の立ち位置で最善を尽くすのみです。


コメント


 フラットな時と、ひどく落ち込む時の差がありますが、大丈夫だと信じて、今出来ることをします。スーパームーンでしたか。最近眠気が続いておりますが、ローソクを灯し自らと向き合っていました。何もできないけれどひと時でも皆さんの心に平安が訪れますように。


投稿者: 青空☆ひよこ | 2011年03月24日 10:18

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プロフィール
南雲 明彦
(なぐも あきひこ)
アットマーク明蓬館高校
共育コーディネーター
1984年生まれ。21歳の時に自身が発達障害の一つである「ディスレクシア(読み書き困難)」であることを知る。その後、「ディスレクシア」の存在が世の中に知られていないことから、啓発、支援活動に尽力中。
著書に『僕は、字が読めない。~読字障害(ディスレクシア)と戦いつづけた南雲明彦の24年~』(小菅宏著/集英社)、『私たち、発達障害と生きてます~出会い、そして再生へ~』(共著/ぶどう社)がある。
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