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南雲明彦の「発達障害と生きるということ ~当事者からのメッセージ~」 2010年07月

金子みすゞさんの詩に想いを浮かべること

 金子みすゞさんの代表作「私と小鳥と鈴と」という詩の中に「鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい」という、とても素敵な言葉が出てきます。特別支援教育において、「みんなちがって、みんないい」という言葉は非常によく使われている言葉です。ここで、この詩の解説のようなことをするつもりはありませんが、この言葉の意味について、もう一度、考えてみたいと思います。



気付き始めた「障害者同士での“障害者差別”」

 「障害」というと、「身体障害」、「視覚障害」、「聴覚障害」、「精神障害」、「発達障害」などが挙げられます。ちなみに「知的障害」も私のような「学習障害」も同じ「発達障害」の仲間です。個人的な意見として、同じ発達障害の仲間であれば、支援の仕方は違えど、一緒に啓発活動をしていくべきだと考え、「PandA-J」(注1)に私のインタビュー記事を野沢和弘氏(PandA-J編集長/毎日新聞論説委員)のご協力の下、掲載して頂きました。



障害をカミングアウトすることは、ハイリスク、ローリターン

 皆さん、吉原シュートさんという俳優の方をご存知でしょうか? テレビや雑誌でも注目され始めている方で、最近では『ネオロマンス・ステージ「金色のコルダ」ステラ・ミュージカル』に出演されています。実は、この方、どこからどう見ても「美男子」なのですが、戸籍上は「女性」です。最近、彼は自身が「性同一性障害」であることを公の場で告白しました。戸籍上は「男性」の同じ障害の芸能人の方は、たびたび見かける事はありますが、逆のパターンを見かける事は今までありませんでした。とても勇気のいる行為であるのは間違いありません。なぜなら、「非常にわかりづらい障害」だからです。これは、発達障害にも同じことが言えます。



先生の自己肯定感―地元開催の講演会への思い

 少し先になりますが、8月1日に私の地元である新潟県南魚沼地域にて、講演を開催することになりました。私は、この地域で18年間過ごしました。当日は、おそらく当時の担任の先生達が大勢来られると思います。
 私が学校へ通っていた時代には、「発達障害」の概念自体があまり浸透していませんでした。だから、その当時の先生方を責めたり、恨んだりする気持ちはありません。ただ、これから自分のような子どもの教育に当たる場合には、特別支援教育の観点も入れて、指導に当たって頂きたいという願いがあります。



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プロフィール
南雲 明彦
(なぐも あきひこ)
アットマーク明蓬館高校
共育コーディネーター
1984年生まれ。21歳の時に自身が発達障害の一つである「ディスレクシア(読み書き困難)」であることを知る。その後、「ディスレクシア」の存在が世の中に知られていないことから、啓発、支援活動に尽力中。
著書に『僕は、字が読めない。~読字障害(ディスレクシア)と戦いつづけた南雲明彦の24年~』(小菅宏著/集英社)、『私たち、発達障害と生きてます~出会い、そして再生へ~』(共著/ぶどう社)がある。
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