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永島徹の「風」の贈り物

まだまだあるぞ、社会資源

 今週は、栃木県高齢福祉課が主催する介護相談員現任研修の講義を、県高齢対策課の方々と2日間行ってきました。この介護相談員は現在、全国で約9590人いて、この事業を実施している市町村は約529あるといわれています。介護相談員に関するホームページ(http://www.kaigosodan.com/index.html)では、次のように介護相談員を紹介しています。
 「介護相談員は、利用者から介護サービスに関する苦情や不満等を聞き、サービス提供者や行政とのあいだに立って、問題解決に向けた手助けをする専門家です」

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 この介護相談員、栃木県内で実施している市町村は少なく、まだ活動がはじまったばかりです。しかし、今回参加された現任研修受講者の皆さんの多くは、人生経験の豊富な団塊層の方々が多く参加していました。そのため、日頃の相談活動も、実にていねいにされていることが伺えました。
 中には、施設を訪れて相談活動をしているばかりではなく、その施設で生活されている入居者のさまざまな力作を紹介するなど、介護相談員から情報を施設や地域へ提供する季刊紙を発行する取り組みしているところもありました。
 しかもこの取り組みをしてから、「相談員さん」と言われていた名称が、季刊紙名の「あやとり」さんという呼び名に変化し、自然に受け入れられているということでした。このような取り組みをしている介護相談員の役割がさらに多くの方々に理解され、この方たちを受け入れていく介護サービス提供事業者が、これまで以上にケアの質の向上になっていけることを願いつつ、介護相談員の現任者へ対人援助やコミュニケーション技法、認知症サポーター養成、事例検討などの講義をさせていただきました。
 講義の中で共通して伝えたことは、「目の前の現象だけにとらわれず、なぜそのような現象が起きているのかを考えていくこと」(真実と事実)でした。それは、介護相談員は日頃の入居者の様子を常に見ているわけではなく、月に数回訪れて施設の様子や入居者の相談伺う立場であること。だからこそ、慎重に起きている事実をいろいろな角度から考えていき、相談員としてできることを無理なく続けていくことが求められるからです。第三者の意見をサービス提供者に活かしてもらえるためにも必要なことだと思います、
 これからも、より多くの心ある介護相談員が生まれ、地域福祉のネットワークの一員としてともに活動していける仲間となっていくことを心から願っております。

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栃木県高齢対策課介護保険・後藤係長と参加者の一部の皆さん

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協働作業のグループワーク

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いよいよ最終日最後の講座です


コメント


 様々な方面、角度からのご活動お疲れ様です。今回、相談員研修の講義の中でお伝えしたという
>「目の前の現象だけにとらわれず、なぜそのよ
>うな現象が起きているのかを考えていくこと」
>(真実と事実)でした。
 これは、とても大切なことですね。民生委員さんなどにも必要な視点と思いますが、

>日頃の様子を常に見ているわけではなく、
>月に数回訪れて様子や相談を伺う立場であること。
>だからこそ、慎重に起きている事実をいろいろ
>な角度から考えていき、…求められるからです。

 ケアマネにも言えることかもしれません。要は対人援助職全般にも言えることなのかな…って。
 ありがとうございました。


投稿者: あねさん | 2009年03月02日 14:05

「あねさん」コメントいつも有り難うございます。
 目の前の現象に身も心も奪われてしまうことは、人間誰しもあると思います。ただ、改めて考え直してみると、なんてことなかったり、逆に重大なことだったりします。やはり、真実を見つめていこうとする「思い入れ」という見方やエネルギーが必要な昨今だと益々感じる私です。
 これからもどうぞ宜しくお願いいたします!


投稿者: 必察ソーシャルワーカー永島 徹 | 2009年03月03日 11:35

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
永島徹
(ながしま とおる)
NPO法人「風の詩」副理事長。社会福祉士、ケアマネジャー。大学卒業後、青森県にて精神科ソーシャルワーカーとして精神障害回復者の社会復帰活動に従事した後、郷里である栃木県へ戻り、特別養護老人ホーム併設の在宅介護支援センターに勤務し、地域の中で生じているさまざまな介護上の諸問題についての相談等に応じる傍ら、ケアマネジャーとして介護サービス利用者がより良い生活を過ごしていけるようにと活動。その後、縦割りではなく複合的な地域福祉の拠点を創ろうという計画で、NPO法人「風の詩」を設立、現在に至る。

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