察しあえる関係っていいな…
最近、ボランティアの学生さんや実習生が私たちのところに訪れています。この小さな事業所(デイホーム)に訪れる理由は、みなさん「必察」を体感したいということのようです。私たちとしても、来訪者は新鮮な風を吹かせてくれて、新たな気持ちになる良い機会だと考えています。
思いのこもった住まい
休日に開催されている、ある地区の「いきいきサロン」で介護予防出前講座を終え、帰社した矢先のことでした。
事務所の電話が鳴り、時計に目をやると午前11時30分過ぎ。「さて、誰だろう?」と思いながら受話器をとると、元気な声の一人暮らしのマツさん(仮名)でした。
相談者の思いを必察
私たちの仕事は、介護者からのご相談を受けることから始まります。介護者の多くは親族。電話での問い合わせもあれば、突然の来訪もあります。初対面の介護者は、どのような思いで相談に至っているのでしょうか?
今を受けとめ、できることをしていく生活(いき)方
私たちの生活はいつまでも同じではなく、季節や年齢、時間とともに変化してきます。その過ぎ去った日のことを改めて思いだそうとする時、きっかけがないとなかなか思い出すことが難しいと思います。
逆に、何気ないふっとした瞬間に、鮮明に想い出すこともあります。たとえば、心地よく感じるそよ風の匂いから「そういえば学生の時、あの人とあの場所で、こんなことをしていたなぁ~っ」などと、その時の出来事を懐かしく想い出すこと。またある時には、流れてくる懐メロから、走馬燈のように湧いてくる当時の気持ちなどもあるでしょう。
この過ぎ去った日々が良かったか悪かったかではなく、幾層にも重なり合う一つひとつの出来事から、私たちの今という状況が紡ぎ出されているのです。
精いっぱい「らしく」生活(いき)ること
ある日の佐野太郎さん(仮名79歳)との面接の場面でした。
太郎さんは「昔は、この近くの神社はとても賑やかだったよ。大きな楠木があって、夏はみんなの休憩所だったね。戦時中は、子ども達の逃げ場所だったよ。大きな木だったから、子ども達を隠してくれたよ」と、近所の話を意気揚々と話してくれました。